理科の電流と回路を基礎から学ぶ|直列・並列つなぎの電流の求め方まで
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カテゴリ:勉強・対策
電流と回路は、中学理科の中でも多くの人が苦手にしやすい単元です。
本記事では、電流・電圧・抵抗の基本から、オームの法則、直列つなぎ・並列つなぎの電流や電圧の求め方までをわかりやすく解説します。
回路図の読み取り方や計算問題の考え方も丁寧に整理しながら、基礎知識の理解から応用問題への対応まで、体系的に学べる内容となっています。
- 電流と電気回路の基礎知識
- 直列回路と並列回路の仕組み
- 直列・並列回路の電流の求め方
電流と電気回路の基礎知識

私たちの身の回りの電化製品は、電流と電気回路のしくみを利用して動いています。
中学理科では、電流・電圧・抵抗といった基本概念や、電気回路のしくみについて学習します。
ここでは、電流の定義や回路図の読み方を確認しながら、電流と電気回路の基礎知識をわかりやすく整理していきます。
電流とは何か
電流とは、電気が流れる現象のことで、実際には電子が移動することで電流が生じています。
金属の導線の中では、マイナスの電気をもつ電子が移動しており、この電子の流れによって電気製品が動きます。
なお、理科では「電流の向き」を電子の移動する向きとは反対向きに考えるという決まりがあります。
電流の大きさは「A(アンペア)」という単位で表され、流れる電気の量が大きいほど数値も大きくなります。
たとえば、ドライヤーや電子レンジのように多くの電気を使う製品では、大きな電流が流れています。
私たちの身の回りでは、スマートフォンの充電器やテレビ、照明など、さまざまな電化製品で電流が利用されています。
電流のしくみを理解することは、電気回路を学ぶうえでの基本となります。
電気回路の基本構成
電気回路は、電流が流れる道すじのことで、主に「電源」「導線」「抵抗(電球など)」「スイッチ」といった要素で構成されています。
電源は電気を送り出す役割をもち、導線は電流を流すための通り道になります。
抵抗は電気エネルギーを光や熱などに変える部分で、電球やモーターなどがこれにあたります。
また、スイッチは電流を流したり止めたりする役割をもっています。
理科では、実際の部品を簡単な記号で表した「回路図」を用いて回路を考えます。
たとえば、電池や電球、スイッチにはそれぞれ決まった記号があり、回路図を読むことで電流の流れ方を理解しやすくなります。
また、回路には「閉回路」と「開回路」があります。
電流が途切れず流れる状態を閉回路といい、電球が点灯します。
一方、スイッチが開いているなど、回路が途中で切れて電流が流れない状態を開回路といいます。
これらの違いを理解することが、電気回路の学習の基本となります。

直列回路の仕組みと電流の性質

中学理科では、直列回路における電流や電圧の性質を理解することが重要であり、回路計算の基本にもなります。
ここでは、直列回路の特徴や回路図の見方を確認しながら、直列回路における電流の法則についてわかりやすく解説していきます。
直列回路とは
直列回路とは、電流が流れる道が1本だけの回路のことです。
回路の途中に枝分かれがなく、電池や豆電球などの部品が一列につながっているのが特徴です。
電流は回路全体を同じ順番で流れていくため、回路のどの場所でも流れる電流の大きさは同じになります。
たとえば、2個の豆電球を1本の道すじにつないだ回路は、直列回路の代表的な例です。

このように、電流が流れる道が1本しかないため、途中で1つの豆電球が切れると回路全体に電流が流れなくなり、すべての豆電球が消えてしまいます。
直列回路は、電流や電圧の性質を学ぶうえで基本となる回路であり、回路図の読み取りや計算問題でもよく使われます。
直列回路の電流の特徴
直列回路では、回路のどの場所で電流を測っても、電流の大きさはすべて同じになります。
これは、直列回路には枝分かれがなく、電流が流れる道が1本しかないためです。
電流は回路全体を順番に流れていくので、途中で分かれたり減ったりすることがありません。
たとえば、電池と2個の豆電球を直列につないだ回路で電流計を使って測定すると、電池の近くでも豆電球の間でも、同じ値の電流が流れていることが分かります。

このように、直列回路では回路全体で電流の大きさが一定になります。
たとえば、「回路のある場所で0.5Aの電流が流れている」と分かれば、回路のほかの場所でも同じ0.5Aの電流が流れていると考えることができます。
この性質は、直列回路の計算問題を解くうえで非常に重要なポイントになります。
並列回路の仕組みと電流の分流

中学理科では、並列回路における電流の分流や電流の法則を理解することが重要です。
ここでは、並列回路の基本的なしくみや直列回路との違いを確認しながら、電流がどのように分かれて流れるのかをわかりやすく解説していきます。
並列回路とは
並列回路とは、電流が流れる道が途中で枝分かれしている回路のことです。
直列回路とは違い、電流が複数の道に分かれて流れるため、それぞれの部品に別々に電流が流れるという特徴があります。
たとえば、2個の豆電球を枝分かれするようにつないだ回路は、並列回路の代表的な例です。

このように、電流が通る道が2本に分かれているため、片方の豆電球が切れても、もう一方には電流が流れ続けます。
並列回路は、私たちの身の回りでも多く利用されています。
たとえば、家庭の電気配線は並列回路になっており、部屋の照明やコンセントがそれぞれ独立して使えるようになっています。
もし1つの電球が切れても、ほかの電化製品が使えるのは、並列回路のしくみが利用されているためです。
並列回路の電流の法則
並列回路では、電流が枝分かれした道に分かれて流れるという特徴があります。
そのため、電池から流れ出た全体の電流は、それぞれの枝を流れる電流の和になります。
並列回路の電流の法則は、次のように表されます。
A = B + C
たとえば、電池から流れる全体の電流が0.8Aで、1つ目の枝に0.3A流れている場合、もう1つの枝には0.5A流れていることになります。

これは、水の流れが分かれる様子と似ています。
1本の道を流れてきた電流が、枝分かれした部分で複数の道に分かれて流れるため、それぞれの枝で電流の大きさが変わるのです。
並列回路では、「全体の電流=枝の電流の和」という関係を理解することが、計算問題を解く重要なポイントになります。
直列・並列回路の電流の求め方と計算問題

直列回路と並列回路では、電流の流れ方や計算方法に違いがあります。
回路問題を正しく解くためには、それぞれの回路の特徴を理解し、電流の法則を使い分けることが重要です。
ここでは、直列回路・並列回路の電流の求め方を、実際の計算問題を通してわかりやすく解説します。
さらに、オームの法則の基本的な使い方も確認しながら、基礎から段階的に理解を深めていきましょう。
直列回路の電流計算
直列回路の電流を求めるときは、「オームの法則」を利用します。
オームの法則とは、電圧・電流・抵抗の関係を表した法則で、次の式で表されます。
V = IR
V:電圧(V)
I:電流(A)
R:抵抗(Ω)
電流を求める場合は、式を次のように変形します。

たとえば、6Vの電池に、合計の抵抗が3Ωの直列回路をつないだ場合を考えてみましょう。
電圧:6V
抵抗:3Ω
このとき、オームの法則に当てはめると、

となるため、流れる電流は2Aになります。
直列回路では、回路全体を流れる電流はどこでも同じなので、求めた2Aの電流が回路全体に流れていることになります。
計算問題では、「電圧」と「抵抗」の値を整理してから公式に当てはめることがポイントです。
並列回路の電流計算
並列回路では、電流が枝分かれして流れるため、それぞれの枝に流れる電流を求めてから、全体の電流を計算します。
電流を求めるときは、直列回路と同じようにオームの法則を利用します。

並列回路では、各枝にかかる電圧は同じになるという特徴があります。
たとえば、6Vの電池に、3Ωと6Ωの抵抗を並列につないだ回路を考えてみましょう。
上の枝:3Ω
下の枝:6Ω
電圧:6V
まず、それぞれの枝に流れる電流を求めます。
上の枝の電流

よって、2A流れます。
下の枝の電流
![]()
よって、1A流れます。
並列回路では、全体の電流は各枝の電流の和になるため、
2A + 1A = 3A
となり、全体の電流は3Aになります。
このように、並列回路では「各枝の電流を求める → 最後に合計する」という順番で考えることが、計算問題を解くポイントです。
混合回路(直列と並列の組み合わせ)
混合回路とは、直列回路と並列回路が組み合わさった回路のことです。
回路が複雑に見えても、「どの部分が直列で、どの部分が並列か」を整理して考えることで、電流を求められるようになります。
混合回路では、まず並列部分と直列部分を分けて考えることがポイントです。
回路全体を一度に計算しようとせず、簡単な部分から順番に整理していきます。
たとえば、次のような回路を考えてみましょう。
┌─ 3Ω ─┐
6V ─ 2Ω ├──
└─ 6Ω ─┘
この回路では、3Ωと6Ωの部分が並列回路になっており、その前に2Ωの抵抗が直列につながっています。
まず、並列部分の電流を求めます。
上の枝(3Ω)
![]()
下の枝(6Ω)
![]()
並列部分では、全体の電流は枝の電流の和になるため、
2A + 1A = 3A
となります。
そして、直列部分では電流はどこでも同じなので、2Ωの抵抗にも3Aの電流が流れていることが分かります。
このように、混合回路では「並列部分を先に計算する → 全体の電流を求める → 直列部分へつなげて考える」という順番で整理すると、複雑な問題も解きやすくなります。
よくある質問

電流と回路の学習では、「直列回路と並列回路の違いが分からない」「電流の計算方法を覚えられない」といった疑問をもつ人も多くいます。
ここでは、電流や電気回路に関してよくある質問をQ&A形式でまとめました。
計算問題のコツや回路の考え方など、つまずきやすいポイントをわかりやすく解説しながら、理解を深めていきましょう。
直列つなぎと並列つなぎの電流の強さはどう違う?
直列つなぎと並列つなぎでは、電流の流れ方に大きな違いがあります。
直列つなぎでは、電流が流れる道が1本しかないため、回路のどこを流れる電流も同じ大きさになります。
電流は途中で分かれることなく、すべての部品を順番に流れていくからです。
0.4A → [豆電球] → 0.4A → [豆電球]
一方、並列つなぎでは、回路が枝分かれしているため、電流が複数の道に分かれて流れます。
そのため、全体の電流は各枝の電流の和になります。
0.2A
┌──→──┐
0.5A ├──
└──→──┘
0.3A
たとえば、家庭の照明やコンセントは並列回路になっています。
これは、それぞれの電化製品に必要な電流を分けて流せるようにするためです。
もし直列回路になっていると、1つの機器が止まるだけで全体に電流が流れなくなってしまいます。
このように、直列回路では「電流はどこでも同じ」、並列回路では「電流は枝分かれして分流する」という違いがあります。
回路の構造を理解することが、電流の強さを考えるポイントになります。
並列回路で抵抗が異なる場合の電流の求め方は?
並列回路では、枝ごとに抵抗の大きさが異なると、流れる電流の大きさも変わります。
抵抗が小さい枝には大きな電流が流れ、抵抗が大きい枝には小さな電流が流れるのが特徴です。
電流を求めるときは、オームの法則を使います。

並列回路では、各枝にかかる電圧は同じなので、それぞれの枝ごとに電流を計算します。
たとえば、6Vの電池に3Ωと6Ωの抵抗を並列につないだ場合を考えてみましょう。
┌─ 3Ω ─┐
6V ──┤ ├──
└─ 6Ω ─┘
まず、3Ωの枝の電流を求めます。
![]()
次に、6Ωの枝の電流を求めます。
![]()
したがって、全体の電流は、
2A + 1A = 3A
となります。
また、並列回路では「合成抵抗」という考え方も重要です。
並列回路では枝が増えるほど電流が流れやすくなるため、回路全体の抵抗は、それぞれの抵抗より小さくなります。
問題によっては、先に合成抵抗を求めてから全体の電流を計算する場合もあります。
このように、抵抗が異なる並列回路では、「各枝の電流を別々に求める」ことが計算の基本になります。
電流と電圧の関係がわからない時はどうする?
電流と電圧の関係が分からなくなったときは、「オームの法則」を確認しましょう。
オームの法則は、電圧・電流・抵抗の関係を表す基本公式です。
V = IR
V:電圧(V)
I:電流(A)
R:抵抗(Ω)
たとえば、電圧が6V、抵抗が3Ωなら、
![]()
となり、電流は2Aになります。
計算で迷ったときは、「何を求めるのか」「分かっている数値は何か」を整理してから公式に当てはめることがポイントです。
まずは「電圧=電流×抵抗」を基本として覚えると、計算しやすくなります。
まとめ

電流と回路では、直列回路と並列回路の特徴を理解することが重要です。
直列回路では電流はどこでも同じになり、並列回路では電流が枝分かれして流れます。
また、オームの法則を使うことで、電圧・電流・抵抗の関係を計算できるようになります。
回路問題は、回路の構造を整理しながら考えることがポイントです。
まずは基本的な回路図や公式に慣れ、簡単な計算問題から繰り返し練習して理解を深めていきましょう。
この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹

関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。