早稲田大学 コース・実績

文系

英語

大問数7題(2020年度は8題)
試験時間90分
解答形式英作文は記述式、他は全て選択式(マークシート)
傾向

例年、設問や選択肢を含め全文英文による出題である。読解問題の設問は、段落の主題、内容説明、内容真偽、主題など、内容把握を問うものが中心。選択肢の分量が多い場合もあり、長文の精細な読みに加え、選択肢も的確に読み取り判断することが必要となる。自由英作文では、テーマは時事的・社会的なものが多く、具体的な理由を示して論じることが求められる。試験時間内に解答を終えるにはかなりの実力が必要であり、やや難といえる。発音・アクセント、文法・語彙問題といった知識の集積で、確実に答えられる問題で即答できるように準備し、時間配分に気をつけたい。

対策

語彙に関しては、基本的な熟語や構文、語法の知識を確実に蓄えていくこと。また、かなりの長文が出題されるため、1000語程度の英文をどんどん読み進められることが最低条件である。長文を読むのが苦手な場合は、初めは精読を心がけよう。段落の主題やそれに準ずる問題が必ず出題されているため、1文レベルで正確に読めるようになったら、パラグラフごとの要点、パラグラフ間の関係・展開に注意を払うことを意識して読むようにしたい。自由英作文は、自分の意見を表明するという英語そのものとは異なる力も求められる他、ケアレスミスを防ぐために自分で書いたものを客観的に見直せる力も欠かせない。

国語

大問数4題(現代文2題、古文1題、漢文1題)
試験時間90分
解答形式選択式(マークシート)が大部分で、一部記述式。現代文では論述問題(120~180字の字数制限付き)が出題される。
傾向

古文は、文法・口語訳・内容真偽・内容説明などが頻出。漢文は、語意・口語訳・熟語・句法の他、内容真偽・内容説明が多いが、白文に返り点をつける訓読問題もよく出題されている。現代文の設問は、書き取り、空所補充、内容説明などであるが、中でも空所補充に難問が多く、内容説明の選択肢はかなり長めで迷うものが含まれており、正誤の判断には慣れが必要となるものが多い。現・古・漢それぞれ文章・設問ともにやや難のレベルであり、90分の試験時間に対して、問題文のレベルの高さ、内容読解中心の設問、字数制限を付した論述問題と、時間的余裕はない。時間配分としては、30~35分程度で古文・漢文を済ませ、現代文の論述問題に当てる時間を確保しておきたい。

対策

古文では、音読・黙読の繰り返し、重要古語の辞書での確認、特に用言および助詞・助動詞に留意しながらの品詞分解、和歌の修辞法(特に掛詞に注意)を中心にした古文独特の表現法、さらには古典常識・文学史に至るまでかなり細部にこだわりながらの学習を展開しておこう。漢文では、重要句形をはじめとして再読文字、特殊な返読文字などについて十分に練習をし、それらに習熟しておく必要がある。現代文では、各段落の要点や文章のキーワードを押さえながら読み進めていくことを心がけたい。過去問演習の際には、正解を出して終わりとするのではなく、常に解説を十分読み込み、解答までの道筋・正答の根拠を明確にさせていくこと。また、問題文の構成や表現を問う新傾向の設問が今後も出題される可能性もあるため、共通テストおよびセンター試験の過去問も研究しておくとよいだろう。

世界史

大問数5題
試験時間60分
解答形式選択式(マークシート)、長文論述(字数は250~300字)
傾向

選択肢の中には受験レベルを超えた内容も散見されるが、選択式の大半と長文論述は教科書レベルの知識で対応できる。しかし試験時間は60分で長文論述を含むため、かなりのスピードが必要となる。論述問題では、特定の地域や特定の時代における政治や外交の歴史的推移が素直に扱われ、かつ指定用語や論述の条件がそのまま論述のヒントとなっている。しかし、書きやすく、論述の方向・ポイントも明確であるため、学習の度合いが論述の出来に反映され、点差も開きやすくなる。したがって、論述は得点源になると同時に合否の分かれ目となる可能性も高い。

対策

教科書を精読し基本的事項や流れをつかみ、本文だけでなく脚注や地図にも注意しよう。特に地図では位置の確認だけでなく、位置の目印となる山・川・半島・島の名称や場所を押さえよう。合否を左右するのは、教科書・用語集にありながら見落としがちな箇所の出来であり、この箇所を発見する絶好の場が過去問演習となる。多くの問題にあたり、ミスした箇所などを調べ、知識を増やすこと。論述は、指定語句に関連する事項を想起し、出題者が求めている方向に沿って正しく述べられているかを添削してもらうことも重要である。

日本史

大問数4題
試験時間60分
解答形式選択式(マークシート)、記述式
傾向

時代別では、年度を通してみると古代から現代まで幅広く出題されており、特定の時代を軽視することはできないが、その中で近現代は例年全体の半数を占め、比重が大きい。分野別では、基本的に政治・外交分野からの出題数が群を抜いていて、社会・経済分野も比較的多い。さらに、資料問題が頻出である。記述式の解答は、全体の80~85%が教科書掲載程度の高い重要語句で、残りが難度の高い用語である。一方、選択式の問題に極めて微細な内容のものが多い。試験時間は60分で時間的余裕はないので、問題の難度を見極めて、解ける問題から確実に処理していこう。

対策

教科書を用いて、本文だけでなく、欄外の注や図表およびその説明も含めて綿密に読んで理解することが必要である。また、近現代史を細かく理解するために、政治・外交・経済・社会を分野別に整理しておこう。史料問題に関しては、過去問などで、初見史料を読んで史料のテーマを推測した上で設問に解答する練習もしておきたい。時事問題に関しては、以前に比べれば時事に関連づけた出題は減少しているとはいえ、新聞やニュースに目を向け、現代の諸問題と過去の事象を関連づけて考察するという歴史的関心を養っていくように意識したい。

政治・経済

大問数4題
試験時間60分
解答形式論述式(例年30~250字)、選択式(マークシート)、記述式
傾向

全分野から満遍なく出題されている。いずれも教科書の基本事項をふまえつつ、そこから一歩踏み込んだものが多く、時事テーマを背景に、基礎知識や理解力、応用力が幅広く問われている。
政治分野では、日本国憲法、統治機構や政党、実際の法制度とその運用や判例、時事問題にいたるまで詳細に問われている。

対策

教科書を丁寧に読み、図版・脚注まできちんと目を通しておく。
応用問題対策には、資料集の活用をすすめる。資料集は、歴史的な事項や最近のデータ、時事問題をコンパクトにまとめているので、それらをきちんと読みながら教科書を補充していく。

理系

英語

大問数5題
試験時間90分
解答形式全問マークシート法
傾向

読解問題4題と文法・語彙問題1題の問題構成で、問題や設問の文章、選択肢はすべて英文となっている。読まなければならない英文の量は全体として膨大であり、かつ読解英文はいずれも理系中心の話題を取り上げた内容であり、数学や理科に関する専門性の高い見慣れない用語が注釈なく現れるため、ハードルはかなり高いものになっている。そのため、試験時間内に全ての問題を終わらせるのは相当難しい。一方、問題の難易の差が大きく、時間がかかる問題もあれば、即答できる問題もある。

対策

量の多い英文をある程度の速度で正確に読めるようにするために、読解の基礎となる語彙の増強に力を入れた上で、英文を正確に読むことと素早くおおまかな内容をつかむことの両面をバランスよく実行したい。また、文法知識を直接問う問題は少ないが、正確に英文を読みこなすために文法力も不可欠なので、英文を読む上で分からなかったところや間違えたところはこまめに確認し、正確な知識を蓄えてほしい。
例年、質の高い良問となっており、習得単語の質と量を向上させるためにも、過去問演習は徹底的に行いたい。

数学

大問数5題
試験時間120分
解答形式記述式(2018・2022年度は答えのみでよい小問もあった。)
傾向

出題範囲は「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(確率分布と統計的な推測を除く)」。
微・積分法からの出題が中心で、論理的な処理や理解力、それに計算力を問う形で出題されることが多い。数列・極限、複素数平面、確率および整数の性質も頻出分野である。出題の意図を把握し、小問の誘導に沿って的確に解いていくことが重要である。
標準~やや難程度の出題で、年度や問題ごとに難易差のあるところが特徴的であり、型にはまらない問題も含まれていることがあるので注意したい。

対策

教科書だけでなく、発展レベルの問題も含んだ参考書を使用し、頻出問題や典型問題をマスターしておくこと。また、かなりの計算力を要求する問題が多いので、迅速かつ正確な計算力を身につける必要がある。特に積分計算については出題頻度が高いので、十分に練習しておくべきである。
時間配分と難易度の判断、解答をいかに適切に表現できるかがカギとなるため、過去の問題を決められた時間を使い、本番のつもりで解いてみよう。

化学

大問数3題
試験時間理科2科目で120分
解答形式マークシート法、記述式
傾向

出題範囲は「化学基礎・化学」。
理論と有機からの出題が多く、無機はやや少ないが、総合問題が必出だということもあり、全分野からバランスよく出題されている。理論では、周期表と原子構造の理解をもとにして化学結合と物質の性質を問う内容が頻出。また、実験装置や器具、実験方法、試薬、観察される現象など、実験に関する内容の出題頻度が高いことも特徴である。蒸留装置、水上置換、下方置換の描図はその顕著な例である。各分野ともに広い範囲から出題され、確実な知識と正しい理解が要求される。大半が基本的な問題であるが、一部思考力が問われるものもある。

対策

まず、化学用語、基礎的な法則、無機・有機の物質の性質や製法、化学式、化学反応式など教科書の内容を徹底的に理解すること。また、理論では、基礎的な問題からやや応用的なものまで反復練習し、計算力を養っておこう。実験に関しては、操作の留意点、それぞれの操作の意味、器具の名称と正しい使い方、観察事項などをしっかり習得しておくこと。実験装置の描図にも慣れておくようにしたい。
過去問に挑戦し、自ら傾向を分析するとともに理解が不十分な点はよく整理しておくことも有効である。

物理

大問数3題
試験時間理科2科目で120分
解答形式選択式(マークシート法)、結果のみを解答用紙に記入する形式
傾向

出題範囲は「物理基礎・物理」。
高校物理の2大分野である力学と電磁気からの出題比率がかなり高く、毎年必ず出題されている。他の分野は、2019・2020年度は波動、2018・2021・2022年度は熱力学の分野から出題されている。通常の問題集などではあまりみられないユニークな問題が出題されることがあり、問題パターンを暗記するだけの学習では対処できないことも多い。例年、標準的な難易度の問題も多いが、高度な応用力や思考力、総合的な数理処理を必要とする問題が出題されている。

対策

教科書で扱われている程度の事項はきちんと学習し、公式を導く過程や物理量の定義などの理解を十分にしておきたい。また、十分な問題演習が必要であるが、いたずらに数をこなすのではなく、問題の背景や得られた結果の示す意味もよく考えてみる習慣をつけるとよい。かなりの計算力を要する問題が含まれることがあるため、問題演習の際には、面倒がらずに計算過程を示しながら自分で問題を解き切ることが大切である。

生物

大問数3題
試験時間理科2科目で120分
解答形式ほとんどが記述式。(用語・数値の記述、論述問題、描図問題、計算問題が出題されている)
傾向

出題範囲は「生物基礎・生物」。
例年、遺伝情報、生殖・発生、細胞、体内環境からの出題が目立つが、まずは生物の出題範囲全般にわたって確実に基礎知識を身につけておくことが必要である。出題分野も広く、求められる知識も基本~応用まで幅広くなっている。教科書ではあまり扱われない内容や目新しい内容もみられ考察力を要する。試験時間も時間的余裕がなく、解答のスピードが要求されるため、知識問題を早めに解いて、論述問題になるべく多くの時間を確保したい。

対策

応用レベルの問題や考察問題に対応するためにも、まずは教科書を中心に学習すべきだろう。生物用語や教科書の記述をただ覚えるのではなく、各現象や実験の意味を十分に理解し、実験・考察問題に応用できるようにしておきたい。また、論述問題は必出で、量も多く増加傾向にあるため対策が重要であり、まずは生物学用語の説明や実験の考察などを題材に、1,2文程度で書く練習をしよう。
過去問で実際に問題のレベルを体験し、描図問題や論述問題を自分の力で書いてみることも有効である。