【歯学部】大学ランキング・国公立・私立別難易度・偏差値

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歯学部は全国に29校あり、大学によって偏差値の高さはさまざまです。
国公立大学か私立大学かによっても難易度や偏差値に差があります。
本記事では、歯学部の大学ランキングをご紹介しています。
偏差値や学べる内容など詳しく解説しています。
今は医者になりたいけれど、どこの大学を目指せば良いのかわからないという方はぜひ参考にしてみてください。

歯科大学の歴史

まず、歯科大学にはどのような歴史があるのでしょうか。
ここでは歯科大学の歴史についてご紹介します。

日本の歯科大学の設立と発展

現在、日本全国に歯学部は国公立大学12校、私立大学17校と全部で29校あります。
日本における歯科教育の歴史は、1890年に髙山紀齋により設立された東京歯科大学の前身となる高山歯科医学院、1907年に中原市五郎により設立された日本歯科大学の前身となる共立歯科医学校が、同年の1907年に設置認可されたのが始まりとなっています。
終戦時には歯科医学専門学校が8校ありましたが、戦後には2校が廃校となったため、「旧六」と呼ばれている残った6校(日本歯科大学・東京歯科大学・東京医科歯科大学・九州歯科大学・日本大学歯学部・大阪歯科大学)が大学に昇格となりました。
1952年には大阪大学にも歯学部が設立され、1961年以降には国の歯科医師数を増やす政策により全国で22校もの歯学部が設立されました。
しかし、1982年からは一転して歯科医師過剰の危惧となり、歯学部はそれ以降設立されていません。

歯学部の入試難易度

歯学部受験を目指している方のなかには、歯学部の入試難易度がどれくらいなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、国公立大学と私立大学それぞれの入試難易度について解説していきます。

国公立大学の歯学部入試難易度

国公立大学の歯学部は、2023年度の入試では、前期日程で共通テストのボーダーが最も高かったのは東京医科歯科大学歯学部の76%であり、最も低かったのは九州大学の67%でした。
後期日程を行っている大学は5校のみで、募集人員も少ないため、前期日程よりもボーダーは高くなる傾向にあります。
このことから、共通テストではおおよそ65~70%後半程度の得点率が必要であり、国公立大学の歯学部入試難易度は高めだといえるでしょう。

私立大学の歯学部入試難易度

私立大学歯学部の難易度は二極化が進んでおり、都心にあり歯科医師国家試験の合格率が高い私立大学ほど難易度が高くなっています。
私立大学の歯学部で最も偏差値が高いのは、東京歯科大学と日本大学歯学部となっており、その下には昭和大学歯学部が続きます。

私立歯学部の難易度決定要因

私立大学歯学部の難易度は二極化が進んでいると述べましたが、その理由はなぜでしょうか。
私立大学歯学部の難易度の決定要因について解説します。

学費ランキング(2024年度)

大学名 学費(6年間、委託均等除く)
1 東京歯科大学 31,900,000円
2 日本大学歯学部 31,600,000円
3 大阪歯科大学 31,500,000円
4 日本歯科大学 31,380,000円
5 愛知学院大学 31,141,000円
6 日本大学松戸歯学部 29,400,000円
7 岩手医科大学 27,600,000円
8 神奈川歯科大学 27,000,000円
8 昭和大学 27,000,000円
10 福岡歯科大学 26,300,000円
11 鶴見大学 26,250,000円
12 松本歯科大学 25,280,000円
13 北海道医療大学 24,600,000円
14 奥羽大学 21,500,000円
15 日本歯科大学新潟生命歯学部 21,000,000円
16 朝日大学 17,930,000円
16 明海大学 17,930,000円

日本歯科大学新潟生命歯学部は、2024年度より1,000万円の減額を行い、明海大学も2024年度より、1学年目の学費を半額に減額するなど、学費を減額する大学が増えてきています。
医学部の場合、学費が抑えられている大学の人気度が高く、偏差値も高い傾向がありますが、歯学部の場合、学費の高い東京歯科大学が偏差値も高いので、歯学部の場合は学費が直接偏差値に影響するわけではないようです。

歯科医師国家試験合格率(2023年)

大学名 受験者数 合格者数 合格率
1 東京歯科大学 131 128 97.7%
2 昭和大学 118 104 88.1%
3 日本歯科大学新潟生命歯学部 68 50 73.5%
4 日本歯科大学 126 92 73.0%
5 松本歯科大学 74 52 70.3%
6 神奈川歯科大学 125 87 69.6%
7 大阪歯科大学 184 117 63.6%
8 北海道医療大学 71 44 62.0%
9 愛知学院大学 191 114 59.7%
10 日本大学松戸歯学部 205 120 58.5%
11 日本大学 166 95 57.2%
12 明海大学 140 80 57.1%
13 岩手医科大学 72 41 56.9%
14 鶴見大学 101 57 56.4%
15 朝日大学 180 84 46.7%
16 福岡歯科大学 187 85 45.5%
17 奥羽大学 132 58 43.9%

(第117回国家試験結果 新卒・既卒含む)
東京歯科大学は、連続して歯科医師国家試験の合格率のトップを維持しています。
偏差値の傾向を見てみると、歯科医師国家試験の合格率の高い大学が偏差値も高い傾向があります。

歯学部 偏差値一覧

ここでは、国公立大学と私立大学歯学部の偏差値について解説します。

歯学部偏差値の概要

歯学部は他の学部と比較して一般的に偏差値が高くなっており、入試難易度も高い傾向にあります。
国立大学の歯学部の前期日程での偏差値は、57.3~64.2で、国立大学の歯学部の後期日程の偏差値は、62.2~68.3となっています。
私立大学歯学部では、42.5~58.0と、国立大学と比べると偏差値は低くなっています。

ランキング形式の偏差値一覧

各大学歯学部の偏差値ランキングをまとめました。

大学名 偏差値
1 東京医科歯科大学 62.5
2 大阪大学 60.0
3 北海道大学 57.5
3 広島大学 57.5
3 九州大学 57.5
3 長崎大学 57.5
7 東京歯科大学 55.0
7 東北大学 55.0
7 新潟大学 55.0
7 岡山大学 55.0
7 徳島大学 55.0
12 昭和大学 52.5
12 九州歯科大学 52.5
12 鹿児島大学 52.5
15 大阪歯科大学 50.0
16 日本大学 47.5
16 日本歯科大学 47.5
18 日本歯科大学 新潟生命歯学部 42.5
19 明海大学 40.0
20 松本歯科大学 37.5
20 朝日大学 37.5
20 愛知学院大学 37.5
20 北海道医療大学 37.5
20 岩手医科大学 37.5
25 奥羽大学 35.0
25 神奈川歯科大学 35.0
25 鶴見大学 35.0
28 日本大学 松戸歯学部 BF
28 福岡歯科大学 BF

偏差値ランキングでは国公立大学歯学部が上位を占めています。
東京医科歯科大学が最も偏差値が高く、62.5となっています。
28位の日本大学松戸歯学部と福岡歯科大学はBFで、不合格になる受験者が少なく、偏差値基準を設定することが難しいため、ボーダーフリーと表記されています。

国公立大学の歯学部偏差値

次に、国公立大学歯学部の偏差値について解説します。

偏差値一覧

国公立大学の歯学部の偏差値をランキング形式でまとめた表は以下の通りです。

大学名 日程 偏差値
1 東京医科歯科大学 中・後期 70
2 東京医科歯科大学 前期 69
2 大阪大学 前期 69
4 広島大学 中・後期 68
5 九州大学 前期 67
5 北海道大学 中・後期 67
5 岡山大学 中・後期 67
5 長崎大学 中・後期 67
9 東北大学 前期 66
9 岡山大学 前期 66
9 広島大学 前期 66
9 新潟大学 中・後期 66
9 徳島大学 中・後期 66
14 北海道大学 前期 65
14 新潟大学 前期 65
14 徳島大学 前期 65
14 九州歯科大学 前期 65
14 鹿児島大学 中・後期 65
19 長崎大学 前期 64
20 鹿児島大学 前期 63

前期日程と中・後期日程が行われる大学では、どの大学も前期日程よりも、中・後期日程のほうが偏差値が高くなっています。
学科や入試日程によって偏差値に差がある場合があるため、志望大学の入試情報をよくご確認ください。

高偏差値大学

偏差値が69以上の高偏差値大学は、東京医科歯科大学、大阪大学が挙げられます。
東京医科歯科大学は前期日程が偏差値69、後期日程が偏差値70と、偏差値ランキングの上位1,2位を独占しており、非常に入試難易度が高いといえるでしょう。
大阪大学歯学部は前期日程の偏差値が69で、中・後期日程はありません。

低偏差値大学

国公立歯学部のなかで偏差値が比較的低い64以下の大学は、長崎大学と鹿児島大学です。
どちらも前期日程と後期日程があり、前期日程のほうが偏差値が低くなっています。
長崎大学は前期日程が64、鹿児島大学は前期日程が63で、国公立大学のなかでは比較的ボーダーラインが低い水準にあります。
また、長崎大学の後期日程の偏差値は67で、前期と後期で偏差値に差があり、難易度があがるのに対し、鹿児島大学の後期日程は偏差値65と、他大学ほど大きな差はありません。
後期日程で受験できる国公立大学歯学部のなかでも、鹿児島大学は偏差値が高くないため、狙い目といえるかもしれません。

私立大学の歯学部偏差値

次に、私立大学の歯学部偏差値について解説します。

偏差値一覧

私立大学歯学部の偏差値をランキング形式でまとめた表は以下の通りです。

大学名 偏差値
1 東京歯科大学 55.0
2 昭和大学 52.5
3 大阪歯科大学 50.0
4 日本大学 47.5
4 日本歯科大学 47.5
6 日本歯科大学 新潟生命歯学部 42.5
7 明海大学 40.0
8 松本歯科大学 37.5
8 朝日大学 37.5
8 愛知学院大学 37.5
8 北海道医療大学 37.5
8 岩手医科大学 37.5
13 奥羽大学 35.0
13 神奈川歯科大学 35.0
13 鶴見大学 35.0
16 日本大学 松戸歯学部 BF
16 福岡歯科大学 BF

高偏差値大学

私立大学歯学部の中で高偏差値大学は、偏差値50を超えている東京歯科大学、昭和大学、大阪歯科大学と言えるでしょう。
この3校をみてみると、歯科医師国家試験の合格率の高さと必ずしもリンクしているわけではなく、立地の良さが偏差値の高さと関係しているようです。

低偏差値大学

私立大学歯学部の中で、低偏差値の大学は、日本大学松戸歯学部と福岡歯科大学です。
この2校は、偏差値35以下の為BF(ボーダーフリー)となっています。
ボーダーフリーとは、受験者数が少なかったり、不合格者がほとんど出なかった場合など、合格のラインを決められない場合にBFということがあります。
ただし、ボーダーフリーであっても、必ず合格するというわけではありません。

都道府県別の歯学部偏差値

都道府県別で見てみると偏差値に差はあるのでしょうか。
都道府県別の歯学部偏差値について解説します。

国公立大学

都道府県 大学名 偏差値
北海道 北海道大学 歯学部 57.5
宮城県 東北大学 歯学部 55.0
新潟県 新潟大学 歯学部 55.0
東京都 東京医科 歯科大学 62.5
大阪府 大阪大学 歯学部 60.0
岡山県 岡山大学 歯学部 55.0
広島県 広島大学 歯学部 57.5
徳島県 徳島大学 歯学部 55.0
福岡県 九州大学 歯学部九州歯科大学 57.552.5
長崎県 長崎大学 歯学部 57.5
鹿児島県 鹿児島大学 歯学部 52.5

地域別でみてみると、東日本よりも西日本に国公立大学歯学部が多いことがわかります。
偏差値を比較してみると、東京、大阪、北海道、広島が比較的高く、都会であるほど偏差値が高めであることが分かります。

私立大学

都道府県 大学名 偏差値
北海道 北海道医療大学 歯学部 37.5
岩手県 岩手医科大学歯学部 37.5
福島県 奥羽大学 歯学部 35.0
新潟県 日本歯科大学 新潟生命歯学部 42.5
千葉県 日本大学 松戸歯学部明海大学 歯学部 BF40.0
東京都 東京歯科大学日本歯科大学 生命歯学部昭和大学 歯学部日本大学 歯学部 55.047.552.547.5
神奈川県 神奈川歯科大学 鶴見大学 歯学部 35.035.0
長野県 松本歯科大学 37.5
愛知県 愛知学院大学 歯学部 37.5
岐阜県 朝日大学 歯学部 37.5
大阪府 大阪歯科大学 50.0
福岡県 福岡歯科大学 BF

地域別でみると、国公立大学とは違い東日本に私立大学歯学部が多いことがわかります。
偏差値を比較してみると、都心など立地の良い大学の偏差値が高いようです。

歯学部の選び方

歯学部を選ぶにあたって、どのような点を重視したらよいのか詳しく解説していきます。

偏差値の相対性

偏差値は大学の指標となるため、志望校選びにおいて重要な情報のひとつだといえます。
自分の現在の学力から合格する確率を把握するために有効活用できるため、志望校選定の目安にしてみるとよいでしょう。
しかし、偏差値は予備校の模試によって違いが生じるため、絶対的なものではありません。
また、大学の偏差値を超えているからといって、必ずしも合格できるというわけでもありませんので、あくまでも相対評価として捉えましょう。

国家試験合格率

歯学部に合格することもひとつの難関だといえますが、歯科医師になるためには最終的に歯科医師国家試験に合格しなければなりません。
そのため、大学ごとの歯科医師国家試験の合格率を参考にして、合格率が高い大学を志望校として選ぶのもよいでしょう。
ちなみに令和5年に発表されたデータによると、合格率が最も高かった歯学部は国公立大学のなかでは新潟大学が85.5%、私立大学は東京歯科大学で92.7%でした。
東京歯科大学は偏差値も最も高く、私立歯学部の国家試験合格率では23年連続1位を維持しているため、多くの受験生が集まる傾向にあります。

立地と設備

大学は毎日のように通う場所になるため、立地や設備についても把握しておきましょう。
実家から通うのかまたは一人暮らしをするのかによっても候補に挙げられる大学は変わってきます。
駅からの距離や周囲の環境、大学の実習の設備は最新の物を使用しており充実しているのかなど、6年間勉強に集中できる環境かどうかを総合的に判断しましょう。
大学のオープンキャンパスに参加し、実際に雰囲気を肌で感じることもおすすめです。

学費とトータル費用

志望校を選ぶうえで、学費も重要な要素です。
学費には授業料のほかにも、設備の維持管理費、実験実習費、教材費にまつわる費用などが含まれています。
また、学費以外にも通学にかかる費用や一人暮らしの場合は家賃などの生活費も必要となります。
国公立大学か私立大学かによっても、払う金額が大きく違うため、トータルでかかる費用を事前に調べて、できるだけ費用を抑えたいという場合は、奨学金の制度の有無なども確認して判断するとよいでしょう。

歯学部の偏差値の将来予測

歯学部の偏差値は今後どのように変化するのでしょうか。
詳しく解説していきます。

募集人数の削減

現状、歯科医師の数は10万人を超えており、歯科医師過剰の状態が続いています。
歯科医師の増加を抑えるために、厚生省の歯科医師の新規参入を削減する施策によって、度々歯学部の募集人員は減らされています。
これにより、今後も歯学部への入学定員数の削減は継続され、入学者数も年々減少していくと考えられます。

歯科医師の人気職業としての位置づけ

歯科医師の平均年収は医師と比べると低いですが、一般的に言われているほど低年収というわけでもありません。
歯科医師は、医師などと同じく生活するうえで欠かせない存在であり、将来性がある職業だといえます。
歯科医師免許を取得すれば、勤務医として経験を積んだ後は、開業医として独立するなどキャリアアップにも繋がります。
そのため、歯科医師は生涯にわたって活躍することができる、まだまだ根強い人気がある職業だといえるでしょう。

偏差値の変動予測

歯学部の入学定員数は減っていますが、年収が一般労働者の平均年収よりも高いことから、歯学部の入学志願者は入学定員数を上回ることが予想されます。
それにより、歯学部の偏差値が数年の間で大きく下がる可能性は低いと考えられます。
東京歯科大学や昭和大学歯学部のような人気のある大学の偏差値は上がっていく傾向にありますが、今後も大幅に上がることはなさそうです。

まとめ

今回は歯学部の国公立・私立別の難易度や偏差値について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
国公立大学か私立大学かによって、入試難易度と偏差値にも大きく違いがあります。
歯科医師を目指しているが、どの大学に進学したらよいのか、大学を卒業しても国試に合格できるかなど不安を抱えている方は、今回の記事を参考にしていただき、歯学部の志望校選びに役立ててください。