診療科別!歯科医師の志望動機は?書き方やポイント・気をつけることは?
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カテゴリ:基礎知識
歯科医院への就職や転職における履歴書は必須書類です。
また、その履歴書に示す志望動機は、採用/不採用を決めるための材料として非常に大切な役割を果たします。
そこで本記事では、歯科医師になるための志望動機の書き方を紹介していきたいと思います。
押さえるべきポイントや診療科別の志望動機の書き方など、詳細まで徹底解説しているので、志望動機の書き方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
志望動機の基本
まず最初に、志望動機の基本事項について解説していきたいと思います。
歯科医師の伝わる志望動機の書き方
志望動機は履歴書を書く上で最も大切と言っても過言ではありません。
内容によって受け手からは好印象にも手抜きな印象にも捉えられてしまいます。
何を書けばいいのか分からないと思っている方もいるようですが、基本的にはここで働きたいという意欲を示すことと、将来クリニックに貢献できる事柄を書くと良いでしょう。
「治療理念に共感しました」と抽象的な内容だと、働く意欲を感じられないと思われる可能性があります。
また、給与などの条件面を主に志望動機として書いてしまうと利己的な印象を与えかねません。
今までやってきたことや将来的にどうなりたいかを踏まえて「何故ここで働きたいのか」ということを書くと良いでしょう。
志望動機で気を付けるべきこと
志望動機を書くときは、相手に伝えたいことを箇条書きに書き出したり整理してから書くことをおすすめします。
内容に関しては、抽象的な志望動機ではなく具体的でわかりやすい様に書き、その歯科医院に合った自己PRを書きましょう。
自分では短所だと思っている部分も良い部分に置き換えて書くなど、自分の言葉を使って書くことが大切です。
診療科目別の志望動機
次に診療科目別では、どのような志望動機を書けば良いのか解説していきます。
診療科目が違えど「なぜここで働きたいと思うか」という点は共通しています。
一般歯科
一般歯科の場合、その歯科医院の院長の考え方や雰囲気、教育内容や福利厚生などいろいろな角度から見て共感できる部分を見つけましょう。
そして自分が希望する部分と同じであるところを強調して志望動機を書くと良いでしょう。
小児歯科
小児歯科の場合は、自分の子どもの頃の歯医者の経験や、前職での経験でなぜ小児歯科で働こうと思ったのかを踏まえて書くといいでしょう。
小児歯科の役割は治療はもちろんですが、子どもたちが安心して治療を受けることが大切となります。
また、いつまでも健康な歯を維持するためには小さな時からの予防や管理が必要とされています。
訪問歯科
訪問歯科とは、病院に通うことが難しい患者さんに対して家や介護施設に訪問し治療等を行うことを言います。
高齢化が進む日本では、訪問介護と同様に訪問歯科の需要が高くなってきています。
また、一般歯科よりも患者さんやそのご家族とのコミュニケーション力、スタッフ同士での細やかな報連相が必要となります。
自分が率先して活躍できる事例を書いてみるのもいいでしょう。
審美歯科・矯正歯科
審美歯科、矯正歯科は一般的な治療とは異なり、「歯を美しくする」治療の事を言います。
歯が黄ばんでいる、歯並びが悪い、歯が抜けてしまったなどそれぞれのコンプレックス解消のためホワイトニングや歯の修復、矯正など専門的な治療を行います。
大人から子どもまで幅広い年代が対象であり、ひとりひとりの口元の健康美が重要となるため、高い技術と専門知識が問われます。
専門的な分野に魅力を感じて審美歯科、矯正歯科で働きたいと思っている人が大半であるため他の人とはかぶらない内容を考えてみましょう。
インプラント
インプラントとは歯肉炎などの疾患やけがの影響で失ってしまった歯を補修する治療の事を言います。
ほとんどの歯科で取り入れられており、近年ではインプラント療法を専門的に扱っている歯科も増加しています。
インプラント治療は、虫歯治療および歯周病治療などの一般的な治療とは異なり、外科手術をともなうため、高度な知識と技術を要します。
また、インプラント治療には様々な歯科医療の面からの多角的なアプローチが必要とされるため、自身のもつスキルや経験を最大限アピールできると良いでしょう。
アルバイト勤務希望の志望動機
ここでは、アルバイト勤務希望の志望動機について解説します。
アルバイト勤務の場合、志望動機やアピールポイントを見つけることが難しいと感じるかもしれませんが、様々な切り口で見てみると良いでしょう。
勤務回数が少ない場合(週1など)
例えば学生の場合なら、大学に所属しているので勤務回数が少ない旨を伝え、自身の境遇と近い事柄(歯科医院の院長が同じ大学であること、専攻に近い学会のメンバーであることなど)を志望動機に書くのも良いでしょう。
勤務時間が短い場合(午前中のみなど)
出産や育児などでブランクが開き、再度アルバイトで短時間の勤務を希望するような場合、過去の自身の実績や経験を書き、短時間でもその歯科医院にとってプラスになるアピールをしましょう。
例えば子どもやファミリーの患者さんが多い歯科医院ならば、自身が家庭をもち子育てをしていることもアピールポイントとなるでしょう。
基本情報の書き方
次に履歴書などの基本情報の書き方について解説します。
日付の書き方
履歴書の日付に関しては、記入日を書くのではなく、提出日の日付を書くようにしましょう。
面接日に持参する場合は、面接日の日付を、郵送で送る場合は履歴書を投函する日付を書きましょう。
写真の貼り方
写真は履歴書の大きさに合ったものを貼りましょう。
基本的に3カ月以内に撮った写真を使用しましょう。
服装はスーツが理想的で、派手過ぎるメイクは避け、姿勢正しく柔らかい表情の物が好ましいです。
写真は糊で貼りますが、万が一剥がれてしまった時のために写真の裏に名前を書いておくとよいでしょう。
捺印の押し方
捺印をする場合、斜めになったりしないようにまっすぐにしっかりと捺印しましょう。
年の表記の仕方
履歴書内の提出日や生年月日など、年の表記の仕方は西暦か和暦のいずれかに統一してください。
住所欄の書き方
住所は応募先が同じ市区町村内であっても、必ず都道府県から記載してください。
町名以降は「◯丁目◯番地◯号」の形式で記入し、建物名も正式名称を用いましょう。
学歴や職歴の書き方
学歴は、新卒の学生は中学校卒業から、転職者は高校卒業から書くのが一般的です。
学歴は「入学」「卒業」と表記し、職歴は「入職」「退職」または「入社」「退社」と記載します。
自主退社の場合は「一身上の都合により退職・退社」と書きましょう。
また、学校名や企業名はすべて正式名称で書きましょう。
高校の正式名称は通常「高等学校」です。
浪人や留年は記載しなくても問題ありません。
そして、同じ学校の入学と卒業を記載する際に「同じ記号(〃)」や「同上」を使用して省略してはいけません。
職歴がある場合には、学歴をすべて書いた後に「職歴」と書き、次の行から始めましょう。
アルバイトに関しては職歴欄に記載する必要はありません。
自己PRや本人希望欄
続いて、履歴書の自己PR欄や本人希望欄の書き方についてご説明します。
免許・資格欄の書き方
保有している免許や資格は、取得順に正式名称で記載しましょう。
歯科医師の場合は、歯科医師免許を必ず記載してください。
学生でまだ取得していない場合は「取得見込み」と書きましょう。
普通自動車免許は正式名称ではないため、自分の持っている運転免許の正式名称を確認し、「普通自動車第一種運転免許」などと記載してください。
志望動機の書き方
志望動機欄は自己アピールに繋がるため大事な項目です。
しっかりと書くことで応募先の医院に好印象を与えることができ、逆に記述量が少ないと手抜きな印象を与えかねません。
人それぞれ書ける内容が異なり困難に感じるかもしれませんが、「応募の意欲を示すこと」「自分の成長がクリニックへの貢献に繋がること」を目指して書くと良いでしょう。
例えば、「治療理念に共感した」といった抽象的な内容では、「当医院について理解しようとしていない」「働く意欲が感じられない」と捉えられる可能性があります。
また、自宅からの距離や給与など待遇面に偏った志望動機では、利己的な印象を与える可能性があります。
説得力のある志望動機とは、これまでの経験と将来のビジョンを結び付けて考えることで書くことができます。
その上で、歯科医院の特徴や求める人物像を把握し、「なぜそこで働きたいのか」を具体的に伝えると良いでしょう。
本人希望欄の書き方
本人希望欄には、細かい条件を書きすぎるとネガティブな印象を相手側に与えてしまう可能性があります。
原則的には、育児や介護といったやむを得ない事情がある際に、希望する勤務形態や勤務日数、勤務開始日などを記載する欄と考えましょう。
特に記載する事項がない際には、「特になし」と書くよりも「貴院の規定に従います」と記載するのが望ましいでしょう。
写真の撮り方
次に、履歴書に貼る写真の撮り方について解説します。
写真の選び方と貼り方
履歴書の写真撮影はスピード写真でも問題ありません。
しかし、写真館で撮影してもらった写真の方が多少良い印象を与えられることも事実です。
また、できるだけ直近3か月以内に撮影した写真を使用し、それ以前に撮影したものは使わないようにしましょう。
写真を撮る際には以下の点に注意して服装や髪型を整えるといいでしょう。
男性の場合
白シャツに黒系のスーツを着用しましょう。
茶髪や長髪は避けてください。
女性の場合
自然なメイクを心がけ、過度に派手なメイクや加工は避けてください。
また、アクセサリー類は外しておきましょう。
顔回りがスッキリと清潔に見えるように、髪が肩にかかるぐらいの長さであれば結んでおきましょう。
髪色については、歯科医院ごとに規定が異なるため、明るい色は避け暗めにしておくと良いでしょう。
全体的な注意点
履歴書を書く上での全体的な注意点として以下の2点に気をつけましょう。
空欄を作らない
一つ目はできるだけ空欄を作らないことです。
履歴書を書く時には、読み手側の採用担当者に「ここで働きたい」という意志を伝えることが大切です。
そのため空欄があると、働きたいという意志が弱く手抜きの印象を与えてしまう可能性があります。
取り消し線や修正液を使わない
二つ目は絶対に取り消し線や修正液を使わないことです。
履歴書を清書する際に、誤りがあった場合にはたとえ小さな間違いであっても最初から書き直す必要があります。
取り消し線での訂正や、修正テープ・修正液の使用は絶対にやめましょう。
最近では、手書きの履歴書を求める歯科医院は少なくなってきています。
そのため、誤りがあってもすぐに修正できるワープロで作成し、印刷する方法でも良いでしょう。
志望動機の近代化
近年、歯科医師を目指す上での志望動機は近代化してきています。
というのも、時代の変化に合わせて歯科医師を目指す理由が多様化しているようです。
以下では、変化の背景と歯科大生に聞いた志望理由についてご紹介します。
歯科医師を目指す理由の変化
以前の歯科医師は主に「虫歯治療」に従事しており、専門的な科は限られていました。
しかし、近年では歯科医院の数が増え、コンビニエンスストアの数を超えるとも言われています。
このような環境では、歯科医院が生き残るために「専門性」を強調する傾向が見られます。
このような時代の変化により、歯科医師の役割や可能性が広がり、それに伴い歯科医師を目指す理由も多様化していると考えられます。
また、歯科医師になるには国家試験に合格する必要があり、そのためには一度は生涯の仕事として歯科医師を目指す決意をする分岐点があるはずです。
また、虫歯の予防を重視する「予防歯科」、子供の治療に特化した「小児歯科」、歯並びを整える「矯正歯科」など、特定の専門分野を目指すこともあります。
このように、歯科医師を志望する動機や目的は人それぞれであり、多様化しているようです。
歯科大生に聞く志望理由
では、最近の歯科大生はどのような理由や背景から、歯科医師を志しているのでしょうか。
現在進行形で歯科医師を目指している歯科大生に聞いてみると、大きく3つの理由が見えてきました。
以下にてご紹介します。
親が歯科医師の場合
まず、親が歯科医師であるというバックグラウンドを持った学生が非常に多くいました。
幼少期から親の職業である歯科医師に触れていることで、自然と目指したいと考えるきっかけになるようです。
自身の経験が志望理由に
また、自身が幼少期に経験した歯科治療から歯科医師を目指す人もいました。
例えば、転倒して歯が欠けてしまったなど、幼少期に歯科にお世話になることは多いですよね。
その際に丁寧で優しい対応をしてくれた歯科医師に憧れ、自身もそのようになりたいと志すきっかけになることも多いようです。
健康維持が志望理由
そして、健康の維持のために歯科医師を目指す方もいました。
現代は高齢化社会であるため、健康意識が向上しているのではないでしょうか。
年をとっても歯が生えそろっているなど、歯は健康の象徴でもあるといっても過言ではありません。
歯科医師は虫歯治療のみに限らず、健康を守るという大きな使命を持った職業でもあるようです。
まとめ
今回は歯科医師になるための志望動機の書き方やポイントを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
就職や転職において、志望動機の書き方を抑えているかどうかは非常に重要になっています。
個別の会では歯科医師を目指す方のために、歯学部に精通した講師が志望動機の書き方やポイントを指導しています。
歯学部受験をされる方、歯科医師を目指す方はぜひ個別の会にお問い合わせ下さい。
この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹
関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。