物理と化学でどっちが有利?大学受験の科目選択を徹底比較!
- 公開日
カテゴリ:勉強・対策
大学受験をするにあたり、「物理」と「化学」の2科目は重要な科目と言えるでしょう。受験生の皆さんは、物理と化学のどちらの科目で受験するのが有利か悩まれると思います。
今回のコラムでは、両者の特徴、勉強法や勉強時間などを丁寧に解説していきます。物理で受験するか、化学で受験するか科目選択に悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。
- 物理と化学の特徴と違い
- 物理と化学における難易度・勉強時間・入試での有利不利
- 進路や性格に応じた科目選択の考え方
物理と化学でどっちが有利?

大学受験を控える中で、理科選択は志望校の合否を左右する大事な決断のひとつです。できるだけ「有利」な方を選びたいと思うのは当然ですが、結論から言えば、「物理と化学のどちらが有利か」は一概には言えません。というのも、両者は扱う内容や求められる思考のアプローチが大きく異なり、人によって向き・不向きが分かれるからです。自分にとってどちらの科目が合っているかを見極めることこそが、後悔のない選択につながります。
では、物理と化学には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
受験科目として選ぶうえでは、それぞれがどんな内容を扱い、どんな力を求められるのかをしっかり理解することが大切です。まずは、物理と化学それぞれの特徴や学習内容を整理しながら、共通点と相違点を詳しく見ていきましょう。
物理と化学の特徴

では、物理と化学の特徴について解説していきます。
物理の特徴と学習内容
物理は暗記する単語が少ない代わりに計算力が求められるのが特徴です。数学と近い性質を持ちますが、物理では公式の計算に加え、現実の現象と結びつけながら思考する力が求められます。 学習内容としては物理に関する基礎的な内容の「物理基礎」とそれをさらに専門的なとこまで突き詰めた「物理」の2科目があり、また力学・熱力学・波動・電磁気学・現代物理学の5分野に分かれます。「物理基礎」では主に運動とエネルギー・電気などを学習し、「物理」では基礎の内容を踏まえて、力と運動・電気と磁気などを主な単元として学習します。
化学の特徴と学習内容
化学は暗記力と暗記した基礎知識を用いた応用力の2つの力が求められるのが特徴です。基本的な単語や原理の意味などを暗記して、問題を解く際にその覚えた原理などを正しく応用していく必要があります。学習内容は物理と同じく「化学基礎」と「化学」の2科目があり、理論化学、無機化学、有機化学という3つの領域に分かれています。「化学基礎」では物質の構成・変化などを学習し、「化学」では高分子化合物の性質・物質の変化・状態と平衡などを主な単元として学習します。
両科目の共通点と相違点を整理
上記を踏まえて両科目の相違点と共通点を説明していきます。まず相違点についてですが、この2つの科目の最大の相違点としては「得点を採るのに必要な学習範囲」が挙げられるでしょう。それぞれの特徴を振り返ると「物理」は暗記量が少なく計算力が必要、つまり公式に対する深い理解が求められ、逆に「化学」は暗記量が多く、またその暗記したものに対する深い理解が求められそこからどのように応用するかを求められます。これらを言い換えると、「物理」は公式さえ理解すれば少ない学習範囲で高得点、「化学」は広く暗記し、それを応用することで高得点を狙えるという点数の採り方に違いがあります。次に共通点ですが、結局は暗記量に関わらず計算力が必要になる点になります。やはりどちらも理系科目に分類されるため計算問題が多く難易度に差はあれど高い計算力が求められます。相違点、共通点、科目の特徴をしっかり理解してどちらが自分に合うか考えていきましょう。
物理と化学の難易度や勉強時間

次は、物理と化学の難易度や勉強時間について解説していきます。
物理の難易度と必要な勉強時間
物理は基本的に暗記すべきことは公式のみであり、その公式も理解さえしてしまえばほとんど忘れることはないので、暗記的な要素は少なく比較的高得点もとりやすい教科です。しかし、その公式の理解のスピードには他の教科と比べて個人差が大きいため、難易度も人によって感じ方は異なるでしょう。また、物理は数学的な要素を多く含んでいるため、一般的に数学が得意な人は、物理も得意な人が多いです。物理に向いている人であれば、比較的短期間で共通テストの平均点水準に到達できることもあります。苦手な人でも、集中して取り組めば3〜5ヶ月程度で一定の実力がつく場合が多いでしょう。
化学の難易度と必要な勉強時間
化学は、理論化学、無機化学、有機化学という3つの領域に分かれています。理論分野では公式を覚える必要がありますが、比較的その割合は少なく、計算がメインとなります。一方で、無機化学や有機化学は暗記が基本となり、物質の性質や化学反応など膨大な量の暗記を必要とし、覚えていなければ問題を解くことが不可能です。物理は向き不向きがわかりやすく暗記量も少ないため、人によっては1ヶ月程度でそれなりに習得できますが、化学は多くの人が暗記に時間がかかるため、どれだけ得意であっても共通テストで平均点をとるには、3か月以上はかかるといえるでしょう。
大学入試での有利不利を考える

ここからは、大学入試における物理と化学の有利と不利について解説します。
二次試験での物理と化学の出題傾向を把握する
大学入試では、志望校の二次試験における物理や化学の出題傾向をあらかじめ把握しておくことが重要です。共通テストではすべてマーク式ですが、二次試験では多くの大学で記述式が採用されており、出題形式に合わせた対策が必要です。物理の二次試験では、力学や電磁気の分野が中心となることが多いため、基礎から応用までしっかりと対策しておく必要があります。一方、化学では、有機化学の構造決定が頻出であり、演習を通して慣れておくことが求められます。また、二次試験では、身の回りの科学現象やタイムリーな話題がテーマとして取り上げられることもあるため、日頃からニュースや科学関連の情報にも目を向け、多岐にわたる知識を持っておくことが大切です。
学部・学科別に有利な科目を検討する
物理と化学のどちらを選ぶか迷っている場合は、自分が進学を希望する大学の学部・学科では、どちらの科目が入学後に有利かを考えることが大切です。生物を選択して工学系の学部を受験できる大学はごくわずかですが、物理と化学については、どちらを選んでも受験可能な大学がほとんどです。ただし、入学後に基礎科目として物理や化学の授業を履修しなければならない学部もあり、授業の前提知識としてこれらの科目が必要とされることもあります。そのため、自分が学びたい分野ではどちらの科目がより役立つのかをあらかじめ確認し、選択の参考にすることが重要です。
共通テストでの選択科目としての特徴を理解する
物理と化学のどちらを選ぶか迷っている場合は、共通テストにおける各科目の特徴を理解することで、自分に合った科目を選ぶ判断材料になります。まず物理は、基本的な原理や法則を理解できれば高得点を狙いやすい科目といわれています。ただし、計算問題が多く、ミスが点数に直結しやすいため、得点にブレが生じやすいという一面もあります。一方、化学は暗記分野の比重が大きいため、しっかりと知識を身につけることが求められます。時間をかけて暗記と理解を積み重ねれば、比較的点数が安定しやすいのが特徴です。このように、物理と化学では出題傾向や得点の安定性に違いがあるため、自分の得意・不得意や学習スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
将来性と進路選択で比較

ここからは、物理と化学を将来性と進路選択で比較していきます。
物理選択が有利な進路
物理を選択することで有利になる進路は数多くあります。特に、工学部の機械工学、電気電子工学、航空宇宙工学といった分野では、物理を選択していなければ受験できない大学が多く、国公立大学ではその傾向が顕著です。そのため、進路の選択肢を広く持ちたい場合や、後から進路を変更する可能性がある場合には、物理を選択しておくと安心です。いわゆる「潰しがきく」選択肢といえるでしょう。また、物理は数学との関連が深いため、理学部の数学科など、数学系の学科でも物理の知識が役立つことがあります。さらに、情報系や建築系の学部でも、物理的な思考力や基礎知識が求められることが多いため、物理を選択していると学びがスムーズに進むケースが少なくありません。このように、物理を選ぶことで進学先や将来の進路の幅を広げることができる点は、大きなメリットといえるでしょう。
化学選択が有利な進路
化学を選択することで特に有利になる進路としては、医学部、薬学部、農学部などの理系学部が挙げられます。これらの学部では、二次試験で物理・化学・生物の中から1〜2科目を選択する形式が多く見られます。その中で化学は生物との知識的なつながりが強く、医・薬・農学系の学習においても基礎として直結するため、入学後の学びという観点でも選択するメリットがあります。 また、二次試験では極端に専門的な出題が少ない傾向もあり、しっかりと基礎を固めておけば高得点が狙いやすい科目でもあります。このため、特に医・薬・農学系の進路を目指す受験生にとっては、化学選択が有利になるケースが多く見られます。
両科目の知識を活かせる進路
物理か化学のどちらか一方を選ぶのではなく、両方の知識を活かすことができる進路も存在します。それは主に、理系学部全般です。理系学部では、共通テスト・二次試験ともに、物理・化学・生物の3科目の中から選択できる場合が多く、どちらの科目も学びの基礎として役立つ場面があります。特に、学科によっては入学後に物理と化学の両方の知識が必要になることも珍しくありません。ただし、具体的な選択科目の条件や試験科目の組み合わせは、大学や学部によって異なるため、必ず志望大学の募集要項や入試要項を確認しておく必要があります。理系分野を幅広く志望する場合は、どちらの科目にも取り組んでおくことで、進路の選択肢が広がるといえるでしょう。
性格が物理向きな人・化学向きな人

次に、性格的に物理が向いている人、化学が向いている人の特徴について解説していきます。
物理向きな人
物理に向いている人は、論理的に物事を考えるのが得意なタイプです。物理では公式を単に覚えるのではなく、なぜその式になるのかという仕組みを理解する力が求められます。また、数学的な処理が多いため、数式に抵抗がなく、計算を丁寧に進められる人にも向いています。さらに、抽象的なイメージを思い描きながら考えることができる人や、根本的な原理を突き詰めるのが好きな人は、物理の学習を楽しめる傾向があります。
化学向きな人
化学に向いている人は、観察力があり、細かな変化やパターンに気づくのが得意なタイプです。化学は暗記が多いと言われますが、実際には知識をもとに状況を分析し、論理的に判断する力も重要です。化学反応や物質の性質に興味を持ち、覚えた知識を活用するのが得意な人には特に向いています。また、理屈と暗記をバランスよく使いこなせる人や、地道にコツコツと学習を進められる性格の人にも適しています。
両科目に向いている人
物理と化学の両方に向いている人は、論理的思考力と観察・記憶力の両方を持ち合わせている人です。また、自分の得意不得意にとらわれず、幅広く興味を持ち、本質を理解しようとする姿勢がある人も、両科目をしっかりと伸ばすことができます。「理屈がわかれば覚えやすい」「計算も暗記もバランスよく対応できる」と感じる人は、どちらの科目も得点源にできる可能性が高いでしょう。自分の性格や学習スタイルと照らし合わせて、科目選択の参考にしてみてください。
最終的に迷ったら好き嫌いで選ぶ

物理と化学のどちらを選ぶか迷い続けた場合は、最終的に自分がより好きだと感じる科目を選ぶことが大切です。興味や好みがある科目は、勉強へのモチベーションを高め、苦しい時期でも続けやすくなります。どんなに理論的に考えても、好きになれない科目は成績も伸びにくいことが多いです。逆に、好きな科目なら自然と理解が深まり、学習が楽しくなります。受験は長丁場なので、自分の感情や直感を大切にし、無理なく学べる科目を選びましょう。
まとめ

今回は物理と化学の特徴や難易度、進路選択について詳しく解説しました。どちらの科目も得意不得意や興味に応じて選ぶことが大切であり、それぞれの科目に合った学習法を見つけることが合格への近道です。迷ったときは、好きな科目や将来の進路を基準に選ぶのも一つの方法です。今回の内容が、皆さんの科目選択や勉強の参考になれば幸いです。
この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹

関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。