歯科医師になる難易度は?私立歯学部の偏差値が低い理由・ランキングや見通しも解説

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カテゴリ:基礎知識

歯のお医者さんである歯科医師は、虫歯や歯周病などの治療をはじめ、予防処置や口腔機能の回復、矯正治療など、口腔内やその周囲に生じる病気やけがの診断・治療を行います。
近年では、ホワイトニングや審美歯科など、歯の見た目や美しさに関する治療を取り入れている歯科医院も増えています。
本記事では、歯科医師になるまでの流れや、歯学部合格の難易度について詳しく解説します。
国公立大学・私立大学それぞれの偏差値ランキングも紹介しているので、歯学部への進学を検討している方は、大学選びの参考にしてください。

この記事を読むとわかること
  1. 歯科医師になるためには
  2. 医師と歯科医師の難易度比較
  3. 私立歯学部の偏差値ランキング
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歯科医師になるための難易度

歯科医師

歯科医師になるためには、どの程度の学力が必要なのでしょうか。
ここでは、歯科医師になるために必要な学力や、歯学部への進学難易度について詳しく解説します。

歯学部への入学必要性

歯科医師になるためには、国家資格である歯科医師免許を取得する必要があります。
歯科医師免許を取得するには、大学の歯学部または歯科大学で6年間の教育課程を修了し、歯科医師国家試験に合格することが必要です。
そのため、歯科医師を目指す場合は、歯学部または歯科大学への進学が必須となります。
歯学部・歯科大学では、一般的に1~2年次で一般教養や基礎的な科目を学び、学年が上がるにつれて歯科医学に関する専門的な知識を身につけていきます。
4~5年次には臨床実習などを通して、実際の診療に必要な知識や技術を学びます。
6年次には歯科医師国家試験に向けた学習や実習を行い、卒業後に歯科医師国家試験を受験します。
歯学部・歯科大学での6年間の学習を通して、歯科医師として必要な知識や技術を身につけることが、歯科医師になるための第一歩となります。

歯科医師国家試験の合格率

大学の歯学部や歯科大学で6年間学んだ後、卒業見込みの学生は歯科医師国家試験を受験します。
歯科医師国家試験は毎年1回、2日間にわたって実施されます。
直近3年間の歯科医師国家試験の合格率は、2024年が66.1%、2025年が70.3%、2026年が61.9%でした。
2026年に実施された第119回歯科医師国家試験では、新卒者の合格率が80.2%だったのに対し、既卒者は27.8%でした。
このことから、新卒者と既卒者では合格率に大きな差があることがわかります。

医師と歯科医師の難易度比較

歯科医師国家試験

医師国家試験と歯科医師国家試験では、難易度や合格率はどのように違うのでしょうか。
医師国家試験の合格率は例年90%を超えてくるのに対し、歯科医師国家試験の合格率は約60~65%程度です。
この数字を見てみると、歯科医師国家試験の難易度は高いといえるでしょう。
しかし医師国家試験が易しいのかというと、そうではありません。
それでもこのように合格率が他の国家資格試験と比べても高いのは、もともと難易度の高い医学部や医科大学に合格し、在学中も試験や勉強量が他学部に比べると圧倒的に多く、そういった国家試験受験スキルが非常に高いことが考えられます。
一方歯科医師国家試験についてですが、時代の変化に伴い、国家試験の出題範囲が多岐にわたり難化していることが合格率の低下の原因の1つと考えられます。
また、1987年に政府が歯科医師削減計画を打ちだし、歯科医師国家試験の合格の判定基準の引き上げと歯学部に入学する定員を削減するよう方針を固めたのです。
しかし、私立大学などは入学の定員削減は大学経営の悪化を招きかねないため、政府の方針に従うのは難しく、そういったことも歯科医師国家試験の合格率の低さに繋がっています。

歯科医師の就職と需要

歯科医師は「数が飽和している」と言われることがあります。
また、歯科医院の数はコンビニエンスストアよりも多いとも言われていますが、実際の就職状況や歯科医師の需要はどのようになっているのでしょうか。
ここでは、歯科医師になった後の就職状況や、現在の歯科医師の需要について詳しく解説します。

就職の難易度

歯科医師の求人は多く、開業も含めると、歯科医師の就職率はほぼ100%といわれています。
就職難易度は他の医療業種と比べると高くなく、就職難だといわれているこのご時世においても、歯科医師国家資格は大変心強い資格となるため、就職先にも困ることはほとんどないといえるでしょう。

若手歯科医師の需要

昨今、歯科医師全体の平均年齢は50歳を超えており、年々右肩上がりの傾向にあります。
そして、歯科医師の高齢化が進む中で、後継者がいない歯科診療所も9割を超えている実情です。
以上により、高齢化の進む歯科医師会において、歯科医院の後継となる若手歯科医師の需要が高まっていると言えます。

地域密着型歯科医師の需要

日本は高齢化により、「自力で歯医者に行けない」といった介護が必要な要介護者が増えています。
サポートを必要とする方がいる中で、適切な歯科診療を受けることが出来ていない人が数多くいる現状です。
高齢化が進むにつれて、自力で歯医者に行けない人たちにたいして適切な歯科診療を行うことが重要視されます。
これからの歯科医師に求められるニーズも多様化していきます。

歯科医師のキャリアアップ

キャリアアップ

歯科医師として働く中で、キャリアアップすることは難しいのでしょうか。
また、どのような方法でキャリアを築いていけばよいのでしょうか。
ここでは、歯科医師のキャリアアップの方法や、キャリアを築くうえで押さえておきたいポイントについて詳しく解説します。

キャリアアップの難易度

歯科医師のキャリアアップには、勤務医として経験を積んだ後に歯科医院を開業する方法や、認定医・専門医などの資格を取得する方法があります。
ただし、開業には診療技術だけでなく、経営やスタッフのマネジメントなどの知識・能力も求められます。
また、認定医や専門医などの資格取得では、学会への所属や一定の実務経験、研修、試験などが必要となる場合があります。
このように、歯科医師としてキャリアアップするためには、専門的な知識や技術を身につけるだけでなく、自分が目指すキャリアに応じた準備を進めることが重要です。

歯科医院開業の計画必要性

歯科医院を開業する場合、実家の歯科医院を継承する方法と、新たに歯科医院を開設する方法があります。
新たに開業する場合は、開業する地域や物件を選定するだけでなく、診療所の設備や医療機器などを整えるための資金も必要です。
また、開業にあたっては、必要な届出や各種書類の提出など、さまざまな手続きがあります。
開業後も、地域の患者さんに歯科医院を知ってもらい、継続して通院してもらうための取り組みが必要です。
そのため、歯科医院の開業を目指す場合は、必要な資金や手続き、診療方針、経営方法などについて事前に情報収集を行い、具体的な開業計画を立てることが重要です。

認定医・専門医・指導医の資格取得

認定医・専門医・指導医は、歯科医療に関する各学会などが定める資格・認定制度です。
制度の名称や取得条件は学会によって異なります。
専門分野を深めたい場合は、自分が目指す分野の学会に所属し、資格・認定制度の取得を目指す方法があります。
資格や認定を取得するためには、一定期間の実務経験や研修、学会活動、症例の提出、試験などが求められる場合があります。
取得を目指す際には、それぞれの学会が定める最新の認定条件を確認しておきましょう。

私立歯学部の偏差値ランキング

私立歯学部

国内には、私立大学の歯学部が15校あります。
ここでは、それぞれの大学の偏差値を紹介します。
大学ごとの難易度を比較しながら、志望校選びの参考にしてください。

4大模試の偏差値ランキングと受験者層の違い

「私立歯学部の難易度は易しい」または「私立歯学部の偏差値は低い」と思われてる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、模擬試験を主催する予備校をもとに発表された「私立歯学部偏差値ランキング」について解説いたします。
主な模試として河合塾の「全統模試」、駿台予備学校の「駿台模試」、ベネッセの「進研模試」、東進の「東進模試」の4大模試をご紹介いたします。
受験者層の違いとして、河合塾の「全統模試」は受験者数が非常に多く、中堅大学から最難関大学までと幅広い層が受験しています。
駿台予備学校の「駿台模試」は難易度がやや高めであり、最難関大学を志望している受験生が多く受ける傾向にあります。
ベネッセの「進研模試」は学校単位で申し込むため、個人では受験ができません。
難易度は低めであり、中堅層が多く全国最大規模といえる人数が受験しています。
東進の「東進模試」はMARCHや関関同立のほか上智、理科大まで対応できる模試であるため、このランクの大学を志望している受験生が多く受ける傾向にあります。
このように予備校の模試ごとに受験層に違いがあるため、判定は多少の違いがありますが、あくまでひとつの指標として参考にしましょう。

私立歯学部の偏差値ランキング

私立歯学部における全統模試、進研模試、東進模試の偏差値を表にまとめました。
駿台予備学校が公表しているものについては、今回確認ができなかったため、掲載していません。
偏差値は入試の難易度を知る際の一つの目安として、志望校選びの参考にしてください。
(参考:河合塾 2027年度入試難易予想ランキング、ベネッセ マナビジョン、東進 大学入試偏差値一覧)

大学名 河合塾 ベネッセ 東進
北海道医療大学 40.0 45.0~46.0 59.0
岩手医科大学 40.0 46.0~49.0 52.0
奥羽大学 35.0 44.0 –
明海大学 45.0 48.0~56.0 59.0
日本大学松戸歯学部 35.0 46.0~51.0 50.0
昭和医科大学 55.0 62.0~63.0 58.0
東京歯科大学 55.0 60.0~61.0 63.0
日本大学 55.0 54.0~64.0 56.0
日本歯科大学生命歯学部 47.5 57.0~61.0 55.0
神奈川歯科大学 35.0 45.0 –
鶴見大学 37.5 45.0~46.0 –
日本歯科大学新潟生命歯学部 45.0 44.0~54.0 55.0
松本歯科大学 37.5 44.0~45.0 51.0
朝日大学 45.0 43.0~60.0 –
愛知学院大学 40.0 48.0~51.0 53.0
大阪歯科大学 52.5 56.0~62.0 65.0
福岡歯科大学 35.0 43.0~50.0 43.0

偏差値をそれぞれ見ると、同じ大学でも予備校によっては偏差値に大きな差があることが分かります。
このように違いが出るのは前項でもお伝えした通り模試によって受験者層が違うことや、私立歯学部を受験する人数がそもそも少ないためだと考えられます。
受験者数が少ないことで、正確なデータを得ることが不可能になるため、同じ大学でも偏差値に差が生じてしまいます。
このことから、どの偏差値が絶対的に正しいということはありませんので、あくまでも目安として考えるようにしましょう。

他学部との偏差値比較

歯学部は他学部と偏差値を比較すると高いのでしょうか。
今回は、ベネッセが発表している私立工学部の偏差値と、私立歯学部の偏差値で最も高かった昭和医科大学の偏差値62と比較してみました。

大学名 偏差値
早稲田大学 基幹理工学部 74
早稲田大学 先進理工学部 73
慶應義塾大学 理工学部 73
早稲田大学 創造理工学部 73
東京理科大学 工学部 70
同志社大学 理工学部 69
明治大学 理工学部 67
中央大学 理工学部 67
法政大学 デザイン工学部 66
青山学院大学 理工学部 65
法政大学 理工学部 64
昭和医科大学 歯学部 62
立命館大学 理工学部 61
日本大学 理工学部 55

昭和医科大学歯学部の偏差値を超える大学は、早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学、東京理科大学、明治大学、中央大学、法政大学、青山学院大学があげられます。
立命館大学、日本大学は昭和医科大学歯学部よりも下の偏差値となります。
このことから、昭和大学歯学部の偏差値は最高難易度といわれている大学には及びませんが、いわゆるMARCHと呼ばれている大学の偏差値あたりに位置するため、高めであるといえます。

私立歯学部一覧

全国の私立歯学部を表にまとめました。

大学名 所在地 学部
北海道医療大学 北海道石狩郡 歯学部
岩手医科大学 岩手県盛岡市 歯学部
奥羽大学 福島県郡山市 歯学部
明海大学 埼玉県坂戸市 歯学部
日本大学 松戸歯学部 千葉県松戸市 松戸歯学部
昭和医科大学 東京都品川区 歯学部
東京歯科大学 東京都千代田区 歯学部
日本大学 東京都千代田区 歯学部
日本歯科大学 東京都千代田区 生命歯学部
神奈川歯科大学 神奈川県横須賀市 歯学部
鶴見大学 神奈川県横浜市 歯学部
日本歯科大学 新潟生命歯学部 新潟県新潟市 新潟生命歯学部
松本歯科大学 長野県塩尻市 歯学部
朝日大学 岐阜県瑞穂市 歯学部
愛知学院大学 愛知県名古屋市 歯学部
大阪歯科大学 大阪府枚方市 歯学部
福岡歯科大学 福岡県福岡市 口腔歯学部

全国の歯学部のある私立大学は15大学17学部です。
私立大学の歯学部は全国各地にありますが、東京都や神奈川県、千葉県などの関東地方に多く集まっています。
志望校を検討する際は、こうした所在地や学部名称なども確認しながら、自分に合った大学を比較してみるとよいでしょう。

私立歯学部の偏差値が低い理由

私立歯学部偏差値

大学によって偏差値には幅がありますが、私立歯学部は他学部と比べて偏差値がやや低めの傾向にあります。
では、なぜ私立歯学部の偏差値はやや低めになっているのでしょうか。

歯科医師の収益意識

1990年代後半には、私立歯学部全体の志願者数は約11,000人でした。
しかし、現在では約7,000人となり、1990年代後半と比べて4割ほど減少しています。
その背景には、「歯科医師が多すぎて、歯科医院は儲からない」というイメージが広がったことが挙げられます。
特に2005年~2010年にかけては、歯学部の志願者数が急激に減少しました。
また、インプラント治療に対するネガティブな報道や意見なども影響し、歯科医師に対するイメージが低下した時期もありました。
その結果、かつては「親が歯科医師で、将来的に歯科医院を継ぐ」といった明確な目的を持つ受験生が、歯学部を志望するケースが多く見られました。
こうした傾向は徐々に変化していますが、歯学部の志願者数が医学部などと比べて少ないことは、私立大学歯学部の偏差値が低めに推移する要因の一つとなっています。

国家試験合格率の大学間差異

私立歯学部の偏差値には、大学によって大きな差があります。
偏差値が高い大学がある一方で、偏差値が30台やBF(ボーダーフリー)となっている大学もあります。
こうした大学間の差が生じる要因の一つとして、歯科医師国家試験の合格率が挙げられます。
歯科医師になるためには、歯学部を卒業したうえで、歯科医師国家試験に合格する必要があります。
そのため、歯科医師国家試験の合格率は、歯学部を選ぶ際の重要なポイントの一つといえるでしょう。
では、実際に第119回歯科医師国家試験(2026年実施)における、私立大学の合格率を見てみましょう。

大学名 国家試験合格率
東京歯科大学 94.0%
昭和医科大学 90.0%
日本歯科大学(新潟) 78.6%
北海道医療大学 75.0%
神奈川歯科大学 74.4%
明海大学 68.3%
松本歯科大学 67.9%
愛知学院大学 63.7%
日本歯科大学(東京) 62.7%
大阪歯科大学 58.3%
朝日大学 48.7%
鶴見大学 47.1%
日本大学(歯) 46.4%
岩手医科大学 45.5%
福岡歯科大学 40.8%
奥羽大学 36.6%
日本大学(松戸歯) 36.1%

第119回歯科医師国家試験では、合格率が90%を超える大学がある一方で、40%を下回る大学もあります。
このように、同じ私立歯学部でも、歯科医師国家試験の合格率には大きな差があります。
そのため、大学選びの際には偏差値だけでなく、歯科医師国家試験の合格率にも注目することが大切です。

一般選抜を受けない優秀受験生

私立大学歯学部の入試には、推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)で合格する受験生が多いという特徴があります。
大学によっては、推薦入試や総合型選抜で多くの合格者を出しているため、これらの入試で早い段階に進学先を決め、一般選抜を受験しない受験生も少なくありません。
そのため、一般選抜では、推薦入試や総合型選抜を経て進学先を決めた受験生が抜けた状態で入試が行われることになります。
また、私立大学歯学部の偏差値は、基本的に一般選抜における合格可能性を示す指標です。
そのため、推薦入試や総合型選抜で合格した受験生が一般選抜を受験しないことも、一般選抜の偏差値に影響する要因の一つと考えられます。

私立歯学部の偏差値の見通し

偏差値の見通し

私立歯学部の偏差値が低めである理由の一つとして、「歯科医師が多すぎて儲からない」というイメージが広がっていることを挙げました。
では、今後、歯科医師を取り巻く環境はどのように変化していくのでしょうか。

偏差値上昇の理由

現在の歯科医師の年齢別分布を見ると、60代以降の歯科医師が多く、今後、引退する歯科医師が増えることが予想されます。
歯科医師の引退が進めば、地域によっては歯科医師不足が生じる可能性があります。
歯科医師不足が顕在化すれば、将来的に歯科医師の需要が高まり、歯科医師という職業に対するイメージが変化する可能性もあります。
また、「矯正」や「審美・美容」など、歯科医師が担う診療分野も広がっています。
こうした歯科医療の需要や仕事の幅が広がることで、歯科医師を目指す受験生が増える可能性があります。
歯科医師を目指す受験生が増えれば、私立歯学部の入試競争が激しくなり、今後は歯学部の偏差値が上昇する可能性も考えられます。

具体的な偏差値の動向

歯学部の人気が高まった場合、私立歯学部の偏差値は具体的にどのように変化していくのでしょうか。
現在も人気が高く、偏差値も高い東京歯科大学や昭和医科大学などは、今後さらに偏差値が上昇する可能性はあるものの、大幅な上昇にはつながりにくいと考えられます。
一方で、現在、偏差値が低めとされている大学では、偏差値が大きく上昇する可能性があります。
その結果、現在見られる大学間の偏差値の差は徐々に縮まっていくことも考えられます。
過去の私立大学医学部の偏差値の推移を見ても、大学間の偏差値の差が縮小した時期があります。
私立大学歯学部についても、今後、歯学部人気が高まれば、同様に大学間の偏差値の差が縮小していく可能性があります。

国公立歯学部の偏差値一覧

国公立歯学部

国内には、歯学部を設置している国公立大学が12校あります。
ここでは、これら12校の偏差値について詳しく解説します。

国公立歯学部の偏差値一覧

以下の偏差値は、河合塾Kei-Netの入試難易予想ランキングを参考にしています。
偏差値は年度や入試方式などによって変動するため、あくまで目安としてご覧ください。

大学名 偏差値
東京科学大学 60.0
大阪大学 60.0
東北大学 60.0
北海道大学 57.5
広島大学 57.5
九州大学 57.5
岡山大学 57.5
鹿児島大学 57.5
長崎大学 55.0
新潟大学 55.0
徳島大学 55.0
九州歯科大学 55.0

国公立大学の歯学部の偏差値は55.0~60.0の範囲に収まっています。
偏差値60.0の大学が3校、57.5の大学が5校、55.0の大学が4校となっており、大学間の偏差値の差は比較的小さいことがわかります。
また、私立歯学部と比較すると、国公立歯学部は全体的に偏差値が高く、大学間の差も小さいことが特徴です。

高い偏差値の大学

私立大学歯学部と比較すると、全体的に国公立大学歯学部の偏差値は高いといえます。
国公立大学の歯学部の中でも、特に東京科学大学と大阪大学は偏差値60.0と高い水準にあります。
一方、東京科学大学の医学部医学科は偏差値70.0程度であるため、東京科学大学内で比較すると、歯学部の偏差値は医学部医学科より低い水準です。
また、大阪大学の学部別偏差値を見ると、最も高いのは医学部医学科で70.0です。
薬学部は62.5、理学部は60.0~62.5、工学部は60.0、基礎工学部は60.0~62.5となっています。
大阪大学歯学部の偏差値は60.0であり、医学部医学科や薬学部には及ばないものの、理学部・工学部・基礎工学部などと同程度の水準です。
そのため、大阪大学内で比較すると、歯学部は偏差値が比較的高い学部の一つといえます。

低い偏差値の大学

国公立大学歯学部の中で、偏差値が比較的低い大学は、長崎大学、新潟大学、徳島大学、九州歯科大学です。
これら4大学の偏差値はいずれも55.0ですが、私立大学歯学部と比較すると、私立大学の上位校と同程度の水準にあります。
このことからも、国公立大学歯学部は、偏差値が比較的低い大学であっても、私立大学歯学部と比べて難易度が高い傾向にあることがわかります。
そのため、「国公立歯学部の中では偏差値が低めだから入りやすい」と考えるのではなく、国公立歯学部を目指す場合は、大学ごとの偏差値にかかわらず、一定以上の学力が求められることを理解しておく必要があります。

歯学部の偏差値を見るポイント

偏差値を見るポイント

偏差値の数字だけで、受験できるかどうかを判断するべきではありません。
偏差値は大学や学部の入試難易度を知るための一つの指標ですが、あくまで目安として捉えることが大切です。
では、なぜ偏差値だけで判断するべきではないのでしょうか。
ここでは、偏差値を見る際のポイントについて詳しく解説します。

偏差値は相対的

偏差値は、絶対的な学力を示す数字ではありません。
偏差値とは、模試などの試験を受けた際に、受験者全体の中で自分がどの程度の位置にいるのかを相対的に示す指標です。
そのため、受ける模試や受験者の学力層によって偏差値は変わります。
また、同じ大学・学部であっても、年度によって偏差値が変動することがあります。
したがって、偏差値の数字だけで志望校を選ぶのではなく、あくまで目安の一つとして捉えることが大切です。

国家試験合格率

では、偏差値以外にどのような点を見て志望校を選べばよいのでしょうか。
その一つとして、大学ごとの歯科医師国家試験の合格率を確認してみるとよいでしょう。
大学によって国家試験の合格率には意外にも大きな差があることがわかります。
志望校を選ぶ際には、入試時の偏差値だけでなく、卒業後の歯科医師国家試験まで見据えて大学を比較することも大切です。

立地・設備

大学の立地や設備も、志望校を決める際の重要なポイントの一つです。
例えば、偏差値だけを基準に地方の私立大学を選んだ場合、自宅から通うことが難しければ、学費に加えて一人暮らしの家賃や生活費なども必要になります。
そのため、大学の学費だけでなく、自宅からの通学にかかる時間や交通費、一人暮らしに必要な費用なども含めて、大学の立地を検討することが大切です。
また、歯学部では実習や臨床実習なども行われるため、実習設備や附属病院などの教育環境についても、志望校を選ぶ際に確認しておくとよいでしょう。

学費とトータル費用

私立大学の歯学部は、学費が高額になる傾向があります。
大学によって差はありますが、6年間の学費は1,800万~2,300万円程度かかる大学もあります。
一方、国公立大学の歯学部は、基本的に国立大学の標準額が適用されるため、6年間の学費は350万円程度です。
また、大学にかかる費用は学費だけではありません。
一人暮らしをする場合は家賃や生活費、自宅から通学する場合も交通費などが必要になります。
そのため、志望校を選ぶ際には、学費だけでなく、住居費や生活費、交通費などを含めた6年間のトータル費用を確認しておくことが大切です。

歯学部の偏差値が低い理由

偏差値が低い理由

一般的に、歯学部は他の医療系学部と比べて偏差値が低めといわれることがあります。
歯学部の志願者数は2005年頃から大きく減少しており、こうした志願者数の減少が、歯学部の偏差値が低めに推移している要因の一つと考えられます。
では、なぜ歯学部の志願者数は減少したのでしょうか。その背景と理由について詳しく解説します。

歯科医師の需給バランス

歯科医院は全国に数多く存在しており、また、子どもの虫歯の罹患率も以前と比べて低下しています。
こうした背景から、歯科医療の需要に対して歯科医師が多いのではないかという見方が広がり、歯科医師の需給バランスが課題となっていることが、歯学部の人気低下につながった要因の一つとして挙げられます。

学費と年収のバランス

先にも述べたように、私立大学の歯学部では、6年間の学費が1,800万~2,300万円程度かかる大学もあります。
一方、国公立大学の歯学部では、6年間で350万円程度が目安となります。
一方、歯科医師の年収は、勤務歯科医で690万~710万円程度、開業歯科医で1,400万円程度とされることがあります。
このように、特に私立大学では高額な学費に対して、将来得られる収入とのバランスが気になることも、歯学部の志願者が減少した理由の一つと考えられます。

卒業の難しさ

歯学部は、ストレートで卒業することが難しいといわれる学部の一つです。
大学によっては留年する学生も少なくなく、卒業までに予定以上の期間を要するケースがあります。
予定どおりに卒業できなければ、その分、授業料や生活費などの負担も増えることになります。
こうした卒業までのハードルの高さや、留年による追加の費用負担も、歯学部を志望する受験生が減少した要因の一つと考えられます。

国家試験の難化

第119回歯科医師国家試験では、受験者数3,219人に対して合格者数は1,757人で、合格率は約54.6%でした。
これは、約30年前に実施された第85回歯科医師国家試験の合格率約84%と比較すると、約29ポイント低下しています。
このように、歯科医師国家試験は以前と比べて合格率が低下しており、国家試験への対策がより重要になっているといえるでしょう。

歯学部の偏差値の将来予測

偏差値の将来予測

最後に、歯学部の偏差値が今後どのように変化していくのか、将来の動向について見ていきましょう。
卒業までのハードルが高く、歯科医師国家試験への対策も重要となる歯学部ですが、今後、偏差値はどのように推移していくのでしょうか。
これまでの動向や歯科医療を取り巻く環境を踏まえて、今後の偏差値を予想していきます。

募集人数削減

平成26年(2014年)に日本歯科医師会が公表した「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」では、将来の人口や歯科医療の需要などをもとに試算した結果、歯科医師数は上限として82,000人程度が望ましいとされています。
なお、この82,000人という数字は、日本歯科医師会が独自に試算した「現時点で考える定量的な適正数」であり、絶対的な基準として示されたものではありません。
一方、厚生労働省の統計によると、歯科医師の総数は令和2年(2020年)に107,443人、令和6年(2024年)には105,267人となっています。
したがって、現在の歯科医師数は、平成26年に日本歯科医師会が試算した82,000人を依然として上回っています。
こうした歯科医師の需給問題を背景として、歯学部の入学定員(募集人員)についても削減が進められてきました。
文部科学省によると、平成27年度の歯学部入学定員は、昭和60年度と比べて27.3%削減されています。
また、政府は歯科医師の新規参入を抑制する方針を示しており、歯学部の入学定員の削減は、その一環として行われています。

人気職業としての歯科医師

歯科医師の年収は、厚生労働省の最新データでは約1,063万円となっており、一般的な給与水準と比べても高い水準です。
また、歯科医師は国家資格を必要とする専門職であり、資格を取得することで長く活躍できる職業です。
こうした収入面や専門性、資格の安定性などから、歯科医師は進路の選択肢として一定の人気がある職業といえるでしょう。

大きな偏差値低下の可能性

歯学部では入学定員の削減が進められており、今後も大学ごとの募集状況や志願者動向が偏差値に影響すると考えられます。
そのため、歯学部全体で大幅な偏差値低下が起こるとは一概にいえません。
特に都心にある大学は、立地の良さから志願者を集めやすい可能性があります。

まとめ

歯学部合格

今回は、歯科医師になるための流れや歯学部合格の難易度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
歯学部の難易度は医学部ほどではないですが、決して低いわけではありません。
個別の会では歯学部志望者のためのコースを設置しており、基本から標準レベルの問題を確実に得点できる力を養う指導や、志望校別の徹底した受験対策を行っていますので、歯学部受験に向けて効率的に受験勉強を進めたい方は、ぜひ個別の会にお問合せください。

この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
講師として希学園や浜学園、四谷学院や医学部受験予備校やプロ家庭教師センターなどで中学受験・高校受験・大学受験の集団授業や個別授業で延べ2000人以上の指導に関わり、圧倒的な成績向上と高い志望校の合格率を誇ってきた。
関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。