結果からわかる!歯科医師国家試験に受かる人とは?落ちる特徴11選も解説!
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カテゴリ:テスト・入試
本記事では、歯学部国家試験に受かる人と落ちる人の特徴を紹介しています。
受かると落ちる人は何が違うのか?受かる人の決定的共有点は何なのかなど徹底解説しています。
自分の将来が不安な方は必見の記事となっています。
歯科医師国家試験の概要
ここでは歯科医師国家試験の概要について解説します。
合格率は66.1%
2024年1月27日(土)、28日(日)に実施された第117回歯科医師国家試験の合格率は66.1%でした。
受験した3,117人のうち、2,060人が合格しました。
昨年は63.5%で、2.6ポイント合格率は上昇しました。
歯科医師国家試験は厚生労働省により合格者が2000人前後になるよう調整されていますが、今年は例年に比較して合格者数はやや多めでした。
国立大学歯学部の全体合格率は78.8%で、唯一の公立大学である九州歯科大学は73.5%、私立大学歯学部の
全体合格率は62.0%でした。
東京歯科大学の合格率97.7%
最も歯科医師国家試験の合格率が高かったのは東京歯科大学であり、合格率97.7%でした。
東京歯科大学は全歯科大学中の合格率が8年連続で最も高くなっており、次点の昭和大学は全体合格率88.1%で大きく差をつけています。
また、国公立大学と私立大学では、出願者数と受験者数に開きがあります。
国公立大学では出願者数と受験者数はほぼ変わりませんが、私立大学は出願者数よりも受験者数のほうが少ない大学が多くなっています。
歯科医師国家試験に受からない人の共通点
次に、歯科医師国家試験に受からない人の共通点について解説します。
勉強の質が低い
まず挙げられるのは、勉強の質が低いということです。
勉強の質は受験の合否を左右する重要な要素です。
落ちる受験生の多くは、勉強の質の見直しを行わず、量でカバーしようとしてしまいます。
その結果、時間をかけても勉強内容が頭に残らないという状況に陥ります。
勉強の質を見直し、成績にしっかりと反映されるような効果的な学習を行うことが大切です。
暗記中心の勉強法
暗記中心の勉強法は注意が必要です。
歯科医師国家試験の約6割は正確な知識が必要となる問題のため、暗記すること自体は受験勉強において欠かせない行為です。
しかし、合否を分ける重要な問題は暗記だけで対応できる場合は少なく、回答には正しい理解や問題の意図を汲み取る力が必要になります。
暗記中心の勉強法ではなく、覚えた知識を利用することに重きをおいたアウトプット中心の勉強法を行いましょう。
過去問を有効活用できていない
受験勉強で誰もが取り組んでいる「過去問」ですが、ただ単に問題を解き、解答・解説を読むだけでは全く意味がありません。
答えを丸暗記することで同じような問題は正解することができるようになりますが、国家試験はそのような偶然性で解いて合格できるようなものではありません。
過去問は、「問題文などから適切な解釈をする」「選択肢の正誤の根拠を検討、検証する」「関連する知識を引き出す」「改変を想定し、イメージする」「本番での思考方法を訓練する」を全て意識しながら問題を解くことで自分のものとして活かすことができるのです。
計画的に勉強できていない
受験勉強をするにあたって先ずは合格を見据えた勉強計画を立てることが重要です。
日々の勉強計画だけでなく、試験当日までの期間を考慮し、出題傾向・出題基準を把握し、適切な勉強方針を立てられているでしょうか。
正しく分析せずに行き当たりばったりで受験勉強を進めている人は注意が必要です。
効率よく勉強するためには、国家試験のポイントと自分の苦手・得意をきちんと把握し、学習計画を立てましょう。
自信や意志の欠如
また国家試験に受からない人は「マインドが低い」という特徴も挙げられます。
自信や意志の欠如は、国家試験当日のメンタルだけでなく、受験勉強や試験当日までの過ごし方における意識や姿勢にも影響を及ぼします。
マインドの低さに対して対策をせずに国家試験当日までずるずると過ごしてしまい、結果不合格となってしまいます。
他責思考
受験勉強に限らず一般的に何か起こったときに、自分のせいだと捉える事を「自責思考」と言い、他人や環境のせいだと捉えることを「他責思考」と言います。
他責思考は受験生にとって非常に危険な考え方です。
受験勉強で思うように行かなかった場合に自分の改善点ではなく、他人や環境の悪い点ばかり探してしまいます。
他責思考は自分の欠点から目をそむけてしまうメンタルの弱さと言えます。
また自責思考であっても自己否定ばかりでは良い方向へ改善することが出来ません。
自己を肯定的に捉えた時に自分の行動を改善できるようになるのです。
情報に惑わされやすい
受験生は日々様々な情報に触れています。
毎日、予備校や塾の講師あるいは周りの受験生あるいはインターネットなどから情報やアドバイスを受けることがあるでしょう。
自分の知らない、足りていない情報などは積極的に取りに行くことは重要ですが、情報の取捨選択ができず不要な情報や合わない情報に惑わされ、自分の軸がブレてしまう場合もあります。
合格するためには確実に自分に合った情報を信頼できる情報源から受け取ることが重要です。
歯科医師になる意志が弱い
不合格者がよく言うのは「それほど歯科医師になりたいわけではない」「親に言われたから.…」など自分が歯科医師を目指すことを否定するような言葉です。
ですが、本当に思っているのではなく自分が不合格であった言い訳として思いこんでいることがほとんどです。
このような考えが頭に浮かんできたとしても、グッとこらえて受験勉強にだけ集中して取り組んでください。
自身で歯科医師国家試験を受けると決意したならば腹を括って国家試験合格に向けて集中しましょう。
継続した努力の不足
国家試験に合格するには、自分にとって努力が継続できる環境を選ぶことが大事です。
中には、勉強に集中できなかったり、切り替えがなかなかうまくいかない人などは、努力をし続けることに悩むことがあります。
そのような場合、思い切って環境を変えてしまうのがいいでしょう。
例えば、自習室やチューター制度がある大手・中堅予備校です。
また個別指導塾で担当講師に学習状況を毎日管理してもらったり、日々の勉強を明確にしてもらうことで、努力をコツコツと続けられる可能性が高まります。
勉強を習慣化できていない
習慣化とは、勉強などの行動や考えを無意識的に繰り返せる状態の事を言います。
一気に全部変えてしまおうとする完璧主義者的な傾向の人は、勉強の習慣化などで挫折しやすくなります。
それはなぜかというと、何事にも「白か黒」や「100か0」という考えの完璧主義者だと、学校行事や自分の用事があったときに、いつも通りの時間に勉強が出来なくなった時、「自分には勉強の習慣化は無理!」とこれまで積み重ねてきた努力を投げ出してしまう傾向にあります。
このような考えだと、毎日机に向かう時間がバラバラだったり、勉強が嫌いで、全然楽しく勉強できないという時も「一刻も早く机から離れたい」という思いが強いので、習慣化は難しいでしょう。
モチベーションの低下
「何のために勉強をがんばっているのか?」という状態になると、モチベーションを上げることは難しくなります。
勉強を自分の部屋でしていても、手の届くところにスマホやゲームなど誘惑が多いと感じている人もいるのではないでしょうか。
このような誘惑に打ち勝たなければならない環境で勉強していても、モチベーションはなかなか上がりません。
また目標を持っていてもモチベーションが上がらない人もいます。
このような人たちに一貫して言えるのは、目標が高すぎる、または遠すぎるということです。
目標が高すぎたり遠すぎたりすると、目標に近づいたという実感がなかなか湧きません。
受験合格という目標だけでは、結果が出るまで時間がかかりすぎて、勉強のモチベーションを維持し続けることが困難です。
これはよく受験勉強のときに起こりやすいといわれています。
目標を高く設定しすぎても、思うような結果が出ず、諦めが出てきてしまいモチベーションを保つことが難しくなってしまいます。
「今これだけのことができる」や「これだけのことをしてきた」と目に見えて分かると、達成感や自己肯定感を高めることができ、それだけでもモチベーションは上がるでしょう。
受験回数と合格リスク
受験回数が増えるほど、「受からないリスク」が高まります。
それはなぜか、見ていきましょう。
受験回数が増えるほど合格率が低下する理由
厚生労働省で実施されている「歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ」のデータによると、受験可能回数(卒業経過年)が増えるほど歯科医師国家試験の合格率は低くなる傾向にあると考えられています。
2024年の第117回歯科医師国家試験では、新卒合格率は81.5%、1浪の合格率は58.5%、2浪にもなると41.3%と合格率は減少していき、4浪になると5人に1人しか合格できないという状況になります。
受かる受験生は現役合格することが多いですが、多浪ほど受かりにくくなってしまいます。
では、なぜ多浪生の合格率は低いのでしょうか。
原因の1つは臨床実習から時間が経ちすぎているということが言えます。
他にも不合格で自信を失っていたり、受験時の心理的なハードルが浪人を繰り返してきた人ほど上がったり、周囲からのプレッシャーなどメンタル面での不調があります。
受かる人になるための対策
次に、受かる人になるための対策について解説していきます。
勉強法・計画の見直し
歯科医師国家試験に一発合格するには、効率のいい勉強法を知り、勉強内容の質を上げること、計画的にすすめるということが常に重要です。
受験勉強は、試験本番までの日数を踏まえて、国家試験の出題傾向・出題基準を分かったうえで学習計画を立てられているかということがとても重要になります。
そのため、時間を効率的に使うために、学習スケジュールを立てて勉強時間を確保しましょう。
長期的な計画を立てることで、歯科医師国家試験合格という目標に向かって着実に進むことができるでしょう。
模試や大学の成績の活用
模試や大学の試験は、見たことがない問題を時間内に解く練習であったり、本番同様の雰囲気の中で問題を解く練習としてとてもいい機会です。
また、模試の結果や成績を分析することで、自分の弱点や改善すべき点を把握して得意科目と苦手科目を明確にし、それぞれに対する対策を考えたり、志望校の合否予想や受験戦略を練ることができたりなど、自分の現状と目標校の合致度を客観的に評価することが可能となります。
国試のプロからのアドバイス
身近な大学の先生または先輩や予備校の講師などの国試のプロに客観的なアドバイスを受けることは、今の段階で合格までに自分に何が足りていないかを聞いて、知ることができるいい機会です。
どのような受験生活を過ごしたか、どのような姿勢で勉強に臨んだかなどを聞いてみると良いでしょう。
予備校・塾の利用
予備校や塾を利用するメリットとして、まず在籍している講師は専門的な知識を持っているため、効率的に学習内容を解説してくれることがあげられます。
特に難解な科目や試験対策において、専門家の指導を受けることでさらに理解が深まります。
次に予備校や塾では、学習計画が立てられており、進捗管理や課題提出などが定期的に行われています。
そのため、自分で計画を立てることが苦手な人にとっては、このサポートも大きなメリットだといえます。
予備校や塾は学習効率の向上や受験対策の強化に非常に有効な手段であるため、特に自己管理が難しい場合や迅速な理解と対策が必要な方にはおすすめだといえるでしょう。
親御様向けサポート
歯科医師国家試験では、お子様だけではなく、親御様のサポートも欠かせません。
ここでは、親御様向けのサポートの解説を行います。
基本的には見守る
一つ目は、基本的には見守ってあげることです。
お子様は、もう大学受験のころとは違って、心も大人に成長されたことでしょう。
試験対策などは、大学の先輩であったり教授から学んでいるお子様もいらっしゃると思われます。
歯科医師国家試験をいつか受けるんだという自覚を持ちながら、6年間の大学生活を過ごされたお子様がほとんどだと思われます。
そのため試験については、お子様に任せて見守ってあげることが最も重要です。
サポートのタイミング
二つ目は、サポートのタイミングです。
前項では基本的には親御様はお子様を見守るべきとお伝えしましたが、もしお子様が弱音を吐かれた時には、積極的にサポートをしてあげましょう。
受験期間は精神的にプレッシャーがかかります。
親としては、受験生の不安やストレスを理解し、穏やかにサポートすることが非常に大切です。
日々の勉強の成果を認めて、励ましの言葉をかけることで、お子様のモチベーションを保てるようにしましょう。
モチベーションを上げる接し方
三つ目は、モチベーションを上げる接し方についてです。
お子様は、大学では卒業論文やレポートなど課題に取り組む一方、自宅では卒業試験の勉強、歯科医師国家試験の勉強にと、毎日忙しい日々を送っておられます。
そんな日々の少しの励ましになるように、「頑張ってるね、すごいよ」など少し褒めてあげたり、なんでもない日だけどケーキを買ったりと小さな幸せや少しの褒め言葉は、人を勇気づけ活力をあげます。
お子様のモチベーションをあげるためにもこのように接することが必要だといえます。
歯科医師国家試験に落ちる人の特徴と対策
最後に歯科医師国家試験に落ちる人の特徴と対策をまとめます。
まずは、暗記中心の勉強をしていることです。
もちろん知識を覚えるために、暗記は重要な勉強方法です。
しかし、暗記ばかりして応用のできない知識ばかりになってしまっても仕方がありません。
インプットとアウトプットをちょうどよいバランスで行うことを心がけましょう。
次に、メンタルの弱さです。
他責思考や自信、意志の欠如、情報に惑わされやすいなどの心身の状態を作ってしまうと、勉強している間も不安定な心になり、上手く勉強が出来ず他人に当たってしまう、悪循環が起きてしまう可能性があります。
それを防ぐためにも生活サイクルを整えることを心がけましょう。
最後は、計画的に勉強ができていない人です。
受験勉強では、計画的に勉強を進めることが大切です。
計画的に勉強することで、見通しが持てる上に計画通りに進めることで、自信につながります。
性格上計画を立てることが苦手だという方がよくおられますが、計画を立ててもらうなどして勉強することもありかも知れません。
今すぐ取り組むべきこと
先述の通り、計画を立てて勉強することで自信に繋がります。
そのため、自らの勉強法や計画を見直してみましょう。
そして、どのように勉強を進めたらいいのか、対策方法が分からないという方は予備校や塾の利用を検討しましょう。
塾や予備校から受けるサポートが必要だと思われた場合には、すぐにでも相談や体験授業に出向くことが必要です。
まとめ
この記事では、歯科医師国家試験について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
大学での6年間の学びの集大成です。
親御様には、お子様の勉強のサポートを解説させていただきました。
お子様には、歯科医師国家試験において重要なことを再確認されたことと存じます。
この記事から分かったことが役に立ち、お子様の努力が報われ、歯科医師国家試験に合格されることを心よりお祈り申し上げます。