兵庫医科大学薬学部の入試傾向や対策方法とは?偏差値や倍率、入試情報についても解説

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カテゴリ:学校情報

本記事では、兵庫医科大学薬学部の各入試科目ごとの傾向や対策方法について詳しく解説しています。
入試情報はもちろん、偏差値や倍率についてもまとめているため、兵庫医科大学薬学部の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

兵庫医科大学薬学部とは?

まずは兵庫医科大学薬学部の基本情報についてご紹介いたします。

基本情報

神戸キャンパス 〒650-8530 兵庫県神戸市中央区港島1丁目3番地6
TEL 078-304-3000(代)
交通アクセス 【電車】ポートライナー「三宮」駅より「みなとじま(キャンパス前)」駅下車 徒歩約10分

【バス(三宮駅)】「ポーアイキャンパス線三宮バス停」から「ポーアイキャンパス行」乗車約12分、「ポーアイキャンパス東バス停」下車すぐ

【バス(神戸駅)】「神戸駅南口」から「ポーアイキャンパス行」乗車約15分、「ポーアイキャンパス東バス停」下車すぐ

収容定員 150名(計900名)
在籍者数 男:298名 女:440名 

738名(2024年5月1日現在)

薬学部がある神戸キャンパスは、神戸ポートアイランドの北西部に位置しており、神戸の美しい海や山を一望できる、自然に恵まれた快適なロケーションにあります。
この心地よい環境は、落ち着いて学びながら、充実した学生生活を送るのに最適な場所といえるでしょう。

どんなところ?特徴とは?

兵庫医科大学は、1972年に医学部単独の大学として設立され、長年にわたり医師の養成に特化してきました。
しかし、近年の医療現場では多職種連携の重要性が高まっており、兵庫医科大学もそれに応じて医療系総合大学へと発展を遂げています。
その取り組みの一環として、2022年4月には同じ学校法人内での統合を経て薬学部を新設しました。
これにより、医学部・看護学部・リハビリテーション学部と連携した教育体制が整い、実践的なチーム医療教育を重視したカリキュラムが展開されています。
薬学の専門知識だけでなく、他の医療職と連携・協働できる力を養うことを目指した、時代のニーズに即した教育が行われています。
また、兵庫医科大学薬学部では、兵庫医科大学病院で実際に臨床に携わる医師が教員として授業を担当しており、最新の医療現場に基づいた実践的な学びを提供しています。
さらに、教員陣には病院薬剤師や薬局薬剤師といった実務家に加え、企業での勤務経験を持つ研究者も多く在籍しており、その経歴は非常に多様です。
こうした各分野の専門家によって構成された教育体制のもと、学生はより専門的で実践的な薬学教育を受けることが可能です。現場に即したリアルな知識と経験を取り入れた授業は、将来の薬剤師としての実力をしっかりと養う土台となります。

兵庫医科大学薬学部のに合格するために必要な勉強時間

兵庫医科大学薬学部に合格するためには、おおよそ3,000時間程度の学習が目安とされています。
高校1年生から少しずつ始めるのが理想で、「思い立ったときが始め時」と言えるでしょう。
勉強時間の目安としては、高1では平日1時間・休日2〜3時間、高2では平日3時間・休日4〜5時間、高3では平日4時間・休日7時間程度が理想です。
長期休暇中も、課題とは別に毎日数時間の勉強時間を確保しましょう。
受験科目や進度によって必要な時間は前後しますが、兵庫医科大学薬学部のような難関私大に合格するためには、日々の授業対策と並行して、計画的な受験勉強を積み重ねていくことが重要です。

兵庫医科大学薬学部の各科目の入試傾向と対策

次に兵庫医科大学薬学部の各科目の入試傾向と対策について解説いたします。

英語

兵庫医科大学薬学部では英語は前期日程のみ課されます。
大問4~5題で構成され、全問マークシート方式、試験時間は60分です。
ここ数年は主に読解問題と文法・語彙問題が中心ですが、過去には発音問題が出題されたこともあります。
読解問題では、内容説明、内容真偽、空所補充、同意表現などがよく出題されます。
読解文の分量が多く、設問数も多いため、読解力と速読力がないと全問を解くのは難しい構成です。
英文のテーマは多岐にわたるため、日頃からさまざまなジャンルの英文に触れておくことが重要です。
文法・語彙問題は、空所補充や語句整序が中心で、内容自体は標準的なレベルです。
ただし、読解問題では一見もっともらしく見えるが本文と一致しない選択肢が含まれることもあるため、選択肢と本文を慎重に照らし合わせる力も求められます。
対策としては、60分間で300~400語の長文が2題、または700~800語の長文1題が出題される傾向にあるため、読解力・速読力の養成が鍵になります。
教科書の予習・復習を徹底するとともに、長文読解問題集を活用して読解の基礎力をつけましょう。
さらに、兵庫医科大学だけでなく、他大学の入試問題にも触れて、さまざまなジャンルの英文に慣れておくことが望まれます。
また、語彙力強化も重要です。
市販の単語帳を活用し、語彙を意識的に増やす努力をしましょう。
文法については、基本的な問題集を1冊しっかりと仕上げ、頻出パターンを確実に押さえておくことが大切です。
最後に、過去問を試験時間内で解く練習を通して、時間配分の感覚を身につけ、自分の弱点を明確にしながら対策を重ねていくことが、合格への近道となります。

数学

兵庫医科大学薬学部では数学は前期A日程と中期日程のみ課されます。
大問3~4題で構成され、全問マークシート方式、試験時間は60分です。
出題範囲は「数学Ⅰ・Ⅱ・A」で、大問1は小問集合として幅広い分野から出題され、大問2以降では、場合の数や図形に関する問題などが出題されています。
難易度に関しては、教科書の例題から章末問題レベルの標準的な内容が中心ですが、問題数が多く、時間内にすべて解ききるにはスピードと効率が求められます。
そのため、できる問題から着実に解いていく判断力も重要です。
対策としては、まず教科書の内容をしっかり理解し、傍用問題集などで基本的な問題を繰り返し解くことが基本です。
公式や定理の使い方を身につけるには、類題演習の反復とミスの見直しが効果的です。
また、試験時間に対して計算量が多いため、普段から時間を計って演習する習慣をつけておきましょう。
一問一問はそれほど難しくなくても、全体としては時間との勝負になります。
計算過程を整理して書くクセをつけておけば、ミスを防ぎ、見直しもしやすくなります。
全体としては、基本を固めたうえで、時間管理力と計算力を高めることが合格への鍵となります。

化学

化学は全日程で課されます。
大問5題で構成され、試験時間は60分です。
計算問題の解答では、選択肢の数値を選ぶ形式と数値を直接マークする形式があります。
出題範囲は「化学基礎・化学」で、理論化学の出題が最も多く、次いで有機化学、無機化学はやや少なめとなっています。
ただし、有機・無機の分野でも理論的な計算問題が出されることがあり、幅広い対策が求められます。
難易度は教科書レベルの知識と理解で対応できる基本~標準レベルが中心で、試験時間に対して問題の分量は十分こなせる程度です。
対策としては理論分野はどの単元からもまんべんなく出題されるため、苦手を残さないように計画的な学習を進めましょう。
中和反応では「水素イオンの物質量=水酸化物イオンの物質量」という関係式を使いこなせるようにし、pH計算や化学平衡では、物質量の変化を表にまとめると理解しやすくなります。
原子の構造や電子配置は、周期表と関連づけて整理しておくと効果的です。
有機はアルコールとその誘導体、ベンゼンとその誘導体についてよく出題されます。
エチレンやエタノールなどの脂肪族、ベンゼン・フェノール・サリチル酸などの芳香族は頻出であるため、これらの物質の合成や、誘導される各化合物の反応系統図を自分で作成し、物質に名前や構造式、性質、反応名などを記入しながら学習することで、出題傾向に即した効率的な学びが可能になります。
無機は理論や有機に比べて出題数は少ないものの、油断せずにしっかりと対策しておくことが重要です。
特に、周期表と関連づけて同族元素の性質や化合物の特徴を整理しながら覚えることで、効率的な学習が可能になります。
また、気体の製法、沈殿反応、金属と酸の反応など、化学反応式を自力で書けるように演習を重ねることも大切です。
無機分野は暗記が中心になるため、表やカードを活用して情報を視覚的に整理する学習法が効果的です。
繰り返しの学習で確実に知識を定着させましょう。

兵庫医科大学薬学部の入試概要

次に兵庫医科大学薬学部の入試概要をご紹介いたします。

試験科目・配点

2026年度一般選抜入試の試験科目・配点についてまとめました。

入試種別 教科・科目 配点
前期A日程 外国語「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ、論理・表現Ⅰ」 100点
数学「数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A」 100点
理科「化学基礎・化学」 200点
前期B日程 外国語「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ、論理・表現Ⅰ」 100点
理科「化学基礎・化学」 200点
中期日程 理科「化学基礎・化学」 200点
数学「数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A」 100点
後期日程 理科「化学基礎・化学」 200点
小論文「薬学や薬剤師に関連するテーマ」 100点

兵庫医科大学薬学部の一般選抜では、「英語」「数学」「化学」の中から2~3科目の学力試験が課されます。
中でも理科の「化学」が最も高い配点比率となっており、合否に大きく影響する重要科目です。
そのため、化学を中心にバランスよく対策を進めていくことが合格への鍵となります。

合格最低点

過去3年間の兵庫医科大学薬学部の一般選抜入試の合格最低点をまとめました。

入試種別 2025年度 2024年度 2023年度
前期日程(3科目型) 139/400 190/400 172/400
前期日程(2科目型) 118/300 135/300 132/300
中期日程 104/300 135/300 90/300
後期日程 117/300 173/300 149/300

前期3科目型では、2024年度の合格最低点が190点と最も高かったのに対し、2025年度は139点と大きく下落しました。
前期2科目型は例年130点台で推移しており、2025年度も118点と比較的低い水準にとどまっています。
中期日程は年による変動が大きく、2023年度は90点と非常に低かったものの、2024年度には135点まで急上昇し、2025年度は再び104点へと下がりました。
後期日程に関しては、例年150点前後で安定していましたが、2025年度は117点と、前年度の173点から大きく低下しています。
全体的に見て、2025年度は複数の入試方式で合格最低点が下がっており、受験生にとってはややチャンスの年だったといえるでしょう。
各方式によって必要な得点率が大きく異なるため、自分の得意科目や学習状況に応じた入試方式の選択が、合格への重要な戦略となります。

入試日程

以下は兵庫医科大学薬学部の2026年度の一般選抜・共通テスト利用の入試日程です。
なお、最新の情報については大学の公式ウェブサイトをご確認ください。

一般選抜  前期A日程 前期B日程 中期日程 後期日程
出願期間 2026年1月5日(月)~

2026年1月19日(月) 消印有効

2026年1月26日(月)~2026年2月12日(木) 消印有効 2026年2月12日(木)~2026年2月25日(水) 消印有効
試験日 2026年2月2日(月) 2026年2月3日(火) 2026年2月18日(水) 2026年3月4日(水)
合格発表日 2026年2月12日(水) 2026年2月24日(火) 2026年3月11日(水)
入学手続締切日 第1次入学手続期限 

《入学金の納入期限》

2026年2月20日(金)

第2次入学手続期限

《学費等納入及びその他の期限》

2026年3月10日(火) 消印有効

2026年3月10日(火) 消印有効 2026年3月17日(火) 消印有効

 

共通テスト利用 前期日程 後期日程
出願期間 2026年1月5日(月)~2026年1月16日(金) 消印有効 2026年2月12日(木)~2026年2月25日(水) 消印有効
試験日 大学入学共通テスト実施期日:2026年1月17日(土)・18日(日)
合格発表日 2026年2月12日(木) 2026年3月11日(水)
入学手続締切日 第1次入学手続期限 

《入学金の納入期限》

2026年2月20日(金)

第2次入学手続期限 

《学費等納入及びその他の手続期限》

2026年3月10日(火) 消印有効

2026年3月17日(火) 消印有効

兵庫医科大学薬学部では、受験生が柔軟に受験戦略を立てられるよう、さまざまな入試方式やスケジュールが用意されています。
複数の日程が設定されているため、他大学との併願や日程の調整もしやすくなっているのが特徴です。

兵庫医科大学薬学部の難易度は?

続いて兵庫医科大学薬学部の難易度について見てみましょう。

偏差値

入試方式 偏差値
前期3科目 40.0
前期2科目 40.0
中期 40.0

兵庫医科大学薬学部医療薬学科の偏差値は40.0、共通テスト利用入試のボーダー得点率は50%とされています。
偏差値はすべての入試方式で共通しており、方式による難易度の大きな差は見られません。
同じ兵庫医科大学の医療系学部と比較すると、医学部(偏差値62.5)、看護学部(50.0)、リハビリテーション学部(42.5〜50.0)に比べて、薬学部は相対的に受験しやすい学部と言えるでしょう。
ただし、比較的受験しやすいとはいえ、一般選抜の個別学力検査では難問が含まれることもあるため、合格には一定以上の学力が求められます。
基礎をしっかり固めた上で、応用問題への対応力も身につけておくことが重要です。

倍率

次に倍率についてまとめました。

学部/学科 入試名 2024年度 2023年度 2022年度
薬学部 全選抜合計 1.4 1.2 1.1
薬学部 一般選抜合計 1.5 1.2 1.2
薬学部 学校推薦型選抜合計 1.3 1.1 1.1
薬学部 総合型選抜合計 1.4 1.2
薬学部 共テ合計 1.2 1.3 1.4
薬学部

 /医療薬学科

前期3科目型 1.6 1.3 1.1
薬学部

 /医療薬学科

前期2科目型 1.5 1.3 1.1
薬学部

 /医療薬学科

共テ前期 1.2 1.2 1.3
薬学部

 /医療薬学科

共テ後期 1.4 1.6 1.0

兵庫医科大学薬学部の入試倍率は、2022年度から2024年度にかけて全体的に1.0倍〜1.6倍の範囲で推移しており、私立薬学部としては比較的安定し、受験しやすい状況にあると言えます。
特に一般選抜の倍率は、前期3科目型で2024年度に1.6倍、前期2科目型でも1.5倍とやや上昇傾向にありますが、それでも大きな競争にはなっておらず、適切な対策を行えば十分に合格が狙える水準です。

他の薬学部との比較

薬学部の偏差値ランキングをまとめました。
まずは私立大学薬学部です。

大学名 偏差値
慶應義塾大学 薬学部薬学科 62.5
慶應義塾大学 薬学部薬科学科 62.5
東京理科大学 薬学部薬学科 60.0
東京理科大学 薬学科生命創薬科学科 57.5
北里大学 薬学部薬学科 55.0
星薬科大学 薬学部薬学科 55.0
星薬科大学 薬学部創薬学科 55.0
立命館大学 薬学部薬学科 55.0
近畿大学 薬学部医療薬学科 55.0
京都薬科大学 薬学部薬学科 52.5

次に国公立大学薬学部です。

大学名 偏差値
千葉大学 薬学部薬学科 65.0
岐阜薬科大学 薬学部薬学科 62.5
名古屋市立大学 薬学部薬学科 62.5
大阪大学 薬学部薬学科 62.5
静岡県立大学 薬学部薬学科 60.0
名古屋市立大学 薬学部生命薬科学科 60.0
広島大学 薬学部薬学科 60.0
九州大学 薬学部薬学科 60.0
岡山大学 薬学部薬学科 57.5
長崎大学 薬学部薬学科 57.5

兵庫医科大学薬学部の偏差値は40.0であるのに対し、上記の私立大学薬学部の偏差値は55.0〜62.5、国公立大学薬学部では57.5〜65.0と、全体的に兵庫医科大学よりも高い数値となっています。
これは、兵庫医科大学薬学部が他の私立・国公立の薬学部に比べて受験難易度が比較的低く、より受験しやすい学部であることを示しています。

兵庫医科大学薬学部対策をするなら個別の会

兵庫医科大学薬学部では、学部の枠を超えた多職種連携教育を実施しており、さまざまな医療専門職の方々から直接指導を受けられる点は、薬学部を志望される方にとって大きな魅力と言えるでしょう。
難易度は比較的易しく受験しやすい一方で、合格を勝ち取るには独学だけでは難しい場合もあります。
個別の会の個別指導では、入会前にじっくりと面談を行い、生徒さんの学力や性格を把握したうえで最適な講師を選び、効率的な学習カリキュラムを作成します。
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まとめ

今回は、兵庫医科大学薬学部の入試傾向概要と入試傾向や対策について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
兵庫医科大学薬学部は、2022年に兵庫医科大学が医療系総合大学として発展をしていくために新設された学部です。
医学部・看護学部・リハビリテーション学部と連携した教育体制が整い、実践的なチーム医療教育を重視したカリキュラムを展開しています。
志望校選びに迷っている方や、薬学の道を真剣に考えている方は、この記事を読んでぜひ兵庫医科大学薬学部を候補の一つとして検討してみてください。