近畿大学薬学部の対策方法や入試の傾向は?偏差値や倍率などの難易度も解説

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本記事では、近畿大学薬学部の各科目における入試傾向や対策方法について詳しく解説しています。
近畿大学薬学部を志望する受験生にとって重要な情報を網羅しており、入試の基本情報に加えて、科目ごとの特徴や効果的な勉強方法も紹介しています。
さらに、近畿大学薬学部の偏差値や難易度についても触れており、受験準備を進める上で役立つ情報が満載です。
これから近畿大学薬学部の受験を考えている方は、ぜひご一読ください。

近畿大学薬学部とは?

まずは、近畿大学薬学部の基本情報についてご紹介いたします。

基本情報

本校地(31、38、39号館) 〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
TEL (06)4307-3058
交通アクセス 近鉄大阪線 長瀬駅から徒歩約10分

近鉄奈良線 八戸ノ里駅から徒歩約20分

車の場合は、南東門を利用することが可能

収容定員 190名(計1,060名)
在学者数 男:408名 女:677名 

1,085名(令和6年5月1日現在)

近畿大学薬学部は、大阪府東大阪市小若江にある東大阪キャンパスに位置し、充実した交通アクセスを兼ね備えています。
キャンパスは、東大阪キャンパスのみで、31、38、39号館と3つの校舎に分かれています。
収容定員に対して安定した在籍者数が維持されており、男女比は女性が約6割強を占めています。

強み・特徴

近畿大学薬学部は、6年制の医療薬学科と4年制の創薬科学科の2つの学科で構成されており、それぞれが異なる専門性に応じた教育を行っています。
特に医療薬学科では、薬剤師の育成に特化したカリキュラムが整備されており、医療現場を想定した模擬薬局や模擬病棟を活用した実践的な教育が充実しています。
また、学内に設置された臨床薬学教育センターでは、実務に直結した学びが提供されており、即戦力となる薬剤師の養成に力を入れています。
さらに、私立大学ならではの少人数制指導により、一人ひとりに対してきめ細やかな指導が行われている点も大きな魅力です。
加えて、薬学部附属の高度先端総合医療開発センターとの連携により、研究や開発にも積極的に取り組むことができる環境が整っています。
そして、薬剤師国家試験では全国平均を上回る合格率を記録する年も多く、教育の質と安定した成果が近畿大学薬学部の大きな強みとなっています。

近畿大学薬学部の各科目の傾向と対策

次に近畿大学薬学部の各科目の傾向と対策について解説いたします。

英語

近畿大学薬学部の英語入試は、大問数は7問で、100点満点のマーク式で進行されます。
細かく見ていくと、会話文問題が6問、空所補充問題が6問、文法・語法問題が8問、言い換え問題が4問、語彙問題が5問、整序英作文問題が4問、最後に長文問題が7問となっています。
英語に関しては、マーク形式であるため、全学部共通の問題となっています。
試験時間は60分で、限られた少ない時間で多くの問題を解かなければならないため、時間配分と読解速度が合格の鍵となってきます。
どの年度も問題構成はほぼ変わっていないため、過去問の演習を繰り返して出題形式に慣れておきましょう。
対策としては、英語の基礎となる土台を作っていくことが重要です。
教科書を中心に語彙力や文法の知識を十分につけた後、問題集や過去問を使用して実践的な演習力を磨いていきましょう。
間違えた箇所をそのままにしておくのではなく、復習し完全に理解してから次のステップに進むようにしましょう。
また、自分の中で時間配分を明確にしておき、この問題は何分で解くという意識の下で問題に取り組むようにしましょう。
そうすることで、実際の試験時にも理想の時間配分で解き切ることが可能になります。

数学

近畿大学薬学部の数学入試は、大問数は3つで、100点満点のマーク式で進行されます。
薬学部の試験は、日程によって出題範囲が異なります。
細かく見ていくと、前期のA日程では、数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列・ベクトル)か数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル)のどちらか1つが出題されます。
また、前期のB日程と後期では、数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列・ベクトル)が共通で出題されます。
幅広い範囲から問題が出題されるため、各問題の計算量は多くなり、60分の試験範囲内で解くには正確性と速度が重要になってきます。
また、大問の小問内での計算がつながってくる問題があるため、計算ミスを最初の段階でしてしまうと大幅な得点の損失となってしまうため注意しましょう。
大問の数が大きくなるにつれ問題の難易度も高くなってくるため、難易度が高い問題により多くの時間を割けるように簡単な問題での時間ロスをしないことが求められます。
数学Ⅲが含まれる試験では、上記に示した範囲から主に出題され、大問3では数Ⅲの微積分や複素数平面が出題される傾向にあります。
対策としては、教科書を用いて基礎的な基盤を構築し、その後、問題演習を積み重ねて応用力を養うようにしましょう。
そして、過去問を繰り返し解き、出題形式に慣れておくようにしましょう。
また、間違えた問題や解が曖昧な問題がある際には、そのままにしておくのではなく必ず復習をし、次に出題されたときには必ず解けるようにしておきましょう。
自分に合った問題のペース配分を把握し、実際の試験の時に問題をスムーズに解き得点率を上げることができるような対策も大切です。

物理

物理は大問3題の出題で、マーク方式、試験時間は60分です。
出題範囲は「物理基礎、物理」で例年、電磁気と力学は必出で、もう1題は熱力学、波同のいずれかが出題されます。
ここ数年、原子分野からの出題は見られませんが、出題範囲には含まれますので、取り組んでおく方が良いでしょう。
文字式や計算式の処理の他にベクトルの分解と合成やグラフを扱う問題も頻出します。
難易度に関しては、教科書に沿った内容で標準的な問題です。
ただ計算処理が難しい問題や思考力を必要とする問題もあるので、試験時間の60分が短く感じられることもあるでしょう。
対策としては、教科書を中心に基礎をしっかり理解しておくことが大切です。
教科書に沿った問題集を使って、基本を徹底的に勉強し十分に理解を深めましょう。
また、過去問を解くことで出題の傾向が分かるので、過去問とそれに類似した問題は解いておくようにしましょう。
解答形式はマーク方式ですが、問題の最初の方で間違ってしまうと連鎖的に間違うような、誘導的な問題も出題されているので注意が必要です。
普段から、最後まできちんと計算して答えを出す習慣をつけておきましょう。

化学

化学は、大問4題の出題で、解答方式はマーク式、試験時間は60分です。
文章の中の空欄を選択肢から選ぶ問題が多く出題されます。
大問は、1つのテーマに沿って構成されており、総合的な考察力や知識を問う問題と、独立した小問があります。
長い文章を含んだような問題や、計算問題が多く含まれます。
範囲は「化学基礎、化学」で無機・有機・理論と満遍なく出題されます。
難易度は、標準的なものが多いですが、細かい知識を問う問題もみられます。
解答に時間のかかる計算問題も出題される場合があるので、60分という試験時間は決して余裕のあるものではありません。
化学の対策として、理論・無機・有機に分けて考えてみましょう。
理論分野に関しては、出題範囲からまんべんなく出題されるので、教科書に沿った問題集を繰り返し解いて基本的な知識と解法を身につけておきましょう。
空欄を埋める問題が多いですが、物質名や化学式だけでなく、原理や理論の背景をきちんと把握しておきましょう。
無機に関しては、陽イオンの分析、気体の製法、金属と酸の反応が頻出です。
教科書の隅々まで目を通して置くことが大切です。
有機に関しては、芳香族・脂肪族化合物を中心に元素分析や反応性を問う問題が多いので、物質の名前と構造式、性質や反応名、触媒や反応条件などを学習しておきましょう。

生物

生物は、大問4題、解答方式は全問マーク方式で、試験時間は60分です。
正しい文の組み合わせや、空欄補充の問題が多く出題され、計算問題も出題されます。
出題範囲は「生物基礎・生物」で代謝の範囲が頻出です。
難易度に関しては、標準レベルですが、詳しい知識を問う問題も出ます。
試験時間に対して小問数が多いため、時間配分が大切です。
生物の対策に関しては、教科書の内容をまずは定着させましょう。
各種模試などの受験を通して知識を身につけることも有効です。
文章選択形式の問題に関しては、正確な知識が必要なため、教科書を中心に丁寧に復習することが大切です。
計算問題に関しては、特殊なものは出ないので、遺伝、代謝などの分野の典型的な計算問題をしっかり学習しておきましょう。

近畿大学薬学部の勉強をするうえでのポイント

近畿大学薬学部に合格するための勉強をする上でのポイントについて詳しく解説します。

対策を行う前に入試情報を分析

まずは、学習対策を行う前に入試情報の分析が大切です。
入試概要や日程を把握し、併願の大学との日程調整を行うことで無理のない受験スケジュールを組みましょう。
また早い段階で、どのような受験方法があるのかを調べておくことも有用です。
なぜなら昨今、大学受験の方式は多様化しているからです。推薦入試があるのか、共通テスト利用ができるのか、判定方法は、どのようなものか等を知っておくことで、受験へのアプローチの方法が複数あり、自分にとってどれが有利なのかを知ることが出来るのです。

頻出問題や傾向を把握したうえで学習する

次に、出題傾向を把握し、頻出問題を分析したうえで学習を進めていきましょう。
近畿大学薬学部の入試問題には、毎年ある程度決まったパターンが見られるのが特徴です。
難易度や出題内容に大きな変化が少ないため、過去の傾向をもとに効率的な学習計画を立てることが可能です。
特に、過去問題を繰り返し解くことは、自分の苦手な分野や間違えやすいポイントを把握するうえでも非常に効果的です。
出題に一定の傾向があるからこそ、過去問題を徹底的に活用することで、合格に近づくことができるでしょう。

科目ごとに自身の傾向を把握する

次に、科目ごとに自分自身の苦手やミスをしやすい問題などの傾向を把握することが大切です。
各科目の傾向と対策は先に解説していますので、参考にしていただき、実際に過去問などを解くことで、自分自身の傾向を知って下さい。
そこを知ることで、数学理科の選択科目をどれにするのが良いのかがおのずと見えてくるはずです。

間違いをそのままにしない

受験対策だけでなく日頃の勉強にも同じことが言えますが、間違いをそのままにしていてはいけません。
なぜ間違えたのかを分析し、同じような問題を間違えないように取り組むことで、自分自身の弱点を克服することができます。

いつから勉強するか逆算する

受験勉強を成功させるためには、「いつから何を勉強するか」を明確にし、計画的に学習を進めることがとても大切です。
大学受験に合格するためには、一般的に高校3年間でおよそ3,000時間の勉強が必要だと言われています。
受験勉強を始める時期は人それぞれですが、多くの人が本格的に意識し始めるのは高校2年生からです。
週に20時間以上の学習を目安に、無理なく続けられる学習スケジュールを立てましょう。
スケジュール管理が苦手な人や、何から手をつければよいか分からないという人は、予備校や塾に相談するのもおすすめです。
予備校や塾には受験に関する豊富なノウハウがあり、個々の状況に応じた学習計画の立て方やアドバイスを提供してくれます。
自分に合った環境をうまく活用し、計画的に学習を進めることが合格への近道です。

近畿大学薬学部の入試概要

次に近畿大学薬学部の入試概要について詳しく解説します。

入試日程

以下は近畿大学薬学部の2026年度の入試日程です。
なお、最新の情報については大学の公式ウェブサイトをご確認ください。

推薦入試一般公募制
出願期間 2025年11月1日(土)~ 11月14日(金) 当日消印有効
試験日 2025年11月22・23日(土・日)
合格発表日 2025年12月3日(水)

 

一般前期(A日程) 一般前期(B日程) 一般後期
出願期間 2026年1月3日(土)~ 1月16日(金) 当日消印有効 2026年1月3日(土)~ 2月2日(月) 当日消印有効 2026年2月3日(火)~ 3月1日(日) 当日消印有効
試験日 2026年1月24・25日(土・日) 2026年2月13・14日(金・土) 2026年3月8・9日(日・月)
合格発表日 2026年2月4日(水) 2026年2月25日(水) 2026年3月19日(木)

 

共テ利用(前期) 共テ利用(中期) 共テ利用(後期)
出願期間 2026年1月3日(土)~ 1月16日(金) 当日消印有効 2026年1月3日(土)~ 2月12日(木) 当日消印有効 2026年2月3日(火)~ 3月9日(月) 当日消印有効
試験日 大学入学共通テストの結果のみで判定
合格発表日 2026年2月17日(火) 2026年2月25日(水) 2026年3月19日(木)

この日程を参考にして、受験計画を立てる際には各試験方式や日程の違いを考慮しましょう。

入試方式

近畿大学薬学部では、多様な受験生に対応するため、複数の入試制度が設けられています。
主な入試方法には「一般入試」「大学入学共通テスト利用入試」「推薦入試(一般公募制)」の3つがあります。
まず、一般入試では、英語・数学・理科の3科目で選抜されます。
理科は物理、化学、生物の中から1科目を選択します。
また、「スタンダード方式」と「高得点科目重視方式」の2通りの判定方法があり、得意科目を活かした受験が可能です。
次に、大学入学共通テスト利用方式では、共通テストの成績をもとに判定され、前期・中期・後期の3つの日程があります。
令和8年度入試から中期日程において〈3教科5科目型〉、後期日程において〈4教科5科目型〉が導入され、これにより、受験生は自分の得意科目に合わせた受験が可能となります。
また、推薦入試(一般公募制)も実施されており、これは高校長の推薦を受けた生徒が対象です。
英語と理科(化学または生物)による筆記試験と、調査書をもとに総合的に評価されます。

近畿大学薬学部の偏差値・倍率は?

次に、近畿大学薬学部の偏差値・倍率についてご紹介していきます。

偏差値

学科 偏差値
医療薬学科 55.0
創薬科学科 52.5

近畿大学薬学部の最新の偏差値は52.5-55.0です。
学科別でみると医療薬学科の偏差値は55.0、創薬科学科の偏差値は52.5となっています。
近畿大学薬学部は、全国に58校ある私立大学の薬学部の中で6位にランクインしており、非常にレベルの高い大学と評価されています。
年度によっては、私立薬学部の偏差値ランキングでトップ5に入ることもあり、難関校として広く知られています。
特に、薬学部の上位校は関東圏に集中している傾向がありますが、その中で近畿大学薬学部は関西圏における有力な選択肢として、多くの受験生から高い支持を集めています。
関西で難易度の高い私立大学薬学部を目指す場合、近畿大学薬学部は有力な進学先のひとつです。
また、近畿大学薬学部は歴史と実績もあり、薬学部志望の学生の間ではよく知られた存在です。
そのため、受験にあたっては相応の学力が求められ、事前にしっかりとした対策を立てて臨むことが重要です。

倍率

過去2年間の一般入試の倍率を以下にまとめました。

2025年度 2024年度
学科 志願者 受験者 合格者 倍率 志願者 受験者 合格者 倍率
医療薬前期A日程スタンダード 631 611 152 4.0 666 649 141 4.6
医療薬前期B日程スタンダード 482 337 42 8.0 505 378 47 8.0
医療薬後期 126 114 10 11.4 233 205 10 20.5
創薬科学前期A日程スタンダード 254 247 48 5.1 221 218 47 4.6
創薬科学前期B日程スタンダード 145 122 16 7.6 102 78 14 5.6
創薬科学後期 62 56 4 14.0 54 48 7 6.9

医療薬学科の後期入試倍率は、前年の20.5倍から11.4倍へと大幅に低下し、競争はやや緩和された様子がうかがえます。
一方で、創薬科学科は創薬科学科の全日程で倍率が上昇しており、特に後期日程の競争が激化したことがわかります。

レベルが近い大学との比較

近畿大学薬学部と偏差値が近い関西圏の私立薬学部を比較します。

大学名 偏差値
近畿大学薬学部 52.5-55.0
立命館大学薬学部 55.0
大阪医科薬科大学薬学部 47.5-50.0
京都薬科大学薬学部 52.5-55.0

近畿大学薬学部の偏差値は52.5-55.0で、京都薬科大学とほぼ同じレベルに位置しています。
両大学とも関西圏の中堅から上位クラスの薬学部として人気が高く、伝統や教育内容に強みがあります。
一方、立命館大学薬学部は偏差値55.0とやや高めで、研究環境やブランド力の評価も高いため、受験の難易度は少し高い傾向にあります。
大阪医科薬科大学は47.5-50.0とやや低めの偏差値ですが、医療現場との連携が強く、実践的な教育が充実しているため志望者にとって魅力的な大学です。
偏差値は受験の難易度や競争率の目安となるため、この情報を参考に効率的な受験対策を進めることが重要です。

近畿大学薬学部対策をするなら個別の会

近畿大学薬学部を目指す受験生にとって、予備校や塾の活用は非常に重要です。
特に近畿大学薬学部は、医療薬学科(6年制)と創薬科学科(4年制)を有し、入試科目や選抜方式が多岐にわたるため、個別指導による受験勉強が効果的です。
「個別の会」は、近畿大学薬学部をはじめとする各大学の入試に特化した個別指導塾であり、過去問演習を通じて効率的に学力を伸ばせるほか、苦手科目も基礎から丁寧に指導いたします。
予備校や塾選びでお悩みの受験生や保護者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回の記事では、近畿大学薬学部の入試や偏差値について詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
近畿大学薬学部は早期体験学習や医療連携教育などに特化した医療薬学科と化学や生物学や物理化学を手広く学習しつつ、生命科学をより深く理解する力を培える講義や実習が豊富な創薬科学科があり、さらに併設された医学部や病院でより実践的な教育を受けることが出来るのが大きな魅力です。
それぞれの学科には、求められる資質や適性がありますので、自分の興味や将来の目標に合わせて志望学科を選ぶことが大切です。
薬学部を目指す受験生の皆さんにとって、この記事が志望校選びや受験対策の一助となれば幸いです。
ぜひ、自分に合った進路を見つけて、目標に向かって前向きに取り組んでください。