私立歯学部の定員割れとは?定員割れが生じた歴史や定員割れが生じた要因についても解説

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カテゴリ:テスト・入試

受験を考えるときに意外と気になるのが「倍率」ではないでしょうか。
そして、定員に受験生の数が達しなかった場合は「定員割れ」となります。
今回の記事では、歯学部の定員割れについてご紹介します。
これまでの私立歯学部の歴史についても解説しているため、なぜ私立歯学部において定員割れが生じたかについてもまとめています。
私立歯学部を目指している方や、歯学部で志望校を探している方は是非参考にしてください。

歯科医師は現在削減傾向


現在、歯科医師は削減傾向にあります。
なぜ削減傾向にあるのか、その原因について詳しく解説していきます。

過去に歯科医師が増える傾向に

まず歯科医師が削減されている理由の一つとして、過去に歯科医師が増える傾向にあったことが挙げられます。
歯科医師は、2020年の時点で10万人以上働いているとされています。
施設としては、「診療所」「医育機関付属の病院」「病院」などに分けられていますが、年次推移においては診療所の歯科医師が増加しています。
また、年代別では、1番多いのが50-59歳で23769人、その次に60-69歳で23136人です。
そして、39歳以下は24176人。
合わせても50-59歳や60-69歳と同じくらいであるため、若い歯科医師が少ないことが分かります。
さらに、2014年には「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」が発表され、歯科医師の上限数82,000人が望ましいと考えられています。
先程もお伝えした通り、現在は10万人ほどの歯科医師がいるため、新人歯科医師の削減が行われているのが現状です。
これにより、歯学部のある大学は入学定員を削減するなど対策を行っています。

歯科医師が増えたことによる問題

1960年代から1970年代は歯科医師の不足と言われ、歯学部が多くの大学に新設されました。
しかし、10年もかからず、50名を超えるなど、歯科医師を目指す人は増えていきました。
歯科医師が増えたことに伴って、歯科医院間における競争が激しくなりました。
特に東京では、この競争の激化によって、それぞれの歯科医院の経営状態はどんどん悪化していきます。
特に東京では、歯科医院・診療所が廃業するという最悪の事態が起こる可能性もあります。
歯科医院の経済的低迷によって、新しい技術や機材の導入ができなかったり、優秀な人材を確保することができないという状態に陥り、歯科診療の劣化という問題が顕在化するに至りました。

国家試験が難化


歯科医師国家試験が近年難化していると言われています。
なぜそういわれているのかを解説します。

私立歯学部で定員割れが発生

私立医学部では受験者が大幅に減り、定員が割れたことが問題視されています。
原因としては、国家試験が難化したことや歯科医師の人気が低下しているからと言われています。
印象として「歯科医師」は儲からないのではないかという懸念もあります。
実際に歯科医師の数が不足していた時代に比べると、年収は劣っているかもしれません。
しかし、歯科医師の年収は他の職種と比べると低くありません。
また、国によって新規歯科医師を抑制しているため、国家試験の難化は収まらないでしょう。
歯学部という難関学部に合格するためには、大学でしっかりと対策を行っていたり、歯学部についてきちんと情報を知る機会が無ければ、受験希望者が減り、定員割れにも繋がります。
また、近年では不況やコロナの影響で経済環境が一変し、学費が高額な私立歯学部を目指すことは少なくなってしまったとも考えられます。

国家試験合格者が続出


次に、国家試験合格者が続出しているということについてお話しします。
これは歯学部を目指している人にとっては、良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか。

歯科医過剰供給状態になる

国家試験合格者が続出することによって、歯科医過剰供給状態に陥ります。
厚生労働省では、現状の歯科医師数を維持するために望ましいのは82,000人としています。
しかし、その数を大幅に超える国家試験の合格者が出ています。
これが、歯科医師の増加の原因の1つであると、厚生労働省は考えています。
2020年と2021年の国家試験合格者数で比べると、2020年は1,583人、2021年は1687人で0.9%増加しています。
2020年時点で歯科医師の数は107,443人であるため、2018年から2,535人増えています。
少しずつではありますが、毎年増えていることには変わりなく、歯科医師は増加し続け、歯科医過剰供給状態となっています。

まとめ


今回は歯学部の定員割れについてお話ししました。
歯科医師という職業は1つの事に専門性を持って仕事をしていくことができるため、目指す人は少なくありません。
しかし、国家試験合格者の続出や入学定員の削減、国家試験の難化など、歯学部志望者にとって厳しい現状があるのも確かです。
ただ、そんな難関学部を突破するためにも早めの準備が必要です。
たくさん情報収集をして、自分にとってなにがベストかを考えてみましょう。
もし、難しい場合は歯学部コースも設置している受験のプロである個別の会で、専門的に一緒に考えますので、少しでも気になられた方はお気軽にお問い合わせ下さい。