歯科医師になる難易度は?私立歯学部の偏差値が低い理由・ランキングや見通しも解説

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カテゴリ:基礎知識

歯のお医者さまである歯科医師は、虫歯治療のほか予防処置や機能回復、矯正など口腔内とその周囲の病気や怪我の治療など口腔内の管理が仕事です。
近年ではホワイトニングなどの審美歯科を取り入れている歯科医院も増えてきています。
本記事では歯科医師になるための流れや歯学部合格の難易度などを徹底解説しています。
国公立・私立別で偏差値ランキングも紹介しているのでぜひ参考に大学選びをしてみてください。

歯科医師になるための難易度

(600文字程度)
歯科医師になるためには、どの程度の学力が必要なのでしょうか。
歯科医師になるための難易度について解説します。

歯学部への入学必要性

歯科医師になるためには、国家資格の歯科医師免許を取得する必要があります。
そのためには、大学の歯学部か歯科大学に進学し6年間学ばなければなりません。
歯科医師になるためには大学の歯学部か歯科大学に入学することが必須条件となります。
全国に歯学部のある大学は国公立大学で12校、私立大学で17校あります。
歯学部や歯科大学では、1~2年生で一般教養を学び、2~3年生から歯学の専門的な授業が始まります。
4~5年生では実習と試験を主に行い、6年制で国家試験に向けての勉強に集中し卒業の年度に国家試験を受ける、という流れになります。

歯科医師国家試験の合格率

大学の歯学部や歯科大学で6年間学び、卒業の年に歯科医師国家試験を受験する人がほとんどです。
歯科医師国家試験は、1年に1度、1月下旬か2月初旬の週末2日にかけて実施されます。
試験時間は2日間で9時間、マークシート方式で実技の試験は行われません。
歯科医師国家試験の合格率ですが、直近の3年で、2022年は61.6%、2023年は63.5%、2024年は66.1%でした。
2024年の現役生と既卒生の内訳をみると、現役生の合格率は、81.5%に対し、既卒生の合格率は39.8%でした。

医師と歯科医師の難易度比較

(300文字程度)
医師国家試験と歯科医師国家試験では、難易度や合格率はどのように違うのでしょうか。
医師国家試験の合格率は例年90%を超えてくるのに対し、歯科医師国家試験の合格率は61~66%程度です。
この数字を見てみると、歯科医師国家試験の難易度は高いといえるでしょう。
しかし医師国家試験が易しいのかというと、そうではありません。
それでもこのように合格率が他の国家資格試験と比べても高いのは、もともと難易度の高い医学部や医科大学に合格し、在学中も試験や勉強量が他学部に比べると圧倒的に多く、そういった国家試験受験スキルが非常に高いことが考えられます。
一方歯科医師国家試験についてですが、時代の変化に伴い、国家試験の出題範囲が多岐にわたり難化していることが合格率の低下の原因の1つと考えられます。
また、1987年に政府が歯科医師削減計画を打ちだし、歯科医師国家試験の合格の判定基準の引き上げと歯学部に入学する定員を削減するよう方針を固めたのです。
しかし、私立大学などは入学の定員削減は大学経営の悪化を招きかねないため、政府の方針に従うのは難しく、そういったことも歯科医師国家試験の合格率の低さに繋がっています。

歯科医師の就職と需要

(800文字程度)
歯科医師の数が飽和していると言われ、歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われていますが、実際の状況はどのようなものになるのでしょうか。
歯科医師となってからの就職と需要について解説していきたいと思います。

就職の難易度

歯科医師の求人は多く、開業も含めると、歯科医師の就職率はほぼ100%といわれています。
就職難易度は他の医療業種と比べると高くなく、就職難だといわれているこのご時世においても、歯科医師国家資格は大変心強い資格となるため、就職先にも困ることはほとんどないといえるでしょう。

若手歯科医師の需要

昨今、歯科医師全体の平均年齢は50歳を超えており、年々右肩上がりの傾向にあります。
そして、歯科医師の高齢化が進む中で、後継者がいない歯科診療所も9割を超えている実情です。
以上により、高齢化の進む歯科医師会において、歯科医院の後継となる若手歯科医師の需要が高まっていると言えます。

地域密着型歯科医師の需要

日本は高齢化により、「自力で歯医者に行けない」といった介護が必要な要介護者が増えています。
サポートを必要とする方がいる中で、適切な歯科診療を受けることが出来ていない人が数多くいる現状です。
高齢化が進むにつれて、自力で歯医者に行けない人たちにたいして適切な歯科診療を行うことが重要視されます。
これからの歯科医師に求められるニーズも多様化していきます。

歯科医師のキャリアアップ

(400文字程度)
歯科医師のキャリアアップは難しいのでしょうか。
またどのようにしてキャリアアップしていくのが良いのでしょうか。
歯科医師のキャリアアップについて解説します。

キャリアアップの難易度

歯科医師としてキャリアアップは、病院や診療所で働いたあと自身の歯科医院を開業したり、特別な資格取得によってキャリアアップできます。
しかしいずれの場合も、試験や研修の必要性や、スキルやマネジメント能力などが重要になってくるため、難易度は高いといえるでしょう。

歯科医院開業の計画必要性

自身の歯科医院を開業する場合、実家の診療所を継ぐ場合と、一から立ち上げる場合があります。
一から開業する場合、開業する土地を探したり、開業資金も必要です。
また開業すると決まったら、開業届やそれに関する書類の提出など、様々なことがあります。
開業した後も患者さんを集める努力もしなければなりません。
よって、歯科医院開業を目指す場合は、情報収集を行いきちんとした計画を立てることが必要となります。

認定医・専門医・指導医の資格取得

認定医・専門医・指導医とは、それぞれの歯科学会が出している資格制度の一種です。
自分が必要だと思う資格を発行している歯科学会の会員になり、資格を取得しましょう。
それぞれの資格を取得するためには、試験や実務経験などが必要となります。

私立歯学部の偏差値ランキング

(1000文字程度)
国内には、17校の私立歯学部があります。
それぞれの大学の偏差値について解説します。

4大模試の偏差値ランキングと受験者層の違い

「私立歯学部の難易度は易しい」または「私立歯学部の偏差値は低い」と思われてる方もいるのではないでしょうか。
ここでは模擬試験を主催する予備校をもとに発表された「私立歯学部偏差値ランキング」について解説いたします。
主な模試として河合塾の「全統模試」、駿台予備学校の「駿台模試」、ベネッセの「進研模試」、東進の「東進模試」の4大模試をご紹介いたします。
受験者層の違いとして、河合塾の「全統模試」は受験者数が非常に多く、中堅大学から最難関大学までと幅広い層が受験しています。
駿台予備学校の「駿台模試」は難易度がやや高めであり、最難関大学を志望している受験生が多く受ける傾向にあります。
ベネッセの「進研模試」は学校単位で申し込むため、個人では受験ができません。
難易度は低めであり、中堅層が多く全国最大規模といえる人数が受験しています。
東進の「東進模試」はMARCHや関関同立のほか上智、理科大まで対応できる模試であるため、このランクの大学を志望している受験生が多く受ける傾向にあります。
このように予備校の模試ごとに受験層に違いがあるため、判定は多少の違いがありますが、あくまでひとつの指標として参考にしましょう。

私立歯学部の偏差値ランキング

では、実際に4大模試(河合塾主催の全統模試、駿台予備校主催の駿台全国模試、ベネッセ主催の進研模試、東進予備校主催の東進模試)の私立歯学部の偏差値ランキングを見ていきましょう。
予備校によって偏差値が異なるため、おおよその基準として参考にしてください。

大学名 河合塾 駿台予備学校 ベネッセ 東進
北海道医療大学 42.5 51 45 59
岩手医科大学 35.0 47 45 45
奥羽大学 35.0 43 45
明海大学 40.0 52 48 62
日本大学松戸歯学部 BF 50 50 49
昭和大学 52.5 50 65 56
東京歯科大学 55.0 57 59 62
日本大学 47.5 52 55 56
日本歯科大学 47.5 47 61
神奈川歯科大学 35.0 45 45
鶴見大学 35.0 43 45
日本歯科大学新潟生命歯学部 42.5 44 47
松本歯科大学 37.5 43 45
朝日大学 37.5 50 45 58
愛知学院大学 37.5 53 48 55
大阪歯科大学 50.0 55 54 66
福岡歯科大学 BF 51 45 42

4大模試の偏差値をそれぞれ見ると、河合塾と駿台予備学校は東京歯科大学の偏差値が最も高く、ベネッセは昭和大学の偏差値が65、東進は大阪歯科大学の偏差値が66と全体でも最も高い偏差値となっています。
同じ大学でも予備校によっては偏差値に15もの差があるなど、このように違いが出るのは前項でもお伝えした通り模試によって受験者層が違うことや、私立歯学部を受験する人数がそもそも少ないためだと考えられます。
受験者数が少ないことで、正確なデータを得ることが不可能になるため、同じ大学でも偏差値に差が生じてしまいます。
このことから、どの偏差値が絶対的に正しいということはありませんので、あくまでも目安として考えるようにしましょう。

他学部との偏差値比較

歯学部は他学部と偏差値を比較すると高いのでしょうか。
今回は、ベネッセが発表している私立工学部の偏差値と、私立歯学部の偏差値で最も高かった昭和大学の偏差値65と比較してみました。

大学名 偏差値
早稲田大学 先進理工学部 70
早稲田大学 基幹理工学部 69
慶應義塾大学 理工学部 69
早稲田大学 創造理工学部 69
同志社大学 理工学部 66
東京理科大学 工学部 66
昭和大学 歯学部 65
明治大学 理工学部 65
中央大学 理工学部 62
法政大学 デザイン工学部 61
青山学院大学 理工学部 61
法政大学 理工学部 60
日本大学 理工学部 56

昭和大学歯学部の偏差値を超える大学は、早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学、東京理科大学があげられます。
明治大学は同程度、中央大学、法政大学、青山学院大学、日本大学は昭和大学歯学部よりも下の偏差値となります。
このことから、昭和大学歯学部の偏差値は最高難易度といわれている大学には及びませんが、いわゆるMARCHと呼ばれている大学の偏差値は超えていますので、高めだといえます。

私立歯学部一覧

全国の私立歯学部を表にまとめました。

大 学 名 所 在 地 学 部
北海道医療大学 北海道石狩群 歯学部
岩手医科大学 岩手県盛岡市 歯学部
奥羽大学 福島県郡山市 歯学部
明海大学 千葉県浦安市 歯学部
日本大学 松戸歯学部 千葉県松戸市 松戸歯学部
昭和大学 東京都品川区 歯学部
東京歯科大学 東京都千代田区 歯学部
日本大学 東京都千代田区 歯学部
日本歯科大学 東京都千代田区 生命歯学部
神奈川歯科大学 神奈川県横須賀市 歯学部
鶴見大学 神奈川県横浜市 歯学部
日本歯科大学 新潟生命歯学部 新潟県新潟市 新潟生命歯学部
松本歯科大学 長野県塩尻市 歯学部
朝日大学 岐阜県瑞穂市 歯学部
愛知学院大学 愛知県名古屋市 歯学部
大阪歯科大学 大阪府枚方市 歯学部
福岡歯科大学 福岡県福岡市 口腔歯学部

全国の歯学部のある私立大学は15大学17学部です。
大学によって偏差値レベルが様々であり、私立大学歯学部の偏差値はおおよそ42.5~58.0になります。

私立歯学部の偏差値が低い理由

(500文字程度)
大学によって偏差値レベルは様々ではありますが、他学部と比べ私立歯学部は偏差値がやや低めとなっております。
なぜ私立歯学部の偏差値はやや低めになっているのでしょうか。

歯科医師の収益意識

1990年代後半では私立歯学部全体の志願者は11,000人ほどでした。
現在では7,000人程度となり、90年代後半にくらべ4割ほどの減少となっています。
「歯科医が多過ぎて儲からない」との意識が広がり、2005年~2010年にかけて歯学部志願者が急減しました。
またインプラントに対するネガティブな意見もあり、歯科医師に対するイメージが大きく損なわれた結果、親の歯科医院を継ぐ受験生だけが歯学部を志願するといった状況になりました。
そのような傾向も少しずつ薄れてきておりますが、私立大学医学部の志願者が少ないことが私立大学歯学部の偏差値が低いということにつながっています。

国家試験合格率の大学間差異

私立歯学部の偏差値は大学により様々です。
偏差値が高い大学もあれば偏差値30台やBF(ボーダーフリー)といった大学もあります。
このような差が生じる大きな要因は歯科医師国家試験合格率です。
歯科医師になるには、まず歯科医師国家試験に受からなければなりません。
そのためにも歯科医師国家試験の合格率の高い大学に進学したいと思うのは当然でしょう。
では歯科医師国家試験合格率をみてみましょう。

大 学 名 国家試験合格率
東京歯科大学 92.7%
昭和大学 77.3%
日本歯科大学(東京) 76.5%
日本歯科大学(新潟) 75.8%
松本歯科大学 70.5%
大阪歯科大学 67.6%
神奈川歯科大学 64.4%
岩手歯科大学 59.6%
明海大学 58.3%
日本大学(歯) 56.0%
日本大学(松戸歯) 55.3%
北海道医療大学 55.2%
鶴見大学 54.2%
愛知学院大学 54.0%
朝日大学 53.2%
福岡歯科大学 39.3%
奥羽大学 38.6%

このように大学によって歯科医師国家試験合格率は大きな差があります。
学力に自信のある優秀な受験生は歯科医師国家試験合格率の高い大学を志望し、学力に自信のない受験生は歯科医師国家試験の合格率が低い大学を志願するため偏差値の差が生じることになります。

一般選抜を受けない優秀受験生

私立大学歯学部受験は優秀な受験生は推薦入試やAO入試で合格するという特殊性があります。
私立大学歯学部の推薦入試では、人気大学でも募集人員を大幅に超えて合格者を出します。
そのため学力上位の受験生は一般選抜は受験しません。
私立大学歯学部の偏差値は一般選抜のボーダーライン偏差値を表しているため学力上位の受験生の抜けた試験となる一般選抜では偏差値も当然低くなります。

私立歯学部の偏差値の見通し

(500文字程度)
偏差値が低い理由として「歯科医師が多過ぎて儲からない」との意識が広がっているため、と述べましたが今後はどうなるのでしょうか。

偏差値上昇の理由

現在の歯科医師年齢別分布を見ると60代以降の医師が大きく膨らんでいるため、近いうちに引退する歯科医師が多くなると予測されます。
そうなると逆に歯科医師不足になる可能性が高くなると思われます。
歯科医師不足の兆しが見えれば、現在厚生労働省によって抑制的な合格率とされている歯科医師国家試験合格率は上がるでしょう。
また「矯正」「審美、美容」など歯科医師の仕事の分野も広がりを見せています。
歯科医師不足と歯科医師の仕事分野が広がることで歯学部人気は向上するのではないかと考えられます。

具体的な偏差値の動向

歯学部の人気が高まることで、私立歯学部の偏差値は具体的にどうなっていくのでしょうか。
現在も人気校であり、偏差値の高い大学である東京歯科大学、昭和大学歯学部などは多少偏差値は上がるとしても大きく上がることはないでしょう。
一方、偏差値が低いとされている大学の偏差値は大きく上がるのではないかと予想されます。
そのため現在見られている大学別での偏差値の差は縮まると考えられます。
人気の高い私立大学医学部の偏差値推移も、偏差値の上下差が縮まるといった歴史があります。
これと同様に私立大学歯学部の偏差値上下差が縮小されると予想されます。

国公立歯学部の偏差値一覧

(700文字程度)
国内に、歯学部のある国公立大学は12校あります。
この12校の偏差値について詳しく解説していきます。

国公立歯学部の偏差値一覧

大 学 名 偏差値
東京医科歯科大学 62.5
大阪大学 60
北海道大学 57.5
広島大学 57.5
九州大学 57.5
長崎大学 57.5
東北大学 55
新潟大学 55
岡山大学 55
徳島大学 55
九州歯科大学 52.5
鹿児島大学 52.5

高い偏差値の大学

私立大学歯学部と比べるとおしなべて国公立大学歯学部の偏差値は高いといえます。
その中でも東京医科歯科大学と大阪大学歯学部は偏差値が高いといえるでしょう。
東京医科歯科大学の医学部は、偏差値70程度ですので、歯学部の方が偏差値は低めです。
また大阪大学の学部別偏差値をみてみると、1番偏差値が高いのは、医学部医学科で偏差値70です。
2番目が法学部・経済学部・人間科学部・文学部で偏差値65です。
3番目が基礎工学部・理学部・薬学部で偏差値62.5です。
次に、歯学部・工学部・外国語学部が並びますので、大阪大学の中だけで比べると歯学部は比較的偏差値が低めの学部といえます。

低い偏差値の大学

国公立大学歯学部の中で低い偏差値の大学は、九州歯科大学と鹿児島大学です。
しかし、私立大学の歯学部の偏差値と比べると私立大学の上位と同等になりますので、国公立大学は全般的に難易度が高いことがわかります。
鹿児島大学の学部別偏差値ランキングを見てみると、医学部、獣医学部に続き歯学部が上位偏差値になるので、鹿児島大学の中では歯学部は難易度が高めだということが分かります。

歯学部の偏差値を見るポイント

(500文字程度)
偏差値の数字だけで受験できるかできないかを決めることはありません。
偏差値はその大学や学部の難易度を示す数字ではありますが、あくまで参考程度にするべきです。
その理由など、偏差値を見るポイントについて解説します。

偏差値は相対的

偏差値は絶対的なものではありません。
ある模試を受けた時の結果に対して自分自身が平均からどの程度の位置にいるのか、受験者の中での学力はどの程度なのか、を相対的に知ることができるものなのです。
受ける試験や、その時の受験者のレベルによって、偏差値は変わってくるものなので、年度によってもばらつきが生じます。
ですから偏差値の数字だけを見て志望校を選ぶ必要はありません。

国家試験合格率

偏差値以外に何をみて志望校を選ぶべきでしょうか。
その大学の歯科医師国家試験の合格率を調べてみるのも良いでしょう。
各大学の合格者の割合を調べてみると、意外にばらつきがあることが分かります。

立地・設備

立地やその大学の設備も、志望校を決めるポイントになるでしょう。
例えば偏差値が低いからと言って、地方の私立大学を選んだ場合、高額な学費に加え1人暮らしの生活費も必要となるので、大学の立地も大切です。

学費とトータル費用

私立大学の歯学部の学費は高額です。
大学によって差はありますが、6年間で1800~2300万円ほどかかります。
一方、国公立大学はどこも同じで、6年間で350万円程度です。
学費だけでなく、一人暮らしをするのかどうか、交通費もどの程度かかるのか、など学費だけでなくトータル費用を確認しておくことも大切です。

歯学部の偏差値が低い理由

(600文字程度)
一般的に歯学部は偏差値が低いといわれています。
歯学部の志願者は2005年から急激に落ち込んでおり、それが歯学部の偏差値の低下につながっているとも言えます。
その理由について解説します。

歯科医師の需給バランス

歯科医院はコンビニの数よりも多いといわれ、また子供の虫歯の罹患率は昔に比べるとかなり減っており、歯科医師の需給バランスが崩れていることがあげられます。

学費と年収のバランス

先にも述べた通り、私立大学の歯学部の学費は6年間で1800~2300万円程度、国公立で約350万程度かかります。
一方で歯科医師の年収は、勤務歯科医だと690-710万円程度、開業歯科医だと1400万円程度といわれています。
高額な学費に対して、年収のバランスが良くないことも歯学部の志願者が少なくなっている理由かもしれません。

卒業の難しさ

歯学部はストレートで卒業することが難しいといわれている学部です。
毎年20%前後の学生が留年や休学を余儀なくされています。
ストレートで卒業できなければ、その分学費などの費用も掛かります。
ストレートで卒業することが難しいことも歯学部の志願者率が低下する要因の1つと言えるでしょう。

国家試験の難化

第116回歯科医師国家試験の合格率は、受験者数3,157人に対し、合格者数は2,006人と、約64%の合格率となっています。
これは、およそ30年前に行われた第85回歯科医師国家試験の合格率である約84%と比べると、およそ20%もの低下傾向にあると言えます。

歯学部の偏差値の将来予測

(500文字程度)
最後に、歯学部の偏差値将来予想について見ていきましょう。
卒業することや国家試験対策が難しいといわれる歯学部はこれからどのように偏差値が動いていくのか、予想していきたいと思います。

募集人数削減

平成26年度日本歯科医師会から発表された「歯科医師儒給問題の経緯と今後への見解」の記述によると「歯科医師数は82,000名が望ましい」とされています。
現在、歯科医師の数は107,443人で大幅に上回っていることが分かります。
そのため、歯学部の募集人数も減らされています。

人気職業としての歯科医師

歯科医師の平均年収は約646万円程度といわれており、医師と比べれば低いものの、一般的な低年収には値しません。
以上の事から手に職を持つことができる歯科医師はまだまだ根強い人気があるといえるでしょう。

大きな偏差値低下の可能性

歯学部の募集人数の低下や、一般的な平均年収よりも高いことから入学志願者が多くなると予想されます。
このことから、歯学部の大きな偏差値低下の可能性は低いと言えます。
そして、都心の大学などは立地も良いため偏差値の向上の可能性があります。

まとめ

(200文字程度)
今回は、歯科医師になるための流れや歯学部合格の難易度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
歯学部の難易度は医学部ほどではないですが、決して低いわけではありません。
個別の会では歯学部志望者のためのコースを設置しており、基本から標準レベルの問題を確実に得点できる力を養う指導や、志望校別の徹底した受験対策を行っていますので、歯学部受験に向けて効率的に受験勉強を進めたい方は、ぜひ個別の会にお問合せください。