大学受験を受けるには学習塾に行くべきか?塾が向いている生徒や気をつけるべきポイントを解説
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カテゴリ:テスト・入試
大学受験を目指したときに、塾に通うかどうか、塾に通うとするならどのような塾にするべきかを悩む受験生や保護者は多いと思います。
本記事では大学受験を受ける際に塾に行くべきかどうかについて詳しく解説しています。
記事内では塾が向いている生徒と向いていない生徒の違いや塾を選ぶ際のポイントについてもまとめているため、塾に通うべきか迷っている方は是非参考にしてください。
目次
大学受験を受けるには塾に行くべきなのか?
大学受験を受け志望校に合格するためには、塾に行くべきなのでしょうか。
独学で難関大学に合格したというような記事や広告をよく見かけると思いますが、実際には大学進学者で高校時代に塾に通っていた学生はとても多いです。
もちろん独学で合格することも不可能ではありません。
しかし塾に通うと、効率よく勉強ができますし、同じようなライバルの中でモチベーションが高まります。
なにより塾は、近年どんどん多様化していく大学受験の新しい情報をもっています。
このように塾に行くメリットは多くあるため、塾に行く方が合格への近道だと考えられそうです。
大学受験のために塾に行く割合は?
文部科学省の発表した令和3年の「子供の学習費調査」によると、高校生の塾に行く割合は、公立高校に通う学生で33.2%、私立高校に通う学生で38.3%でした。
さらに高校3年生だけみると42.1%でした。
これは、大学受験をしない学生も含めての割合ですので、実際に大学受験をする学生で見てみると相当な割合の学生が塾に行っていると推測されます。
大学受験を受けるために塾に行くメリット
大学受験に挑戦するために塾に行くメリットはいろいろあります。
塾のメリットについて詳しく説明します。
学習環境が整う
メリットとしてあげられるのはまず、定期的に決まった時間に塾に通うことによって学習環境が整い自然と学習習慣が身につくことです。
自宅ではなかなか勉強に集中できないという生徒でも、塾に設けられている自習室などを利用することによって、集中して勉強に取り組め、学習の効果が高まるでしょう。
また、塾には最新の教科書や参考書、問題集など自主学習をサポートするための教材が揃っているため、自分に合った教材でスムーズに学習を始めることができます。
基礎的な学力が身につく
次に、長年受験指導を行ってきた専門講師から学ぶことで基礎学力が身につくことです。
塾では経験豊富な講師から質の高い指導が受けられ、基礎的な部分を重点的に学ぶことで、理解が深まり、しっかりとした学力が養われます。
また、講師たちは生徒がつまずきがちな場所を良く知っているため、ノウハウを教えることができたり、塾には過去の入試データなどこれまでの情報が蓄積されているため、教科書や授業ではカバーできない部分を補うことができます。
切磋琢磨できる環境で勉強できる
次に、塾では同じ志望校や学部を目指す人が一緒に勉強することで、自然と競争心が芽生え切磋琢磨しながら成長できる環境が整います。
このような環境で勉強することで、自己の向上心を刺激し、より高い成果を目指す原動力となります。
また、仲間と一緒に学ぶことで、励まし合いや助け合いが生まれ、学習に対するモチベーションを保ちやすくなります。
さらに、塾の模試を受けることで全国レベルの同じ塾生の中で自分がどのラインに位置しているのかを知ることができ、学習意欲も上がるでしょう。
学習カリキュラム自体が充実している
最後は、学習カリキュラム自体が充実している点です。
塾では基本から応用、さらに発展的な内容まで体系的に学べるカリキュラムが用意されており、学年やスキルレベルなど生徒一人ひとりのペースや理解度に応じた進捗が可能です。
そして、学習の進捗を定期的にチェックし、必要に応じて追加サポートや学習プランの調整が行われます。
また、塾では幅広い科目やコースが用意されているため、生徒のニーズに応じた効率的な学習も可能となっています。
演習問題や実践的な課題も豊富にあるため、理論ばかりでなく実践的なスキルも養えるでしょう。
大学受験のために塾に行く際の注意点は?
大学受験のために塾に行く際、どのような点に気をつけたらよいのでしょうか。
以下で詳しく解説します。
塾に通うことがゴールになってしまう
塾に通うことの目的は、大学受験に合格することであったり、学力を向上させることです。
この目的を意識しないまま通塾すると、有名塾、予備校に通っていることに満足してしまい、なかなか期待しているような結果にならない可能性があります。
また塾に行っていることに安心してしまい、自主的な学習習慣が身に付きません。
塾に通うことがゴールになってしまわないようにするためにも、自分の現在の学力や弱点を把握するために定期テストや模擬試験を定期的に受け、合格から逆算して勉強することが大切です。
塾の費用が必要になる
塾に通うということは、家庭の経済負担についても考慮すべきです。
文部科学省が2022年12月に公表した「令和3年度子供の学習費調査の結果」では、公立・私立高校の「補助学習費」(通塾費用を含む予習・復習・補習など学校教育関係の学習をするための経費)は年間で15万~25万でした。
これは統計上の平均値であり、実際には個別指導塾や有名予備校は目的達成のために質の高い指導が受けられる場合が多いので、塾費用が高く、長期間通うと費用は増大します。
また長期休暇の講習・対策講座を受講すれば、それよりもさらに費用が膨れ上がるので、注意しましょう。
また、通塾費用が安いというだけで塾を選ぶことはやめましょう。
塾の時間を割く必要がある
塾が自宅や学校から近いと問題はありませんが、離れたところにある場合、通塾するのに時間がかかってしまい、負担になるという可能性が考えられます。
受験間際は時間を惜しんで勉強したくなるものなので、時間をかけて塾に通うことがストレスになってしまうことがあるでしょう。
また、保護者に送迎してもらっている場合、保護者にも時間の制約が出来て、負担に感じられることもあるでしょう。
大学受験のために塾に行くほうがいい生徒の特徴
大学受験のために塾に行った方がよい高校生の特徴としていくつか挙げられます。
これからその特徴を説明していきます。
独学で勉強するのが難しい人
受験に向けて、どの教科を優先的にすればよいかわからなかったり、1週間の学習計画スケジュールを自分で決められない、家庭学習での独学だけでは不安という人には通塾がおすすめです。
独学で自分の勉強法にいまいち、しっくりこないまま勉強を進めてしまっても、力が入らないでしょう。
ところが塾に通うことによって、講師から客観的な評価や勉強の仕方のアドバイスを受けたり、講師とこまめに相談し合ったり、自分に合わせたカリキュラムを作ってくれたりするので、安心して勉強に取り組むことができます。
より効率的で正しい勉強法を教えてもらうことは、大学受験合格の大きな近道になります。
一人で勉強するのが苦手な人
自分ひとりで勉強がなかなか進められないのであれば、塾へ行った方が良いでしょう。
自習室を自由に利用できる塾を選ぶと、集中できる環境がより得られやすくなるでしょう。
明確な目標があり、それをつかみ取りたい人
塾を選ぶとき、一番大事なことは明確な目標があるかないかです。
目標とする大学や学部、特定科目の教科や苦手科目の克服など、自分自身の目標がないと塾に行っている意味がありません。
自分が目指しているもの、今後の課題、塾にどのようにサポートしてほしいかなど
はっきりと明確にしておくことが重要です。
モチベーションの維持が苦手な人
負けず嫌いな人は、塾に通って同じ目標に向かって切磋琢磨する方が成績が上がりやすいでしょう。
また自宅は誘惑が多すぎて集中できないという人も塾がおすすめです。
隣で頑張っている人がいると、競争し合いながら、程よいプレッシャーを感じつつ、勉強しやすくなるでしょう。
大学受験のために塾に行く必要がない生徒の特徴
必ずしも塾に行く必要が無い生徒もいます。
ここでは、大学受験のために塾に行く必要がない生徒の特徴をまとめました。
独学で勉強するのが得意な人
一つ目は、独学で勉強するのが得意な人です。
現役で志望校に合格するには、合格までの戦略が大切です。
自分で勉強のスケジュールを立てることができて、その通りに学習を進めることができる人は、塾に通うよりも自分のペースで勉強を行うほうがあっているでしょう。
自分で勉強したほうが効率的に学習ができるという方は、塾に通うことでかえって時間管理が難しくなる可能性もあります。
ただし、不安な科目がある場合は、1科目だけでも塾に通うことをおすすめします。
講師へ質問したり、アドバイスをもらう場を活用することで、より安定した戦略を練りやすくなるでしょう。
一人でインプットもアウトプットもできる人
二つ目は、一人でインプットもアウトプットもできる人です。
独学で勉強し、しっかりと学習した成果が結果に反映されている場合は、必ずしも塾に通う必要はないでしょう。
志望校の合格圏内に既に入っていて、合格への道筋が見えている場合もそうです。
志望大学の過去問を解き、求められるスキルを把握したうえで自分で対策を行うことができれば、わざわざ塾に通う必要はないといえるでしょう。
学習意欲が低く、目標などもない人
三つ目は、学習意欲が低く、目標などもない人です。
学業以外の活動や興味に集中していて、現在の学習の優先度が低かったり、具体的な目標が特になく、塾に通わなくても問題がない状況である場合は塾に通う必要性はないでしょう。
勉強が苦手であったり嫌いなのに、親から一方的に言われて仕方なく塾に通わせてしまうと、結局授業に身が入らず、これまでの時間、費用、体力までも無駄になることがありますので、無理に塾に通わせるのではなく、親子でよく話し合うことが大切です。
適切な塾の選び方を解説
大学受験のために塾を利用する場合、どのようにして選んだらいいのでしょうか。
ここでは、適切な塾の選び方について解説します。
体験授業を受ける
塾を選ぶ際には、塾の雰囲気や指導スタイルを確認するために体験授業を受けてみるとよいでしょう。
塾の雰囲気は設備が快適で、集中できる環境であるか、静かで整理整頓されているかを確認するとよいでしょう。
指導スタイルは塾の授業が講義形式や対話形式など、自分の学習スタイルに合っているかを見極めたり、講師が分かりやすく丁寧に教えているか、質問に対して親切に答えているかなど、講師の質や対応をチェックするとよいでしょう。
進学実績が伴っている塾を選ぶ
塾選びにおいて、進学実績を確認することも大切です。
塾が過去にどのような学校や大学に生徒を合格させたか、具体的な進学先の実績を確認し、合格者数や進学先のレベル、年度ごとの実績などを見て、実績が安定しているかどうかを判断しましょう。
志望校が決まっている場合は、その進学先に強い塾なのかをチェックしましょう。
しかし、塾が提供する進学実績データが正確で信頼できるもの、あるいは公正な報告であるとは限りませんので注意が必要です。
通える距離、費用で選ぶ
通える距離や費用も塾選びにおいて重要な要素です。
通学がストレスにならないように、自宅や学校から近いなど通いやすい場所にある塾を選ぶことで、移動の負担を減らすことができるでしょう。
また、交通手段や移動時間、通学にかかる交通費も確認しておくとよいでしょう。
費用は、塾によって授業内容や頻度で異なります。
費用が予算内であることを確認し、月謝、教材費、入会金などの詳細も確認しておくと安心です。
早期入会や兄弟割引など、塾によっては割引やキャンペーンを実施している場合があるため、これらを利用することで費用を抑えられることもあります。
大学受験対策をする塾を選ぶ際に気を付けるポイント
次に、大学受験対策をする塾を選ぶ際に注意するポイントなど、詳しく解説していきます。
費用だけで選ばない
先程も述べたように、費用は指導形式や授業内容や頻度によって大きく異なります。
予算内で決めることは大事ですが、費用面だけを見て塾を選ばないように気を付けましょう。
集団塾と個別塾を比べれば、同じ授業数を取るとなるともちろん集団塾の方がリーズナブルです。
しかし本人が集団塾に合わなければ、安いと思っている費用も効果が出ないわけですから、意味がありません。
本人に合った形で形式や授業数などを考えて、その中で費用面をどのように抑えるかということを考えることが重要です。
友達がいるからという理由だけで選ばない
高校生ともなると、保護者が塾を見つけてくるのではなく、本人が見つけてくる場合も多いでしょう。
塾を決める理由が友達がいるから、という理由の場合注意が必要です。
なぜなら、友達に合っているからといって、本人にも合う塾とは限らないからです。
勉強のスタイルや塾に通う目的を再度確認して塾選びをしていきましょう。
指導形式が自分に合っていない塾は選ばない
塾の指導形式は集団指導塾、個別指導塾、オンライン学習塾など様々なタイプがあります。
本人の性格や勉強のスタイルに合った塾を選ぶべきです。
以下で、それぞれのタイプの塾に合う人について解説します。
集団指導塾があっている人
集団指導塾は、その名のとおり集団で授業を行う塾です。
多くの生徒と一緒に同じ授業を受けます。
仲間が大勢いることで自分のレベルを客観的に見ることができるので、競争心のあるタイプの人は集団指導塾が合っていると言えるでしょう。
ただ集団指導塾では、欠席したときに振替授業がない場合も多いので、どのようなサポートがあるかを入塾前に確認しておきましょう。
個別指導塾があっている人
個別指導塾は、マンツーマンの場合と1人の講師が2、3人の生徒を受け持つ場合があるので、事前に確認しておきましょう。
個別指導ですので、本人の習熟ペースに合わせることができるのがメリットです。
マイペースに学習していきたい、分からないところは都度聞いていきたいというようなタイプの人には個別指導塾がおすすめです。
オンライン学習塾があっている人
オンラインの学習塾は、録画授業をアーカイブから視聴する場合とオンタイムでライブ授業を行う場合があります。
オンライン学習塾のメリットは、通塾時間がとられないこと、費用が安く抑えられることです。
録画授業の場合は、好きな時間に視聴することができるため、自分でスケジュールを組みたい人、スケジュール管理が出来る人におすすめです。
まとめ
この記事では、大学受験で塾に行くべきかどうかについてご紹介しました。
ほとんどの人にとっては、独学で勉強するより、塾で効率よく学習するほうが、大学合格への近道になるといえます。
大学受験で塾に行くメリットとデメリット、塾に向いている人と塾に行く必要がない人、適切な塾の選び方などをまとめましたので、塾に行くかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
個別の会では、中学受験や高校受験、大学受験対策など、生徒1人1人の目的にあった個別指導を行っていますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹
関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。