慶應義塾大学 コース・実績

文系

英語

大問数4題または5題
試験時間90分
解答形式マークシート法
傾向

例年、設問の指示文も含め、問題はすべて英語である。
英語長文の総語数は、200~900語程度と、幅がある。英文のテーマとしては、時事問題・社会・文化・科学技術・医療・健康・法律・経済など、多岐にわたって出題されている。
空所補充形式の問題については、以前は会話の流れを正確にたどらなければ正解の得られない空所が多く、難問が多かったが、近年は易化傾向にある。

対策

例年、出題傾向の似た問題が多いので、多くの過去問にあたっておくことがきわめて有効である。
長文読解問題の語彙レベルが非常に高いことから、語彙力の増強は必ずやっておかなければならない。イディオムに関わる問題に難解なものが多いのが特徴のため、熟語力の強化も必要である。単語を覚える際には、アクセントの位置にも注意を払おう。

日本史

大問数4題
試験時間60分
解答形式マークシート法
傾向

リード文・引用史料中の空所補充問題と、リード文下線部に関連した設問からなる。空所補充では、語群の選択肢が大問ごとに解答個数4~8倍程度の多さで設定され、類似のものや1字違いの人名・用語などもあるため細心の注意が必要である。
単年度では偏りがみられることもあるが、原始・古代から戦後史まで全時代にわたって出題されている。

対策

政治史・外交史・社会経済史・文化史などの基本事項を軸に、時代ごとに歴史を整理しよう。近世~近現代には特に力を入れ、昭和戦後史もおろそかにしないこと。
史料集は常に活用し、史料をもとに歴史を考え、関連・派生事項を類推する学習習慣を身につけよう。

世界史

大問数4題
試験時間60分
解答形式マークシート法
傾向

空所補充問題に加え、配列問題や正文・語文選択問題、選択肢のなかから当てはまるものを過不足なく答える問題など、多彩な選択問題で、その比率は年度によってばらつきがみられる。地図を用いた問題も出題される。 欧米地域とアジア地域の割合は年度による変動が大きく、多地域混合問題の出題もみられる。
多くの大問で「現代」の視点が求められており、近現代重視の傾向がみられる。

対策

さまざまなテーマによる文化史や各国史・地域史などは、テーマ別問題集などを利用して十分に研究しておこう。その際、文化史は事項を丸暗記するのではなく、用語集などでその内容まで理解しておくこと。
過去に繰り返し出題されているテーマや内容を自分自身で確認し、出題形式や難問のパターンを理解するためにも、ぜひとも早い時期から過去問に取り組んでおこう。

論述力

大問数1題
試験時間90分
解答形式1000字の論述
傾向

例年3000~4000字程度の課題文を読んでの論述。課題文の筆者の見解を要約し、自身の見解を展開する形式である。
法学部系統の専門領域に関わる基礎知識や現代社会に関する問題意識を問う内容が多い。
課題文の読解力やテーマの理解力に加え、構成力や表現力、発想力など高度なものが求められており、難度は高いと言える。

対策

課題文の論理構造・論理展開を正確に把握することと、課題文の論点を自分の知識や問題意識と関連させて理解することが大切である。
言いたいことを読み手にわかるように明快に表現すること、これが表現力の本質である。接続詞の使い方、文末表現などの細かい点も含めて、論理的に一貫性のある文章を書くよう心がけよう。
普段から論説文や新聞の社会・文化・国際関係の記事などを読んで、知識を身につけるとともに、表現力の充実を目指そう。

理系

英語

大問数5題
試験時間90分
解答形式マークシート法
傾向

読解問題は英文の語彙レベルが高く、構文も時に複雑なものが見られる。
設問にも文脈を十分に考慮しながら解答すべきものが含まれており、全体に難度は高いと言える。
英文の素材は、論旨が明快で科学的な内容のものが多いが、文化・社会に関する抽象的な内容のものが出題されることもある。

対策

すべての基礎となる文法・語法の知識をまず固める。標準レベルの文法・語法の問題集を1冊選び、繰り返し演習して基本をしっかりと身につけること。
読解問題対策には普段から英文の中で未知の語句に出会ったら、まずは文脈に即して自分で意味を考えてみて、その後正確な意味を把握した上で、英文ごとにしっかり覚えるという学習が最適である。

数学

大問数5題
試験時間120分
解答形式空所補充式、記述式
傾向

最も出題頻度が高い項目は微分・積分。その内容は、微分・積分の演算、関数の増減への応用、面積・体積への応用、その他多方面にわたっている。次いで出題頻度の高い項目は、数列、極限、確率、ベクトルなどである。いくつかの項目にわたる融合的・総合的問題もよく出題されている。
1つ1つは標準レベルであるが、分量は多く、概して計算量も多い。

対策

まずは教科書によって、定理や公式などの基本事項を自在に活用できるようになるまで、十分学習しなければならない。
入試問題集による演習も必要である。問題集の程度は標準程度でよい。自力で解くことが望ましいが、問題集の解答を見て解法の知識を増やすことも有益である。
一通り全範囲の学習ができたならば、頻出項目についてさらに学習を強化することが望ましい。

化学

大問数3題
試験時間「物理」とあわせて120分
解答形式空所補充形式
傾向

出題項目は幅広い。分野別に見ると、理論分野と有機分野中心の大問が1題ずつ出題され、残りの1題が理論と無機、または理論、無機、有機の融合問題という構成になることが多い。
理論分野では熱化学、酸・塩基、酸化・還元、電池と電気分解、科学結合と結晶格子、混合気体と蒸気圧、希薄溶液の性質、反応速度、化学平衡、電離平衡などがよく出題されている。

対策

理論分野からの大問が頻出であるのに加えて、無機分野や有機分野の大問でも化学理論に関する計算問題が含まれるため、理論分野は幅広くかつ深く学習しておこう。まずは、化学全般にわたる問題演習を満遍なくすることで、化学理論を体系的に理解することが大切。
特徴的な問題構成・内容に対応するためには、過去問を繰り返し解いて問題形式やそのレベルに慣れることが重要である。

物理

大問数3題
試験時間「化学」とあわせて120分
解答形式空所補充形式
傾向

例年、力学、電磁気が1題ずつ出題され、残り1題が波動もしくは熱力学からの出題となることが多い。
全体的に標準レベル以上の問題が多く、難度はかなり高い。しかし、大問1題中に基礎的な設問が必ず含まれており、すべてが難しいというわけではない。問題集でよく見かけるような題材もあるが、どの問題にも新しい着眼の設問が用意されていて、工夫が見られる良質な問題になっている。

対策

各分野の基礎事項を徹底的に身につけること。工夫された問題に対応するには、公式を丸暗記するだけの学習は役に立たない。基本法則を深く正確に理解し、公式がそれらの基本法則を基にどのような思考過程を経て導き出されるかをしっかり身につけよう。
新しい着眼の問題や設問に対しても、与えられた状況を正確に把握し、物理法則を適用して論理的思考を重ねていけば十分対応できる。