塾なしで中学受験合格は可能なのか?メリットやデメリット、成功例を解説
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カテゴリ:テスト・入試
中学受験するには塾に通うことが一般的ですが、中には塾に行かずに中学受験に成功したという話も聞きます。
実際に塾なしで中学受験合格は可能なのでしょうか?
本記事では塾なしのメリットやデメリット、成功例を解説していきます。
塾に通うべきかどうか、迷っている方には必見の内容となっております。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
塾なしで中学受験に合格できる?

中学受験に向けて塾に通う小学生がほとんどです。
難関校を目指している場合は特に早い時期から入塾することが多くなってきています。
ですが、中には色々な理由により塾に通わずチャレンジする方もいます。
塾なしでも中学受験に合格できるのでしょうか。
可能だが難易度はかなり高い
塾に通わずに中学受験に合格することが出来ます。
しかし、かなり難易度は高いでしょう。
中学受験するには適切な志望校を選び、学習計画を立て、学習計画に沿ってしっかりと繰り返し学習することが重要です。
そのためにも正しい生活習慣や学習習慣を身に付けなければなりません。
また本人のモチベーションを保ち続けることも大切となるため、難易度は高いといえるでしょう。
塾なし中学受験の合格割合と現実
塾に通わず中学受験をする場合、実際の合格割合は全体から見ると比較的低いのが現実です。一般的には、受験生のうち塾に通わず合格する割合は数%〜10%程度といわれています。特に難関校では、塾なしでの合格はさらに稀で、圧倒的多数の合格者は塾や家庭教師など専門的な指導を受けているケースがほとんどです。一方、中堅校や地域の私立校では、塾なしで合格する生徒も一定数存在し、全体の割合はやや高くなる傾向があります。
塾なしで合格している生徒にはいくつかの共通点があります。まず、基礎学力が高く、学習習慣が身についていることが多いです。また、家庭環境が学習を支える体制になっていることも重要で、親が計画的に学習をサポートしたり、適切な教材選びや復習方法を指導したりしています。さらに、本人の強い意欲や集中力も不可欠です。この現実を踏まえると、塾なしでの中学受験は可能ですが、準備とサポートが十分であることが前提であり、自身や家庭の状況に応じた現実的な目標設定が重要です。塾なしでの合格を目指す場合は、学習計画や家庭学習の環境、モチベーション維持の方法をしっかり考えることが成功の鍵となります。
低学年のうちは塾に行かなくても問題ない
多くの塾は4年生以上になってから本格的に中学受験対策が始まるため、小学校低学年のうちは塾に行かなくても問題はありません。
低学年のうちから塾に通い始めると、学校の授業よりも難しく感じてしまい、勉強に対してよくないイメージを持ってしまったり、自信をなくしてしまう可能性があります。
そのため、低学年のうちは学校の授業と宿題をこなし、勉強が楽しいと思える環境を整えてあげるとよいでしょう。
5・6年生になったら塾に行くことを推奨
5・6年生になってくると、学校の授業で扱う内容が今までと違いかなり高度になってきます。
内容が理解できていなくても学校ではそのまま授業が進んでしまい、分からないままにしてしまう子どもも中にはいます。
そのため、授業の理解度をもっと深めるために5・6年生になったら塾に行くことを推奨します。
また、中学校に進学したら、小学校6年間で勉強したことがすべて頭に入っているということを前提に授業が始まりますので、塾に通っておくことで自信をもって中学校の授業内容に入っていけるでしょう。
6年生から塾なし受験は可能か?
塾に通わず小学6年生から中学受験に挑戦することは、可能ではあるが非常に難しいです。小学校6年生から塾に通わず中学受験に挑戦する場合、受験までの時間が限られるため、基礎学力や学習習慣が十分でないと合格は厳しくなります。
ただし、志望校を絞り、過去問を中心に短期集中で学習計画を立てることで、短期間でも成果を狙うことは可能です。
また、家庭での学習環境整備や親の進捗管理・モチベーションサポートも欠かせません。
時間が限られるため、現実的な目標設定と効率的な学習戦略が成功の鍵となります。
中学受験に合格するなら塾に行くべき
中学受験を検討しているのであれば、塾に行くことをおすすめします。
塾なしでも合格できる可能性はゼロではありませんが、難関校を志望している場合は塾に行くことは必須だといえます。
塾では受験に焦点を当てているため、小学校の授業では扱わない中学受験特有の問題や詳細な知識を学習していきます。
また、志望校に関する情報が豊富なので、志望校に合格するための勉強方法や、入試で点数を上げるためのテクニックなどを学ぶことができるため、塾に行くメリットは大きいといえます。
塾なし中学受験の現実と失敗例
塾なしで中学受験に挑戦する家庭は増えていますが、成功は可能でも、多くの家庭がさまざまな困難に直面します。
代表的な失敗例としては、以下が挙げられます。
・学習計画の破綻:進め方や範囲の管理ができず、直前で焦る
・モチベーションの低下:本人が自発的に学習を継続できない
・情報不足:過去問や出題傾向の把握が不十分
・志望校選びのミス:学力や学習時間に見合わない学校を選択
これらを避けるには、現実的な目標設定、計画的な学習、情報収集、家庭でのサポート体制が不可欠です。塾なし受験は挑戦として意義がありますが、リスクを理解し、十分な準備と心構えを持つことが成功への第一歩となります。
塾なしで中学受験対策をするメリット・デメリット

次に、塾なしで中学受験対策をするにはどのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介します。
メリット
まずは、メリットについて詳しく解説します。
費用がかからない
塾に通うための費用が必要ない点が大きなメリットです。
塾に通うとなれば、月謝を払う必要があり、毎月数万円~数十万円程度の負担がかかることになります。
夏休みや冬休み中に講習を受ける場合は、さらに追加で料金を支払ったり、遠くの塾に通う場合は交通費もかかります。
そのため、塾に通わず自宅で受験勉強を行うことで、かかる費用は最低限必要である参考書と問題集などで済むため、費用はかなり安く抑えられます。
自分のペースで学習できる
自分のペースで学習できる点もメリットの1つです。
塾では決まったカリキュラムに沿って学習を進める必要があり、また、毎週決まった曜日・決まった時間に塾で授業を受けなければならないため、遊びたい盛りの子どもにとっては、塾での勉強が息苦しく感じてしまう恐れがあります。
しかし、自宅学習の場合は、自分の得意教科は速いペースで学習し、苦手教科は時間を割いて集中して勉強したり、時間も朝や寝る前の時間を使って自由に勉強することが可能であるため、柔軟にスケジュールを組むことができるでしょう。
デメリット
次に、デメリットについて詳しく解説します。
効率が悪く遠回りすることもある
塾では、勉強をするサイクルや適切な学習計画を作ってくれますが、自宅学習の場合は本人が目標を設定し、学習スケジュールも管理しないといけないため、塾に通っている子どもと比べると効率が悪いといえます。
小学生は大人と比べると集中力が続きにくく、さぼりグセもつきやすいため、自宅学習の場合は自己管理をある程度厳しくできる子どもでないと、勉強習慣は身につかないでしょう。
その結果、なかなか学習が進まず効率が悪い学習になってしまい、遠回りすることになると考えられます。
情報収集がしづらい
塾に通っていないと、情報を収集するのが難しいです。
中学受験をする場合、志望校や図研全般の情報収集は欠かせません。
しかし、塾なしの場合は各学校の特徴であったり、志望校の受験情報を勉強時間以外に自ら集めないといけません。
その点、塾では毎年多くの合格者を輩出してきた経験や実績から、中学入試に関するデータをたくさん持っているため、最新の情報をいち早く獲得することができます。
出願期日や志望校の入試傾向など多くの受験情報を教えてもらうことができるので、自分や保護者さまが情報を集める手間が省け、勉強に集中することができます。
共働き家庭の親の負担と軽減策
中学受験では保護者のサポートが欠かせません。子どもの学習状況の把握や情報収集など、目に見えない部分での支えが合否を左右します。特に塾なしで中学受験を目指す共働き家庭では、時間の確保や学習管理、情報収集の難しさが大きな課題となります。限られた時間の中で効率よく進めるためには、家庭内での役割分担を明確にし、学習スケジュールを可視化することが大切です。また、すべてを家庭で抱え込まず、オンライン教材や映像授業、家庭教師など外部サービスを一部活用することで、学習の質と保護者の負担を両立できます。さらに、受験情報を得るためにSNSや教育系サイトを活用するのも有効です。共働きでも、環境を工夫すれば塾なし中学受験は十分に可能です。
モチベーションが維持しづらい
モチベーションの維持が難しいことも塾に通わないデメリットの1つです。
中学受験は長期戦になることが多く、早いご家庭では小学校4年生から受験対策を始めます。
ぎりぎりに中学受験を開始する場合でも、受験本番まで1年ほどある場合も多く、モチベーションの維持が課題となるでしょう。
塾では同じ環境で勉強に励む友達がいたり、指導をしてくれる先生がいるので、一人きりで受験勉強を行う必要がある自宅学習よりもモチベーションは維持しやすいといえます。
受験の傾向や対策方法が適切ではない
中学受験では、志望校の入試傾向に合わせた対策が重要となります。
学校別に入試科目の出題傾向を調べて対策を考えたり、面接試験が実施される学校では面接対策も行う必要がありますが、これらすべてを保護者の方が行うのはかなり大変といえるでしょう。
塾では、各学校の傾向を分析して、これまでのノウハウを生かした対策が練られているため、個人での対策よりも合格に向けた質の高い学習ができるでしょう。
塾なしで中学受験に合格するには?

ここでは、塾なしで中学受験に合格するためのカギを説明します。
学習の土台を身につけ、基礎を固める
塾なしで中学受験に合格するには、学習の土台となる基礎学力を身につけることが重要です。
受験対策テキストや問題集を効果的に利用して学習するためにも、まずは基礎を固めましょう。
正しい勉強法で学習し、学習進度や学力に合わせて徐々にレベルアップしていくことで、中学受験に必要な知識を取りこぼさずに学び、学習内容への理解を深めることができます。
繰り返し学習し、知識を定着させることが重要です。
塾なしでも効果的な教材選びと活用法
塾に通わず中学受験を目指す場合、教材選びも重要です。市販の問題集や参考書は数多くありますが、まずは基礎を固めるために、教科書レベルの内容をしっかり理解できる教材を選びましょう。特に算数は『予習シリーズ』や『新小学問題集』など体系的に学べるものが人気です。国語では読解力を養うために物語・説明文それぞれの問題集を繰り返し解くのが効果的です。また、通信教育(Z会・進研ゼミなど)やオンライン教材(スタディサプリなど)を併用することで、塾と同等の学習環境を自宅で整えることも可能です。学習スケジュールは、週ごとに教科をローテーションさせ、間違えた問題をノートにまとめて定期的に復習する仕組みを作ると効率的です。教材を上手に使いこなすことで、塾なしでも確実に合格力を伸ばすことができます。
家庭学習の習慣化とモチベーション維持
塾に通わない場合は、自宅学習を中心に学習習慣を確立することが不可欠です。まずは、保護者とお子さまで一緒に学習計画を立て、1日の学習時間や教科のバランスを明確に決めましょう。短時間でも集中して取り組めるよう、勉強スペースは静かで整理された環境を整えることが大切です。リビング学習の場合は、テレビやスマートフォンなどの誘惑を避け、必要な教材だけを手元に置きましょう。時間管理にはタイマーや学習アプリの活用も効果的です。また、モチベーションを維持するためには、「1週間続けたらご褒美」などの小さな目標設定や、頑張りを褒める声かけが重要です。ときには親子で学習内容を振り返り、達成感を共有することで意欲が高まります。家庭全体で学ぶ姿勢を支えることで、塾なしでも自宅学習を継続しやすくなります。
親御さんのサポートが必須
中学受験は親御さんのサポートが必須となります。
お子さんの学習進度や学習状況の把握から、家庭内での学習環境の整備、また、受験情報の獲得など中学受験に関わるさまざまなことをフォローする必要があります。
また、中学受験は親や家族の心構えも重要です。
受験するお子さんだけでなく、家族全員が受験に向けて一丸となる必要があり、負担がかかることを理解しておかなければいけません。
塾なし中学受験成功者の体験談と学び
塾に通わず中学受験を成功させた家庭の中には、親子で工夫を重ねながら学習を進めたケースも少なくありません。たとえば、公立小学校に通うAさん家庭では、母親がスケジュール管理を担当し、毎朝1時間の学習と放課後の復習を習慣化しました。市販教材と過去問を活用し、週末には父親と模擬テストを実施しました。苦手分野は家庭教師のスポット指導で補強しました。勉強が嫌にならないよう、1週間ごとに「できたことリスト」を親子で確認し、達成感を共有する工夫もしています。最初は不安もありましたが、家庭での一体感がやる気を支え、最終的には第一志望の中堅校に合格しました。このように、塾なし受験でも「学習計画」「親のサポート」「継続の仕組み」が揃えば、合格は十分に可能です。家庭に合った学び方を見つけることが、成功の鍵といえます。
塾なしで中学受験に合格するパターン

中学受験を塾なしで行うパターンは大きく2つに分けることが出来ます。
各々のパターンについて成功させる方法を考えてみましょう。
塾なしで成功する教材選びと学習計画
ひとつめは一度も塾に行かない場合についてです。
塾に通わず中学受験を目指す場合、学習習慣や生活習慣を整え、毎日一定の勉強時間を確保することが大切です。志望校を決めたら、年間・月間・週間の計画を立て、進捗に応じて見直しながら学習を進めます。年間計画では全体像を把握し、基礎固めと応用・過去問演習の時期を分けて教科ごとの目標を設定します。月間・週間計画では学習量を具体化し、復習やテストを取り入れて理解度を確認します。
教材選びも重要で、算数は体系的な問題集、国語は読解力を鍛える教材、理科・社会は図表や資料問題を含む教材を活用します。通信教育やオンライン学習を併用すると塾に近い環境を作れます。
自宅では静かで整理された学習スペースを整え、保護者が進捗管理や達成感の共有を行うことで、モチベーションを保ちながら効率的に学習できます。塾なしでも家庭での計画とサポートが揃えば十分合格を目指せます。
通塾していたが途中から塾をやめるパターン
ふたつめのパターンは塾に通っていたが、途中で通塾をやめ、塾なしに切り替える場合です。
通塾していたが「成績が思うように伸びない」「塾と合わない」などの理由でやむを得ず通塾をやめてしまうパターンです。
塾での指導やサポートも受けたことがあり、学習習慣もある程度身についているでしょう。
塾をやめてしまった理由と同様のことが今後起こらないようしっかりと学習計画を立て直し、状況により見直すことが重要となります。
また、塾ではなく自宅での学習となるため学習環境を整えなければなりません。
今まで塾で行っていたことを全て家庭で行うこととなるため、保護者の方のサポートが合格を勝ち取れるかどうかのカギとなります。
いずれのパターンにせよ、塾なしで中学受験を成功させるためには保護者の心構えが重要ポイントとなります。
家族全員で一丸となって挑むという覚悟を決めなければならないでしょう。
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【Q&A】よくある質問

最後に、塾なしで中学受験を考えるご家庭からよく寄せられる質問について解説します。
Q. 塾なし(家庭学習のみ)で私立中学受験に合格することは現実的に可能ですか?
A. 基本的には可能です。お子さまの学力や学習習慣、保護者のサポート体制によりますが、計画的に学習を進め、教材選びや進捗管理を丁寧に行えば、塾に通わずとも合格を目指せます。
Q. 塾なしで受験する場合のメリットと、注意すべきデメリット(情報収集、モチベーション維持など)は何ですか?
A. メリットは、家庭のペースに合わせて学習できることや、費用を抑えられることです。一方、デメリットは、入試情報の収集や学習進捗の管理、モチベーション維持をすべて家庭で行う必要がある点です。特に情報不足や学習習慣が定着しない場合は、合格への道のりが長くなる可能性があります。
Q. 自宅学習で中学受験を成功させるための、効果的な教材選びや学習スケジュールの立て方を教えてください。
A. 教材は算数は体系的に学べる問題集、国語は読解力を伸ばす教材、理科・社会は図表や資料問題を含むものを選ぶと効果的です。学習スケジュールは、年間・月間・週間の3段階で立て、基礎固めと応用演習、過去問演習の時期をバランスよく配置します。復習の時間を組み込み、進捗確認をしながら計画を見直すことが成功のポイントです。
まとめ

今回は、塾なしで中学受験をする上でのメリットやデメリット、成功例についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
通常、公立小学校において中学受験を想定した学習やサポートは行っていないことが多く、各ご家庭や中学受験塾にて受験対策を行う必要があります。
塾なしでも中学受験合格は可能ですが、ご家族で一体となって取り組む必要があり、親子ともに大きな負担がかかります。
各ご家庭の状況や負担を考慮したうえで、再度塾なしで中学受験をするかどうかを検討することが重要です。
この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹

関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。