神戸大学 コース・実績
文系
英語
大問数 | 4題 |
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試験時間 | 80分 |
解答形式 | 記述式、選択式 |
傾向
英文和訳、英作文、内容説明などの本格的な記述問題に加え、読解問題の設問には空所補充、同意表現、内容説明、内容真偽などの選択問題も出され、バラエティーに富んだ形式となっている。読解問題の英文のレベルとしては、語彙に一部難解な語もあるが、全体的には読みやすい英文が多い。また、英作文では例年、意見論述の問題が出題されている。試験時間が80分と短く、記述量がかなりあるため、時間配分には細心の注意が必要である。
対策
長文読解問題の比重は例年大きく、読解力の養成に最大限力を注ぐ必要がある。難解な語も含まれた総語数1400~1900語前後の英文を短時間で読みこなすには、高度な語彙力が求められ、重要構文・熟語の暗記も欠かせない。さらに、英文一文一文の意味を正確に読み取りながら、パラグラフごとに話の大まかな流れをとらえる習慣を身につけることも重要である。英作文問題の意見論述は、例年書きやすい題材が取り上げられることが多く、語数もそれほど多くないので、基本的な英作文の力があれば対処できる問題が多い。また、英作文を書く際には、書き慣れていない語彙・構文を利用するよりも、正しく使いこなせる語彙・熟語・構文を用いることがポイントである。
数学
大問数 | 3題 |
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試験時間 | 80分 |
解答形式 | 記述式 |
傾向
出題範囲は数Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列、ベクトル)。微・積分法、ベクトル、数列、確率、2次関数などの出題が多いが、近年は他の分野からも幅広く出題されている。証明問題が例年出題される他、計算により解決される問題も多く、正確・迅速な計算力も必要である。標準程度な難易度で、よく練られた論理的な良問であるので、これに応じて答案を作成するためには論証力も必要である。難易度が高めの問題もあるが、誘導的な小問に分割されているので、その誘導に従えば解答できる。1題あたり25分程度を目安として、取り組みやすい問題から確実に解いていこう。
対策
教科書の基本事項の習得は学習の基礎であるため、用語の定義は正確に記憶しているか、公式は自力で導くことができるか、定理は証明できるかを確認すること。次に標準程度の問題を中心に、問題集で演習をしよう。問題の解法がわかっていても、計算力が弱いと、計算困難に陥って解答まで至らないことがあるため、計算力を訓練する必要がある。また、問題に対して適切な図が描けると、題意の理解、解法の発見、解答結果の検討などが容易になり、問題の本質を具体的かつ的確に把握できるようになるため、演習の際、図が利用できる問題に対しては必ず図を描くように習慣づけて、図を描く技量を高め、図を利用する力の向上をはかるべきである。
国語
大問数 | 3題(経済学部は現代文・古文の2題、海洋政策科学部は現代文1題) |
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試験時間 | 100分(経済学部は80分、海洋政策科学部は60分) |
解答形式 | 全問記述式(知識問題などでは選択式のものもみられる) |
傾向
出題範囲は現代文・古文・漢文である。現代文は、比較的有名な著者の重厚な内容の評論(5000字前後)が出題されており、内容を俯瞰的に把握できるような読解力が求められている。古文は文章が標準的であるが、例年出題される口語訳では、前後の文脈から言葉を補う必要があるなど、機械的な口語訳の作業では通用しないものもある。漢文は、書き下し文、口語訳、内容説明など設問形式は標準的であるが、文章の展開を正確に読み取る読解力や応用力が必要である。文章は読みやすくても本格的な記述問題が中心で、尚且つ字数制限のある問題も多いため難度が高くなっている。時間配分にも注意が必要であり、現代文50分、古文30分、漢文20分をおおよその目安としたい。
対策
神戸大学の現代文は読解力が要であるため、日頃から新書などに触れ、語彙や思想に関する知識を蓄えながら、論の展開を押さえていく訓練を積んでおきたい。設問数自体は多くないが、一つ一つが丁寧な読解を前提としたものが多いので、過去問の演習は必須である。古文では、文法力と単語の知識で一文一文に口語訳をつけていく練習を積むとよい。その際、訳出箇所に指示語があれば、具体的に指示内容を示すことを忘れないようにしよう。漢文では、国語便覧などに整理されている句法、構文はしっかりと身につけた上で、教科書に載っている文章を何度も読み、漢文読解のコツをつかむことが重要である。
理系
英語
大問数 | 4題 |
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試験時間 | 80分 |
解答形式 | 記述式、選択式 |
傾向
出題の中心はバラエティーに富んだ設問からなる総合読解問題であり、英文の量は1題500~650語前後のものがほとんどである。総語数としては1400~1900語程度と幅がある。英文の内容は今日的な話題や、やや抽象度の高い科学系の論説文などから計2題、会話文が主体の物が1題というパターンである。全体的には読みやすい英文が多い。英文和訳は全部で3~5カ所の下線部を和訳させることが多い。内容説明は字数制限があるものと、ないものがある。例年、意見論述の問題が出題され、語数は40~70語程度で2問の事が多い。
対策
長文読解問題の比重が大きく、総語数1400~1900語前後の英文を短時間で読みこなすため、読解力の養成に力を注ぐ必要があり、かなり高度な語彙力が求められる。英文和訳は構文・イディオムを確実に押さえて練習を積むこと。単語学習の際には多角的な知識を得るようにすること。英作文は辞書を使わず40~70語程度の英文を書く練習を繰り返し、正しく使いこなせる語彙・熟語・構文を用いて第三者に添削してもらうとよい。
数学
大問数 | 5題 |
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試験時間 | 120分 |
解答形式 | 記述式 |
傾向
出題範囲は数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)。微・積分法、ベクトル、数列、確率などの出題が多いが、近年は他の分野も幅広く出題されている。証明問題が頻出であり、図示問題が出題される年度もある。小問に分割された誘導的設問が多く、設問の意図を理解して対応する柔軟な理解力が必要である。誘導されていることに気が付きにくい設問もある。1題あたり20分強を目安として、確実に解きたい。
対策
教科書の基本事項の習得、用語の定義の正確な暗記、公式を自力で導くことができるか、定理は証明できるか、さらにこれらを用いて基本程度の問題ならば即座に解けるかを、自信が持てるまで繰り返し学習する。計算力は特に重要である。図の活用も重要で、演習の際は図を描くようにして技量を高め、図を利用する習慣をつけよう。週に一回程度は答案の作成練習を行うとよい。
物理
大問数 | 3題 |
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試験時間 | 60分 |
解答形式 | 記述・論述・描図問題などが中心 |
傾向
出題範囲は物理基礎、物理である。2題は力学と電磁気からの出題で、もう1題は熱力学または波動から出題されることが多い。標準的でよく問われる内容を扱った正攻法の出題と言える。物理的な現象のとらえ方・法則などに対する理解の徹底度が問われる。描図問題は毎年出題され、論述問題も頻出している。入試問題としてはきわめて標準的な問題であるが、手間のかかる問題も並んでおり時間配分には注意が必要である。
対策
高校物理の全分野についての基本事項を、確実に理解しておくために教科書を熟読し、基本概念、法則、公式の導き方を確認しておくこと。文字計算・数値計算ともに十分に問題演習をしておきたい。論述・証明問題に備えて詳しい解法・解説のついた問題集で、自分の考えが正しく伝わる簡潔な表現を意識して、コンパクトで論理的な答案を書く練習をしておこう。神戸大学は、二次試験対策の中に共通テスト対策が含まれていると意識して学習したほうがよいだろう。
化学
大問数 | 4題 |
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試験時間 | 60分 |
解答形式 | 設問形式(空所補充、計算問題、選択・記述・論述問題) |
傾向
出題範囲は化学基礎・化学である。理論・無機・有機の3分野にわたる。理論分野は気体の法則、蒸気圧、熱化学方程式などを含む計算問題が出題されやすい。無機分野は理論と合わせて出題されることが多いが、出題の割合は少ない。有機分野は例年2題程度出題されている。全体的には標準的なレベルの問題だが、有機や計算の問題に難しいものも出題されている。試験時間に対して問題量が多いことが特徴である。
対策
理論分野は、教科書などで基礎内容を理解し、基本から応用へと段階的に練習問題に取り組むこと。無機分野は、教科書に出てくる各物質の化学式・製法・性質などを整理して覚えておくこと。また、化学反応式もしっかりと理解して確実に書けるようにしておこう。有機は出題量が多いため、特に力を入れて学習しておこう。過去と類似の出題がみられるため、過去問についてよく研究しておくとよい。
生物
大問数 | 4題 |
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試験時間 | 60分 |
解答形式 | 多様な出題形式(空所補充、用語問題、論述問題、実験設定や実験結果の考察、計算、仮設の設定、表・グラフの解釈など) |
傾向
出題範囲は生物基礎・生物である。記述式の空所補充問題が多いこと、知識・説明中心の論述問題は字数制限が設けられていることが多いため、ポイントを押さえた簡潔な表現力が要求される。また、計算問題は頻出であることや、実験結果の考察などは表やグラフをもとに考えさせる問題がよくみられることが特徴である。教科書レベルを大きく超えるような難問が出題されることはなく、標準的な問題が中心である。知識・理解型の論述、考察型の論述、計算、グラフ理解などがバランスよく組み合わされており、総合力が試される問題である。
対策
出題される問題はすべて教科書レベルの知識を踏まえたものであるため、まずは教科書で基本を身につけること。次に、苦手な分野はまとめや例題から丁寧に始め、得意な分野は問題演習から始めよう。さらに、試験時間内に完成度の高い解答を時間内で仕上げるには、十分な問題演習や論述の練習が必要である。論述する内容に含まれるキーワードやキーセンテンスをチェックして覚えていこう。