大阪医科薬科大学薬学部の対策方法や入試傾向は?偏差値や倍率も解説
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大阪医科薬科大学薬学部を志望するにあたって、入試の傾向や対策をしっかりと把握しておくことは非常に重要です。
本記事では、各科目の出題傾向をはじめ、効果的な対策方法、偏差値、倍率といった受験に役立つ情報を詳しく解説しています。
受験生の方はもちろん、保護者の方にとっても志望校選びの参考になる内容となっていますので、大阪医科薬科大学薬学部への進学をお考えの方はぜひご一読ください。
目次
大阪医科薬科大学薬学部とは?
まずは大阪医科薬科大学薬学部の基本情報についてご紹介いたします。
基本情報
阿武山キャンパス | 〒569-1094 大阪府高槻市奈佐原4-20-1 |
---|---|
TEL | 072-683-1221(代表) |
交通アクセス | JR東海道本線(JR京都線)「摂津富田」駅または
阪急京都線「富田」駅下車後、高槻市営バス「JR富田駅」より4番乗場で「大阪医科薬科大学(薬学部)」行または「公団阿武山」行で「大阪医科薬科大学(薬学部)」下車すぐ |
収容定員 | 294名(計1,764名) |
在学者数 | 男:621名 女:1,229名
1,850名(2024年5月1日現在) |
大阪医科薬科大学薬学部は、大阪府高槻市の阿武山キャンパスに位置し、通学の利便性が高く、周辺には生活施設も充実しており、学生生活を快適に過ごすことができます。
キャンパス内には自然豊かな環境が広がっており、学業だけでなく、リフレッシュの場としても利用されています。
薬学部全体での男女比は約34%が男性、約66%が女性となっています。
どんなところ?
大阪医科薬科大学薬学部は、1904年に大阪道修薬学校として創立され、長い歴史と伝統を誇る医療系大学です。
2021年には大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し、新たに「大阪医科薬科大学」として再編されました。
この統合により、薬学部は医学部や看護学部と連携し、医療系総合大学としての新たな歩みを始めています。
薬学部は建学の精神「至誠仁術」を掲げ、国際的な視野を持ちながら良質な教育・研究・医療の実践を通じて、優れた医療人の育成を目指しています。
教育内容は6年間にわたり、基礎から応用、臨床に至る幅広い薬学教育が行われます。
1年次から4年次までは基礎薬学や応用薬学の科目を中心に学び、5年次には病院や薬局での実務実習を経験します。
6年次には国家試験対策や卒業研究に取り組み、医療現場で即戦力となる薬剤師の育成を目指しています。
大阪医科薬科大学薬学部の入試で問われる力
次に、大阪医科薬科大学薬学部の入試の特徴について詳しく解説いたします。
入試の特徴
大阪医科薬科大学薬学部では、さまざまな受験生に対応できるよう、複数の入試制度が設けられています。
主な入試方式は、学校推薦型選抜(指定校制・公募制)、一般選抜(A方式・B方式)、大学入学共通テスト利用入試(前期・後期)の3種類です。
中でも、学校推薦型選抜(公募制推薦入試)と一般入試Aは、理科(化学または生物)の配点が他教科よりも高く設定されている点が大きな特徴です。
これは、薬学分野において理科の基礎力が非常に重要視されていることを反映しています。
理科重視型の試験内容となっているため、理系科目が得意な受験生にとっては有利な入試方式と言えるでしょう。
大阪医科薬科大学薬学部の各科目の傾向と対策
続いて、大阪医科薬科大学薬学部の各科目の傾向と対策について解説いたします。
英語
大阪医科薬科大学薬学部の英語一般入試は、かつてA方式とB方式で若干の違いがありましたが、2025年度からはB方式が廃止され、A方式が主軸となっています。
試験時間は75分で、大問は4題構成。解答は記述式と選択式が併用されており、文法・語彙やアクセント問題は主に選択式、英文和訳や内容説明などの読解問題は記述式で出題されます。
読解問題は例年2題で、時事的・文化的話題や近年注目されたテーマが多く、科学的・生物学的素養を求められる問題も含まれるなど、薬学部らしい特色があります。
設問は英文和訳、空所補充、内容説明、同意表現など多岐にわたり、発音問題では第1アクセントの位置を問う問題が10問出題されます。
文法・語彙問題はイディオムや構文を基本とした語句整序が中心です。
対策としては、幅広いテーマの長文に対応できる読解力が重要です。
自然科学や医学、社会問題など多様な英文に日頃から触れ、語彙を文脈から推測する練習を積みましょう。
特に英文和訳は、構文理解や背景知識を活かして論理的に訳す力が求められます。
発音問題対策には、日々の音読でアクセントを自然に身につけることが効果的です。
また、語彙・イディオム問題も多いため、標準からやや難易度の高い問題集まで幅広く取り組み、得点力をしっかり強化しましょう。
全体の難易度は標準的で、語彙や文法も基本的なものが中心ですが、読解問題では科学や生物に関する背景知識がないと戸惑うこともあるため、事前に一定の素養を身につけておくことが望まれます。
数学
大阪医科薬科大学薬学部の数学一般入試は、試験時間75分で大問3題から構成されます。
大問は異なる分野の小問でまとめられることが多いですが、関連した内容で一つの大問が構成されることもあります。
解答は答えのみ記入し、計算過程の記述は不要です。
出題範囲はほぼ全範囲に及び、特に微分・積分、図形と方程式、対数関数、数列からの出題が目立ちます。
難易度は基本から標準レベルですが、各試験で必ず少なくとも1題は計算力や思考力を問う問題が含まれています。
対策としては、基本事項を身につけているというのを前提として、そこから如何に数をこなし、身につけたものを応用していけるかが重要になってきます。
定義・定理・公式は導き方や意味だけでなく、背景や関連性まで幅広く理解し、使いこなせるようにしておきましょう。
ほぼ全範囲からの出題であるため、どの分野にも偏りなく力を入れて、バランスの良い実力を養うことが必要です。
特に確率、微分・積分、図形と方程式、対数関数、数列、ベクトルは得意分野となるまで重点的に取り組みましょう。
また、問題は空所補充や答えのみ記入する形式が多いため、条件の見落としや計算ミス、転記ミスを防ぐ注意力も欠かせません。
日頃の問題演習を通じてこうした力も養っておきましょう。
さらに、計算力や思考力を問う問題にも対応できるよう、基本の理解に加え、やや難易度の高い問題にも積極的に挑戦し、論理的思考力と計算力をしっかり鍛えておくことが合格へのポイントです。
理科
大阪医科薬科大学薬学部の化学一般入試は、A方式が大問6題・試験時間90分、B方式が大問6題・試験時間75分です。
いずれも記述式が中心の出題形式で、計算問題の頻出に加え、年度によってはグラフの読み取りや、B方式では論述問題も出題されるなど、思考力を問う問題も見られます。
出題範囲は「化学基礎」と「化学」全体に及び、理論分野を中心に無機・有機を含め幅広く出題されます。
特に、気体の法則・熱化学・物質量・濃度計算・中和滴定・酸化還元滴定・反応速度・化学平衡・電気分解・陽イオン分析などが頻出で、標準レベルながら応用力も必要です。
計算問題では、水の蒸気圧・pH・滴定・電池の反応と電気量に関する問題がよく出るため、筆算での計算練習と単位や有効数字の扱いに注意しましょう。
無機分野では、反応式・装置・検出方法や、アンモニアソーダ法・ハーバー・ボッシュ法などの工業化学も対策が必要です。
有機分野では、構造決定が頻出で、検出反応や反応経路の理解がカギとなります。
C₄・C₅系列のアルコール・ケトン類や芳香族化合物の合成反応は特に重要です。
高分子の出題頻度は低めですが、油脂・アミノ酸・糖類・ナイロン・PET・合成ゴムなどの基本構造と特性は整理しておきましょう。
続いて、大阪医科薬科大学薬学部の生物の一般入試は、例年一般入試Aが試験時間90分で大問6題の構成です。
一般入試Bは試験時間75分で大問5題でしたが、2025年度より廃止されました。
論述問題や計算問題が頻出し、描図問題も出題されることがあるため、時間配分には十分注意が必要です。
大問数が多く、幅広い分野から出題されます。
植物関連はやや少なめで、遺伝情報や動物の反応・体内環境に関する問題が多く見られます。
知識中心の問題が多いものの、毎年1~2題は読解や実験・考察問題も含まれ、まれに教科書外の高度な内容が問われることもあります。
難易度は標準的で、複雑な考察や難しい計算は少ないですが、範囲が広いため苦手分野があると高得点は難しくなります。
1~2行で答える論述問題が多く、ポイントを簡潔にまとめる力が求められます。
対策としては、全範囲の重要事項を理解し、基本的な計算や論述ができるようにしておくことが大切です。
教科書や傍用問題集で基礎を固め、試験時間に対して問題数が多いため、時間配分の練習も必須です。
推薦入試・一般入試ともに出題傾向は共通しているため、全日程の過去問を活用して演習を重ねることをおすすめします。
論述問題は日頃から要点を意識し、1~2行でまとめる練習を続けましょう。
計算問題は定番が多いため、繰り返し解法を身につけて素早く対応できるようにすると得点力が向上し、試験で余裕を持てます。
大阪医科薬科大学薬学部の入試概要
次に大阪医科薬科大学薬学部の入試概要についてご紹介いたします。
出願資格
以下は2025年度の出願資格に関する内容です。
2026年度の出願資格については、まだ正式に発表されていないため、最新の情報は大阪医科薬科大学の公式ウェブサイトでご確認ください。
入試方式 | 出願資格 |
---|---|
公募制推薦入学試験(併願制) | 全体の学習成績の状況が3.2以上の者で、次の各号の一つに該当し、薬学を意欲的に勉学する意思を有し、出
身学校長が推薦する者。ただし2025年3月卒業見込みの者は高等学校3年1学期(2期制の場合前期)まで の全体の学習成績の状況とする。 (1)高等学校又は中等教育学校を2024年3月に卒業した者又は、2025年3月卒業見込みの者 (2)文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を 2024年3月に修了した者、又は2025年3月31日までに修了見込みの者 (3)前号と同等の資格があると本学が認めた者 |
一般入学試験 A
一般入学試験 B |
次の各号の一つに該当する者
(1)高等学校又は中等教育学校を卒業した者又は2025年3月卒業見込みの者 (2)通常の課程による12年の学校教育を修了した者又は2025年3月修了見込みの者 (3)学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる 者及び2025年3月31日までにこれに該当する見込みの者 |
大学入学共通テスト利用入学試験(前期)
大学入学共通テスト利用入学試験(後期) |
次の各号の一つに該当する者であって、令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストにおいて本学が指定する教科・科目を受験する者
(1)高等学校又は中等教育学校を卒業した者又は2025年3月卒業見込みの者 (2)通常の課程による12年の学校教育を修了した者又は2025年3月修了見込みの者 (3)学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる 者及び2025年3月31日までにこれに該当する見込みの者 |
出願前には、自分がどの方式で受験するかを明確にし、それぞれの方式の条件・必要書類を確認することが重要です。
試験科目・合格点
ここでは、一般入試と大学共通テスト利用入試の試験科目・合格点についてご紹介いたします。
入試種別 | 試験科目 | 合格最低点/配点 |
---|---|---|
一般入試A | ・理科(化学・生物から1科目選択):150点/90分
・英語:100点/75分 ・数学:100点/75分 |
205/350 |
一般入試B | ・理科(化学):100点/75分
・数学:100点/75分 |
120/200 |
共通テスト利用(前期) | ・理科(化学):200点
・外国語:200点 ・数学:200点 |
420/600
※2024年度入試参考 |
共通テスト利用(後期) | ・理科(化学):200点
・外国語:200点 ・数学:200点 |
466/600
※2024年度入試参考 |
一般入試A方式では、近年の合格最低点はおおむね200点台前半で推移しており、全体として6割前後の得点が合格の目安となっています。
基本~標準レベルの問題をしっかりと得点できる力が問われており、奇問・難問よりも基礎力と正確性が重視される傾向です。
一方、一般入試B方式は2025年度から英語の試験が廃止されたことにより、配点が300点満点から200点満点へと変更されています。
2024年度までの傾向からも、合格には全体の6~7割程度の得点が求められ、A方式と同様に標準問題への的確な対応力が合否を左右するといえます。
共通テスト利用方式では、前期で7割以上、後期ではさらに高く8割近い得点が必要とされており、科目間の得点バランスと高得点の安定性が求められる方式です。
特に後期では受験者の得点水準が高くなる傾向があるため、より完成度の高い学力が必要になります。
これらのことから、大阪医科薬科大学薬学部の入試では、基本事項の確実な理解と標準問題への対応力、そして安定した得点力が求められていることがわかります。
特定の形式に偏るのではなく、複数の入試方式に対応できる総合的な実力の養成が重要です。
入試日程
以下は2026年度の入試日程になります。試験場などは公式HPの入学試験概要に掲載されているのでご覧ください。
入試形式 | 出願締切日 | 試験日 | 合格発表日 | 入学手続き締切日 |
---|---|---|---|---|
学校推薦型選抜 | 指定校推薦入試 | |||
2025/11/1~2025/11/8 | 2025/11/16 | 2025/12/1 | 2025/12/19 | |
公募制推薦入試 | ||||
2025/11/1~2025/11/8 | 2025/11/16 | 2025/12/1 | 1次:2025/12/12
2次:2025/12/19 |
|
一般選抜 | 一般入試A | |||
2026/1/6~2026/1/23 | 2026/2/1 | 2026/2/7 | 1次:2026/2/13
2次:2026/3/16 |
|
一般入試B | ||||
2026/1/6~2026/2/2 | 2026/2/9 | 2026/2/18 | 1次:2026/2/25
2次:2026/3/16 |
|
共通テスト利用 | 前期 | |||
2026/1/6~2026/1/21 | 共通テスト | 2026/2/18 | 1次:2026/2/25
2次:2026/3/16 |
|
後期 | ||||
2026/2/20~2026/3/2 | 共通テスト | 2026/3/9 | 2026/3/16 |
試験日はもちろん、出願日程や合格発表日、入学手続き締切日も他大学と比較して戦略的に計画を立てていきましょう。
体力面だけではなく、金銭面にも気を使うことが受験において重要になってきます。
大阪医科薬科大学薬学部の偏差値・倍率は?
次に、大阪医科薬科大学薬学部の偏差値、倍率について詳しく解説いたします。
偏差値
入試方式 | 偏差値 |
---|---|
一般入試A | 47.5 |
一般入試B | 50.0 |
大阪医科薬科大学の薬学部は、入試方式によって偏差値に違いが見られます。
一般入試A方式では偏差値47.5、一般入試B方式では偏差値50.0となっており、一般入試B方式の方がやや難易度が高い傾向にあります。
全国の私立大学薬学部における偏差値は35.0〜62.5と幅広く、大学ごとに難易度に大きな差がありますが、その中で大阪医科薬科大学は偏差値47.5〜50.0と中上位に位置し、比較的難易度の高い薬学部といえます。
安定した学力が求められるため、しっかりとした受験対策が必要です。
倍率
入試方式 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
---|---|---|---|
公募推薦 | 421名 | 220名 | 1.91 |
一般入試A | 590名 | 281名 | 2.09 |
一般入試B | 230名 | 85名 | 2.70 |
共通テスト利用(前期) | 282名 | 128名 | 2.20 |
共通テスト利用(後期) | 11名 | 5名 | 2.20 |
上記は、2025年度の入試結果になります。
最も倍率が高いのは、一般入試Bの入試方式になります。
この方式は、受験者数は一般入試Aより少ないですが、合格者が少ないために倍率がかなり高くなっています。
2番目に倍率が高いのは、共通テスト利用になります。
共通テストによる合格のボーダーは70%以上が目安とされているため、どの教科も満遍なく点数を獲得してくる必要があります。
公募推薦入試は、1.91倍とやや低くなっていますが、公募推薦では、高校3年間の評定平均が3.2以上でないといけないため、倍率が低い一方で高校時代の取り組みが大切になります。
レベルが近い大学との比較
大阪医科薬科大学薬学部は、関東圏の私立大学薬学部の中でも比較的伝統と実績があり、中堅上位~上位に位置付けられます。
関西圏で偏差値の近い大学には、近畿大学薬学部と武庫川女子大学薬学部などがあげられます。
近畿大学は、総合大学としての強みや人気の上昇が特徴的であり、武庫川女子大学は、女子大学ながら国家試験の合格率が高く、安定した評価を得ています。
また、関西圏以外では、東京薬科大学と星薬科大学、名城大学薬学部、昭和薬科大学などの大学が同等の偏差値帯にあります。
このように、大阪医科薬科大学薬学部と同じ偏差値帯には、全国に実績ある私立薬学部が多数存在しており、進学を考える際にはそれぞれの強みや特色も併せて比較してみましょう。
大阪医科薬科大学薬学部対策をするなら個別の会
大阪医科薬科大学薬学部の受験対策をお考えの方には、個別指導塾 個別の会のご利用をおすすめいたします。
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授業は1コマ2時間で、基礎から応用、過去問演習や面接対策まで丁寧に対応いたします。
大阪医科薬科大学薬学部の入試傾向や出題形式をしっかりと分析したうえでの指導を行うことができるため、効率よく実力を伸ばすことが可能です。
再受験や不登校など、さまざまな状況にある生徒にも柔軟に対応し、真剣に取り組む方であれば、現在の学力に関係なく全力でサポートいたします。
確実に合格を目指したい方にとって、個別の会は安心して学べる最適な環境です。
まとめ
この記事では、大阪医科薬科大学薬学部をご紹介いたしました。
大阪医科薬科大学薬学部は長い歴史と伝統を誇る医療系大学であり、国際的な視野を持ちながら良質な教育・研究・医療の経験ができます。
大阪医科薬科大学薬学部に興味を持たれた方は是非検討してみてください。