高校生の塾代が払えない場合はどうする?対処法や塾代を支援してもらう方法も解説
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カテゴリ:料金・費用
高校生になると大学受験のために塾や予備校に通うことを検討している方も多いのではないでしょうか。
本記事では高校生の塾代を払えない場合の対処法や行うべきことについて解説しています。
記事内では高校生の塾代の平均費用や払えない場合の支援制度についてもまとめているため、塾代が気になる方や払えなくて困っている方は是非参考にしてください。
高校生の塾代はどのくらい?
高校生が塾に通う場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。
詳しく解説していきます。
高校生の塾代の平均
令和3年度に文部科学省から発表されたデータを表にまとめました。
公立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
第1学年 | 129,480円 | 181,168円 |
第2学年 | 149,104円 | 237,261円 |
第3学年 | 233,340円 | 324,521円 |
平均 | 171,377円 | 246,639円 |
公立高校と私立高校を比較してみると、私立高校に通っている子どもの方が塾代を含めたその他の教育費にかかっている費用が高く、また、学年が上がるにつれて費用は公立高校、私立高校ともに高額になる傾向にあります。
塾代の平均の目安として、公立高校が10~20万円程度、私立高校が15~30万円程度になると考えておきましょう。
講習やテスト対策でさらに高額になることも
追加で講習や特別な対策が必要になると、さらに費用が高額になる場合があります。
夏期講習や冬期講習などの季節講習は、長期の講座であるため、通常の授業よりも高額になることが多く、内容や時間の長さによっても費用は異なります。
塾によって費用に差はありますが、相場は数万円から十数万円程度だと言われており、特に人気の講座や専門性の高いものではさらに高額になることもあります。
テスト対策は、定期テストや模試、受験対策など、目的に応じてさまざまな形態があり、短期集中型のものが多いです。
相場は数千円から数万円程度が一般的であり、具体的な価格は、講座の内容や受講する期間、講師の経験などによって変わります。
塾代が払えなくなるとどうなるのか
続いて塾代が払えなくなるとどうなるのかまとめました。
退塾の可能性
塾代が払えなくなると、塾に通い続けることは出来なくなります。
支払い日を超過してすぐに退塾となるわけではありませんが、未納の期間が長引くと強制的に退塾となります。
塾代未納時の具体的な流れは塾により対応は異なりますが、最終的にはどの塾であっても共通して強制退塾になります。
先ずは電話での催促や督促状にて催促し、それでも支払いが無い場合は2~3ヶ月の滞納で退塾の処分とする塾が多いようです。
また中には一度退塾処分となると再入塾はできないという厳しい対応の塾もあります。
適切な指導が受けられない
塾代未払いということは講師の指導料の未払いということでもあるため、以前同様の指導を受けることができなくなるでしょう。
購入した参考書や問題集などの教材については返還する必要はありませんが、塾に通うのは講師からの指導を受けることができるからという方も多いのではないでしょうか。
良いテキストがあったとしても独学での学力向上は難しいでしょう。
学校では教えてもらえないような解説や無駄のない学習方法など講師から教わることは塾に通う最大のメリットです。
その最大のメリットを失うことになります。
未支払いが続くと訴訟になる場合も
また未払いが続くと塾から訴訟を起こされる場合もあります。
塾側は生徒が塾代を支払わないとなると契約不履行となり、裁判を起こして財産を差し押さえる権利が発生します。
裁判所を通して強制的に支払い命令が申し渡されるといったケースもあります。
法的措置であるため拒否はできず、どのような理由や事情があったとしても支払い義務はなくなることはありません。
また、滞納が続くと最悪の場合、財産の差し押さえもあり得ます。
支払い命令を無視すると最終的には財産差し押さえ(=強制的な債務履行手続き)が行われることもあります。
財産とは車や持ち家などの所有物のほか、毎月の給料も含まれます。
差し押さえは複数の種類がありますが、いずれにしても手放すことの無かったものを手放さざるを得なくなるでしょう。
高校生の塾代が払えない時の対処法
次に、高校生の塾代が払えない時の対処法について解説します。
塾に直接相談する
まずは、塾に直接相談しましょう。
塾代が払えないかもしれないとわかった段階で、最初にするのは、塾への連絡です。
お金を工面することばかりを考えてしまいがちですが、塾によっては、支払いを待ってもらえたり、分割払いに対応してくれるところもあります。
塾代が支払えないと、退塾や財産の差し押さえが行われる恐れもあります。
支払時期をしっかりと検討し目途をつけた上で塾に直接相談し、支払いの意思を伝え、対処法を検討してもらいましょう。
塾代を金融機関などから借りる
塾代を分納や延納にできる場合を除き、期日までにお金の支払いを行わなければなりません。
家計を見直すことなど、時間に余裕がある場合は対処できる可能性もありますが、期日までに間に合わない場合は、金融機関などからお金を借りるのも一つの方法です。
金融機関などからお金を借りると所定の金利に応じて利息を支払う必要はありますが、お金をまとめて借りることができ、その返済を複数月にわけて少しずつ支払うことができます。
教育ローンを探す
また、教育ローンを探すことでお金を借りることもできます。
教育ローンには二種類あります。
一つは日本政策金融公庫による国の教育ローン、もう一つは銀行や信販会社による金融機関の教育ローンです。
申込条件は次のようになっています。
国の教育ローン | 高校、大学などに通学している子どもがいて、世帯年収の基準を上回る家庭である |
---|---|
金融機関の教育ローン | 世帯年収の基準を上回る家庭の世帯主である |
国の教育ローンは、金利が年2.25%、上限額が350万円(※条件に該当すれば450万円)と一律で決まっています。
一方で、金融機関の場合は金利が年2.5%〜4.5%、上限額が300〜1,000万円と取り扱っている金融機関ごとにわずかながら違いがあります。
また、国の教育ローンの借入期間が18年であるのに対して金融機関のローンの借入期間は10〜15年です。
世帯年収などが条件を満たし、塾代を払うのが難しいと判断できたときに教育ローンを利用しましょう。
また高校に入学する前や入塾前に利用するのもおすすめです。
カードローンを利用する
教育ローンの審査は1週間以上時間がかかる場合があります。
そうなれば、支払期日が目前に迫っているときにはどうすることもできません。
その点、カードローンはすぐに利用を始めることができます。
カードローンには消費者金融カードローン、銀行カードローンがあります。
銀行カードローンは最短翌日で利用を始めることができ、消費者金融カードローンは、最短で即日に利用できます。
しかし、銀行カードローンでは年14.0%台、消費者金融カードローンでは金利が年3.0%〜18.0%と他の借入の方法に比べて高くなっています。
最近では、カードではなくアプリを利用する「アプリローン」というものもあります。
祖父や祖母に協力してもらう
教育ローンやカードローンの場合、金利が気になるという方もいるのではないでしょうか。
金利を気にしないケースとしては家族、特に祖父母にお金を借りる方法があります。
孫のためならとお金を貸してくれる可能性があるかもしれません。
国税庁によりますと、子供が祖父母から教育費を贈与された場合、具体的には①信託受益権を取得した場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合にはそのお金はすべて非課税対象となります。
支援制度を利用する手もある
塾代が支払えなくなった場合は、支援制度を利用するという手もあります。
地方自治体の助成金や奨学金についてまとめました。
地方自治体の給付金・補助金を借りる
お住まいの地域によっては、塾の費用を助成する制度を実施している場合があります。
年度によって条件などが変わる可能性もありますので、詳細は、各自治体の受付窓口にお問い合わせください。
地方自治体の助成金の例としては、茨城県つくば市の「子どもの学習塾代助成金」や、東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」があります。
審査が必要になる場合もありますので、自分が条件に当てはまっているかチェックしてみてください。
審査結果によっては、補助金が借りられない場合もありますのでご注意ください。
奨学金を利用する
文部科学省が2014年度から開始した給付金事業で「高校生等奨学給付金」があります。
高校生が対象で、授業料以外の教育費負担軽減を目的として低所得世帯に決まった金額を支給します。
世帯の状況により給付額は異なります。
また新入生は申込月によって給付額が変化します。
通っている学校か自治体が問い合わせ窓口となっており、早期支給の申請ができる自治体もあります。
申込期限、給付時期等の詳細は自治体によって異なりますので一度自治体に問い合わせてみてください。
高校生が利用できる給付金や補助金は少ない
現状、高校生を対象とした塾代に利用できる給付金や補助金は少ないです。
義務教育ではないということもあり、経済的に困難な場合に塾に通う手助けになる仕組みが整っていない自治体もあります。
先ずはお住まいの自治体の教育委員会等に問い合わせてみましょう。
塾に通う以外で学習する方法
つづいて塾に通う以外で学習する方法について見てみましょう。
オンライン学習塾を利用する
塾に通うのではなくオンライン塾を利用すると授業料は比較的安価で学習できます。
授業内容により価格は様々で、中には月額1万円以下の場合もあります。
サービス内容は種類が豊富で、それぞれに特色があります。
動画学習ではなくオンライン塾の場合は会話ができるような環境を整えなければならないため、パソコンやタブレット、マイクやヘッドホン等を購入しなければなりません。
塾よりも費用が安価であることが多く、質が高いコンテンツもあるといったメリットがありますが、種類が豊富なため比較検討が必須であり、環境を整える必要があるというデメリットがあります。
YouTubeで勉強する
YouTubeなどの教育系チャンネルの動画を見ながら学習するといった方法もあります。
独学の補助的な学習方法ではありますが、元教師や塾講師が特定の科目の解説を行っているため、参考にしながら学習することができます。
また数多くのチャンネルがあるため、自分に合ったチャンネルを探せこともできます。
受講料は無料であるため家計を圧迫することもありません。
デメリットとしては学習以外の動画が気になり学習に集中できなくなったり、一方通行のため質問できないといったことがあげられます。
参考書で勉強する
参考書を使って勉強する方法も効果的です。
参考書は多くの書店やオンラインで購入でき、比較的低価格で入手できます。
参考書を選ぶ際は、自分のレベルや目標に合ったものを選ぶとよいでしょう。
基本から応用までしっかりカバーしているものや、解説がわかりやすいものが特におすすめです。
参考書を使って勉強する場合は、単に参考書を読むのではなく、内容をきちんと理解し、自分の言葉で説明できるようになるまで何度も復習することが大切です。
理解を深めたら実際に問題を解いて、実践的な力をつけましょう。
塾代の支払いが難しい時に行うべきこと
塾代の支払いが難しい時に行うべきことについて詳しく解説していきます。
子供と話し合う
塾代の支払いが難しい場合、子供と話し合うことは非常に重要です。
家庭の経済状況や学習の選択肢について開かれたコミュニケーションを図ることで、より良い解決策を見つける手助けになります。
まずは正直に家庭の経済状況について説明し、塾代の支払いが難しい理由を子供に理解してもらいましょう。
そして、子供が塾に行きたい気持ちや、学習に対する意欲を尊重し、感情に寄り添う姿勢を持って、単に無理だと言うのではなく、「今は難しいけれど、どうしたら良いか一緒に考えよう」といった形で話し合うとよいでしょう。
子供と正直に、そして共感を持って話し合うことは、単に問題を解決するだけでなく、親子の信頼関係をさらに深めるためにも重要だといえます。
家計状況を見直す
次に、家計状況を見直すことも重要です。
まず現状の収入と支出の詳細を記録し、月々の収支を把握し、収入の源と支出を洗い出しましょう。
支出は固定費と変動費に分け、どのカテゴリが多くの費用を占めているかを確認しましょう。
そこから必要のない支出や節約できる項目を見つけて削減します。
例えば、外食を減らす、サブスクリプションサービスを見直す、無駄な買い物を控えるなどです。
家計状況は変わることがあるため、定期的に見直しを行って、必要に応じて予算を調整するとよいでしょう。
長期的に家計の改善を継続するためにも、家族全員で協力して家計の改善に取り組むことが成功の鍵だといえるでしょう。
クーリングオフ
クーリングオフとは、消費者が一定の条件で契約を解除する権利を持つ制度のことです。
塾でも、ケースによってはクーリングオフが適用できます。
例を挙げると、「塾長からすすめられて夏期講習に申し込んだが、授業料が高額であるためキャンセルしたい」という場合に、クーリングオフすることで費用の負担を減らすことができます。
まずは塾との契約書にクーリングオフに関する具体的な手続きや条件が記載されているか確認をしましょう。
クーリングオフの適用には、契約日から一定の期間が設定されていることが多いです。
この期間内に通知を行う必要があるため、契約書や規約に記載されている方法で、契約を解除する旨を書面で通知しましょう。
まとめ
この記事では高校生の塾代を払えない場合の対処法や行うべきこと、高校生の塾代の平均費用や払えない場合の支援制度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
塾代の支払いが難しい場合、塾に通う以外で自分に合った学習スタイルを見つけるなど柔軟に対応したり、支援制度を上手く活用することで塾代の支払いに対する負担を軽減することができるでしょう。
今回の記事を参考にしていただき、子供の勉強したいという気持ちをつぶさないよう、適切な方法を見つけましょう。
この記事の執筆者:個別の会代表 谷本秀樹
関西No.1の個別の医学部受験予備校『医進の会』の代表でもあり、これまで600人以上の生徒家庭に関わり、豊富な入試情報と卓越した受験指導で数多く志望校合格に導いてきた、関西屈指のカリスマ代表。