中学受験の英語のレベル・難易度は?対策方法や実施している学校を解説
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カテゴリ:勉強・対策
近年、グローバル化によって英語によるコミュニケーションが重視されているため、多くの中学受験の入試科目に英語が導入されています。
そのため、中学受験の英語入試について気になる方が多いのではないでしょうか。
本記事では中学受験の英語入試について、難易度や対策方法について解説していきます。
直近の英語入試の動向や今後の見通しと、英語入試を実施している学校一覧もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【中学受験】英語入試の動向は?
まずは、中学受験における英語入試の動向についてご紹介します。
英語入試導入が増えたのはなぜ?
近年、英語入試導入が増えた背景にはどのような理由があるのでしょうか。
ここでは、3つの理由について詳しく解説します。
入試形態が多様化しているから
1つ目に、入試形態が多様化していることが挙げられます。
これまで、中学受験における入試科目は、国語・算数・理科・社会の4科目でした。
また、英語入試は帰国子女を対象とすることが基本でした。
しかし、最近では入試の選択肢を広げる一貫として、2科目や1科目の入試日程を設定する私立校が増加しています。
また、公立中高一貫校では適性検査型入試を採用する学校も増えています。
これは、大学入試改革や小学校の英語科目必修化などの影響によって、入試形態が多様化しているのだと言えます。
そして、英語入試を一部採用する学校や、英語入試が必須となる学校も登場しています。
大学入試改革の影響
2つ目に、上記で少し触れた大学入試改革の影響が挙げられます。
2020年に大学入試が改革され、これまでの「聞く」「読む」といった2技能に、「話す」「書く」の2技能が追加され、4技能の観点から判定されることになりました。
この改革によって、英語科目に対する考えが変化してきたと言えます。
実際に、大学入学共通テストの英語とセンター試験の英語を比較してみると、単語数の増加や設問文までもが英語表記となるなど、変化が見られました。
このような変化は、大学入試だけでなく将来より英語でのコミュニケーションを求められる世代に向けて、中学の英語入試にも影響をもたらしたのだと考えられます。
小学校の英語カリキュラム変更
3つ目に、小学校の英語カリキュラムが変更されたことが挙げられます。
2020年からの小学校の新たな学習指導要領により、小学3年生と4年生の英語が必修化し、小学5年生と6年生の英語が教科化しました。
これまでは、英語に親しみを持つことを目的として英語教育が行われていましたが、教科化したことにより、小学5年生からは成績として結果が出されるようになりました。
そのため、現在は私立校の中学受験で主に取り入れられている英語入試が、今後公立中高一貫校や国立中学校においても取り入れられる可能性が高いと考えられます。
英語で受験できる学校は増加中
現在、英語で受験できる学校が増加中であることをデータからも見ていきましょう。
首都圏模試センターの調査結果から、2019年の推薦入試も含めた中学受験に、英語入試を導入しているのは125校でした。
そこから、2020年の大学入試改革や小学校の新学習指導要領の導入を経て、2023年には141校が英語入試を導入しています。
上記でも少し触れたように、今後も中学受験における英語入試の導入学校数は増加が見込まれます。
そして、私立校だけでなく公立中高一貫校や国立中学校においても必須となるでしょう。
※出典:首都圏模試センター「英語(選択)入試導入校141校一覧〈2023年入試〉」
https://www.syutoken-mosi.co.jp/common/pdf/nyushi_joho/nyushi_yoko_kekka/2023_english.pdf
※出典:首都圏模試センター「英語(選択)入試導入校125校一覧〈2019年入試〉」
https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/upload/a09cfcb8651fbddc970d8acb8d509148_7.pdf
中学受験の英語入試概要
続いて、英語の入試形式や英語のレベルなど、中学受験の英語入試概要についてご紹介します。
英語の入試形式
まず、英語の入試形式は学校によって様々な形式が採用されています。
例えば、「英語・国語・算数」や「英語・算数」のように、受験科目が決められている学校もありますし、従来の4科目(国語・算数・理科・社会)と英語から自由に科目を組み合わせられる学校もあります。
最近では、英語のみでの入試形式も増加しています。
また、英語の筆記試験ではなく、CEFRの指標や英検を利用することで加点や免除が受けられる制度を導入している学校もあります。
このような制度を導入している学校では、英検何級以上などの指定がされている場合が多いので、注意しましょう。
少しでも加点や免除を受けられると、他と差をつけることができるので、募集要項にしっかりと目を通すことが重要です。
英語のレベルは?
中学受験で求められる英語力は、学校によって異なります。
問題の内容を英検5級から4級程度にしている学校もあれば、英検3級から2級以上を取得している者を対象に難度の高い内容にしている学校もあります。
英検4級のレベルは中学中級程度で、英検2級は高校卒業程度といわれています。
そのため、通常の小学校の授業内容だけでは難しく感じる問題が出題されることも多いようです。
英検やCEFRなどの指標で問題のレベルを表している学校もあるので、中学受験で英語入試を考えている場合は、早い時期から志望する学校の入試情報をチェックしておきましょう。
中学受験で英語を導入している学校は?
次に、実際に中学受験で英語入試を導入している中学校についてご紹介します。
御三家は実施している?
御三家とは、中学受験を考えている方なら一度は聞いたことのある有名な私立中学校3校のことです。
御三家は、毎年難関大学への合格者を多数輩出しており、ハイレベルな生徒が集まる人気の高い学校です。
男子御三家と女子御三家があり、開成中学校・麻布中学校・武蔵高等中学校が男子御三家、桜蔭学園中学校・雙葉中学校・女子学院中学校が女子御三家といわれています。
ここからは、男子御三家と女子御三家について、受験科目に英語があるのかどうかを見ていきたいと思います。
男子御三家
男子御三家の2022年度入試の受験科目をまとめました。
男子御三家の2022年度入試の受験科目
開成中学校 | 国語・算数・理科・社会 | 英語なし |
麻布中学校 | 国語・算数・理科・社会 | 英語なし |
武蔵高等中学校 | 国語・算数・理科・社会 | 英語なし |
表から見て分かる通り、男子御三家は各学校4教科のみとなっており、英語はありませんでした。
女子御三家
女子御三家の2022年度入試の受験科目をまとめました。
女子御三家の2022年度入試の受験科目
桜蔭学園中学校 | 国語・算数・理科・社会 | 英語なし |
雙葉中学校 | 国語・算数・理科・社会 | 英語なし |
女子学院中学校 | 国語・算数・理科・社会 | 英語なし |
女子御三家についても、男子御三家と同様に各学校4教科のみで英語はありませんでした。
男子御三家・女子御三家ともに英語入試を導入している学校はありませんでした。
中学受験では、英語を入試科目として採用する学校が近年増えていますが、なぜ男子御三家・女子御三家では英語入試は導入されていないのでしょうか。
理由としては、小学校での英語教育は始まったばかりであること、入学後にハイレベルな英語教育を行っていること、コロナウイルスなどの感染症の流行により授業の進行に差があることなどが考えられます。
しかし、現時点では導入していませんが今後御三家でも英語入試を導入する可能性はあります。
御三家を志望している方は、今後の動向をチェックしてください。
英語入試を導入している学校一覧
では、どのような学校が中学受験で英語入試を導入しているのでしょうか。
実際に2023年度入試で英語を導入している中学校を一部ですが、ご紹介します。
学校名 | 所在地 | 男子・女子・共学 |
---|---|---|
京華 | 東京 | 男子 |
佼成学園 | 東京 | 男子 |
聖学院 | 東京 | 男子 |
東京都市大学付属 | 東京 | 男子 |
城北埼玉 | 埼玉 | 男子 |
静岡聖光学院 | 静岡 | 男子 |
跡見学園 | 東京 | 男子 |
江戸川女子 | 東京 | 女子 |
大妻多摩 | 東京 | 女子 |
大妻中野 | 東京 | 女子 |
川村 | 東京 | 女子 |
神田女学園 | 東京 | 女子 |
北豊島 | 東京 | 女子 |
郁文館 | 東京 | 共学 |
上野学園 | 東京 | 共学 |
頴明館 | 東京 | 共学 |
開智日本橋学園 | 東京 | 共学 |
かえつ有明 | 東京 | 共学 |
明学園 | 東京 | 共学 |
※出典:首都圏模試センター「英語(選択)入試導入校141校一覧〈2023年入試〉」
https://www.syutoken-mosi.co.jp/common/pdf/nyushi_joho/nyushi_yoko_kekka/2023_english.pdf
主に首都圏にある英語入試を導入している中学校についてまとめましたが、他の地域でも多くの中学校が中学受験に英語入試を導入しています。
今後、新たに英語入試を導入する中学校も増えてくると思いますので、志望校の受験に関する最新情報を確認しておきましょう。
中学受験の英語の対策方法は?
中学受験の英語の対策方法についてご解説します。
志望校ごとの入試傾向をつかむ
中学受験で英語入試に挑戦するのであれば、まずは志望する学校の出題傾向をしっかりとつかむことが大切です。
英語入試では、筆記試験が主流となっていますが、筆記試験の内容は学校によって異なります。
リーディングとライティングの配分や、リスニング問題があるかどうかなど、志望校の過去の入試問題を用いて分析しておきましょう。
また、面接やグループワークのような英語で話す試験を実施している学校もあります。
その場合は、過去に出題されたテーマを参考にして、事前にシュミレーションを行い練習しておくと良いでしょう。
試験当日に緊張しないよう、塾や学校の英語の先生に見てもらうのも効果的です。
基礎を固めて小学校レベルはマスターする
英語入試の対策を行うにあたって、いきなり難易度の高い問題に挑戦するのではなく、まずは小学校の授業レベルの内容を完璧にマスターすることが重要です。
入試対策として勉強を行っていると、どうしても「読む・書く」力を伸ばすことに集中してしまい、他の「聞く・話す」力が疎かになってしまいます。
小学校の英語学習では4技能が重視されているため、「聞く・話す」力についても伸ばしておきましょう。
最近ではリスニング問題を出題する学校や面接試験を実施する学校も増えているので、さらに「聞く・話す」力が重視されるでしょう。
そのため、どのような試験内容にも対応できるように、早い時期から4技能をバランスよく伸ばしておきましょう。
今後の中学受験の英語の動向は?
ここからは、中学受験における英語入試の今後の動向について解説します。
小学校の指導領域内からの出題が増える
小学校の授業で学んだ内容の定着度を図るために、指導領域内から出題する学校が増えるでしょう。
基本的な知識が問われるため、基本をしっかりとおさえておくことと、過去問題集などから、試験の傾向を把握しておきましょう。
小学校の指導領域外からの出題が増える
潜在的な能力を評価するために英検3級~2級程度の問題が多くを占めた、指導領域外からの出題が増えるでしょう。
基礎と基本に加えて教科書以外の内容も問われるため、早い段階から英語の学習に力を入れたり、塾に通って準備を進めるのも有効です。
帰国生については、思考力を問う問題が多く出題される傾向にあり、面接では英語による質疑応答が行われます。
指導領域内外の組み合わせになる
指導領域内外の組み合わせになることも予想されますので、どんな問題にも対応できるように、聞く・読む・書く・話すの4技能をバランスよく身につけておくことを意識しておきましょう。
受験直前ではなく、日頃から語彙力を強化したり、出題傾向を見極めるために過去問演習にも早い段階から取り組むことが大切です。
中学受験の英語対策は個別の会
中学受験をお考えの方で、英語対策に取り組みたいとお考えのかたは、個別の会はいかがでしょうか。
個別の会では志望校や学力状況などに合わせて多様なコースを設置しており、プロ講師による一対一のきめ細やかな指導と、手厚いサポートで中学受験合格に最短距離で導きます。
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まとめ
今回は、中学受験における英語入試についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
小学校においても英語教育が行われていますが、中学受験では指導領域外の問題が出題されることも想定されます。
また、通常、公立小学校では中学受験に向けた学習やサポートは行われておらず、各ご家庭や塾で中学受験対策を行う必要があります。
特に英語の出題傾向は学校により異なるため、学習塾での対策をおすすめします。